8/28(日)「山田航×くどうれいん オンライントークイベント」開催!
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向坂くじら『とても小さな理解のための』
¥1,760
--- びーれびしろねこ社賞大賞受賞の向坂くじら、待望の第1詩集。その瑞々しい感性と類いまれな言葉の才能は他の追随を許さない。詩界、各メディアにも注目されている著者の世界を是非感じて下さい。帯文を文月悠光(詩人)、岡英里奈(作家)。表紙絵を田島環。本文挿し絵をPainter kuro。
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山中智恵子/水原紫苑編『山中智恵子歌集』
¥2,310
--- 「私は言葉だつた。」 短歌の韻律に乗せて人間存在を徹底的に問うた歌人・山中智恵子。 代表歌集『紡錘』『みずかありなむ』『夢之記』を完本で収録。 山中智恵子の全貌を見渡せる1600首を収める。 『葛原妙子歌集』(川野里子編)に続く新編シリーズの第2弾! 【栞】 小島なお「匣のなかの贈物」 瀬戸夏子「殺害のプロセス」 藪内亮輔「山中智恵子の〈境〉 ──『みずかありなむ』を中心に」 【収録歌より】 うつしみに何の矜恃ぞあかあかと蠍座は西に尾をしづめゆく(『空間格子』) わが生みて渡れる鳥と思ふまで昼澄みゆきぬ訪ひがたきかも(『紡錘』) 行きて負ふかなしみぞここ鳥髪に雪降るさらば明日も降りなむ(『みずかありなむ』) その問ひを負へよ夕日は降ちゆき幻日のごと青旗なびく(『みずかありなむ』) さくらびと夢になせとや亡命の夜に降る雪をわれも歩めり(『虚空日月』) 【著者プロフィール】 山中智恵子(やまなか・ちえこ) 1925(大正14)年愛知県名古屋市生まれ。前川佐美雄に師事。1946年秋「日本歌人」入会。1955年第1回「短歌研究」新人賞応募(佳作)。1960年塚本邦雄らの同人誌「極」に、1964年村上一郎の同人誌「無名鬼」に参加。歌集に『紡錘』『みずかありなむ』『青章』(現代短歌女流賞)『星肆』(迢空賞)『夢之記』『黒翁』『玉蜻』など。他にライフワーク『斎宮志』に代表される斎宮制度解明の史書がある。没後、『山中智恵子全歌集』『玉すだれ 山中智恵子句集』。鈴鹿市寺家町正因寺の山中家の墓に眠る。 【編者プロフィール】 水原紫苑(みずはら・しおん) 1959年神奈川県横浜市生まれ。早稲田大学大学院文学研究科仏文学専攻修士課程修了。86年、「中部短歌会」に入会。以後春日井建に師事、師の没後は単独で活動。歌集に『びあんか』(第34回現代歌人協会賞)『客人』(第1回駿河梅花文学賞)『くわんおん』(第10回河野愛子賞)『あかるたへ』(第5回山本健吉賞・第10回若山牧水賞)『えぴすとれー』(第28回紫式部文学賞)『如何なる花束にも無き花を』(第62回毎日芸術賞)などがある。
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『空気の日記』
¥2,420
--- 23人の詩人が綴ったコロナ禍のリレー日記365日 コロナ禍の1年間、休むことなく書き続けた詩人たちの日記はリアルで、詩的で、いつまでも心に残り続ける。 この時にしか書けなかった貴重な記録です。 【呼びかけメールより】 未曾有の事態なので様々な出来事は記録されていきますが、人々の感情の変化の様子をしっかり留めておくべきではないかと思いました。 そこで、詩人のみなさんと手分けして『空気の日記』をつけていきたいと思いつきました。 その日の出来事とその時の感情を簡潔に記していく輪番制の日記です。 せっかくなので詩のかたちで書けるといいなと思います。空気の叙事詩。 <参加詩人> 新井高子 石松佳 覚和歌子 柏木麻里 カニエ・ナハ 川口晴美 河野聡子 さとう三千魚 白井明大 鈴木一平 ジョーダン・A・Y・スミス 田中庸介 田野倉康一 永方佑樹 藤倉めぐみ 文月悠光 松田朋春 三角みづ紀 峯澤典子 宮尾節子 山田亮太 四元康祐 渡辺玄英 (出版社:書肆侃侃房)
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西尾勝彦『白い火、ともして』
¥990
ゆらがない強い心を持ちたいと思っていても、日々触れる様々な言葉や出来事に、ぐらぐらと自分を見失いそうになります。そんな時に開いてみてください。きっと、自分自身が見つめるべき方向へと連れ戻してくれます。 --- 縁あって芸術方面に進もうとしている若い人たちに「創作基礎」の話をする機会がありました。創作そのものを教えることはむずかしいですが、創作をつづけていくにあたって知っておいた方がよいことなら少しは伝えられるとおもい、講座を担当しました。 その内容をより非実用的な方向にあらためて、随筆詩のようなかたちにまとめたのがこの小冊子です。ほとんど役に立つものではありませんが、創作を志すひとのささやかな支えになるかもしれません。 本棚の片隅にそっと置いていただき、ときおりまぼろしをかんじるように読みかえしていただけたらうれしいです。
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桜林直子・土門蘭『そもそも交換日記』
¥2,090
--- 東京と京都。雑談と文筆。離れた場所で「言葉」を軸に働き暮らす、サクちゃん(桜林直子)と蘭ちゃん(土門蘭)の交換日記です。 そもそも、友達って? 自由って? 幸せって? 誰かに会ったとき、その人の何を見ている? どんなときに安心を感じる? 「自分を大事にする」ってどういうこと? ふたりは、普段あまり意識することのない「そもそも」を見つめて、大きな概念を因数分解し、小さな心の機微を捉えて、言葉で輪郭を与えつづけてきました。問いを投げて、答えを考え、言葉を交わす。日記文学として、エッセイとして、なめらかな文章で綴られるふたりの思考の過程を辿るうちに、自分の心の奥に触れていることに気付かされるはずです。 この本には、日本で新型コロナウイルスが身近になり始めた2020年3月24日から2021年3月30日まで毎週交わした(cakesで連載)、1年分の日記が収録されています。
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【サイン本あり】山田航『寂しさでしか殺せない最強のうさぎ』
¥2,200
−−− 現代歌人シリーズ34 『寂しさでしか殺せない最強のうさぎ』 山田航 装幀:クラフト・エヴィング商會 雨宿りやめる決意を君はする止んだのか濡れる気かは知らない 小説的な企みのなかに、「ひかりってめにおもい」ことや「夏が動く音」、「手渡し」の危険さといった日常に潜むスリルが散りばめられている。 ふいに出現する口語の息遣いに虚をつかれた。 ー江國香織 【収録歌より】 猫の頭蓋骨は小さい 手に収まるくらいの量の春つかまえる 手渡しは危ないからさテーブルに置くよ紅茶もこの感情も ひかりってめにおもいの、と不機嫌だごめん寝てるのに電気つけちゃって 電線で切り刻まれた三日月のひかりが僕をずたずたに照らす 海、海、海、海が見えるよ僕たちは海に奇跡の投げ売りを見た 【著者プロフィール】 山田航(やまだ・わたる) 1983 年札幌生まれ。札幌在住。 第一歌集『さよならバグ・チルドレン』(ふらんす堂)、第二歌集『水に沈む羊』(港の人)。 編著に『桜前線開架宣言』(左右社)、エッセイに『ことばおてだまジャグリング』(文藝春秋)。 (出版社︰書肆侃侃房)
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輪島裕介『創られた「日本の心」神話 「演歌」をめぐる戦後大衆音楽史』
¥1,045
\『寂しさでしか殺せない最強のうさぎ』発売記念・山田航オススメ本フェア/ <山田さんからのおすすめコメント> 「創られた伝統」という理論に則り、演歌というものが昭和期に「日本の伝統」として捏 造されていった過程を論じた本。文化に関わる人はみんな意識しておかなくてはならない 歴史。 --- 「演歌は日本の心」と聞いて、疑問に思う人は少ないだろう。落語や歌舞伎同様、近代化以前から受け継がれてきたものと認識されているかもしれない。ところが、それがたかだか四〇年程度の歴史しかない、ごく新しいものだとしたら? 本書では、明治の自由民権運動の中で現れ、昭和初期に衰退した「演歌」――当時は「歌による演説」を意味していた――が、一九六〇年後半に別な文脈で復興し、やがて「真正な日本の文化」とみなされるようになった過程と意味を、膨大な資料と具体例によって論じる。 いったい誰が、どういう目的で、「演歌」を創ったのか?
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沢木 耕太郎『バーボン・ストリート』
¥605
\『寂しさでしか殺せない最強のうさぎ』発売記念・山田航オススメ本フェア/ <山田さんからのおすすめコメント> 中学生の頃に読んだ数少ない本のうちの一冊。翻訳っぽい文体の洒脱なエッセイ集で、「 文章の芸」みたいなものを初めて知った本だったかもしれない。 --- ある時はひと気のない深夜のバーの片隅で、またある時は人いきれのする賑やかな飲み屋で、グラス片手に飲み仲間と語り合った話の数々――スポーツ新聞の文章作法、ハードボイルド、テレビと映画、賭け事にジョーク etc……。そんな話題を素材にして、ニュージャーナリズムの旗手が、バーボングラスのよく似合う15編の洒落たエッセイに仕立てました。講談社エッセイ賞受賞。
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せきしろ『バスは北を進む』(幻冬舎文庫)
¥638
\『寂しさでしか殺せない最強のうさぎ』発売記念・山田航オススメ本フェア/ <山田さんからのおすすめコメント> 又吉直樹とも一緒に仕事している放送作家兼自由律俳人による、道東で暮らした少年時代 を回想したエッセイ。近年珍しい「写生文」の魅力を十二分に発揮している。きっちりと 起承転結をつけている文章構成の上手さも参考になる。 --- 雪が降っている。 スケートリンクを整備する人がいる。エンジンのかからない車がある。 吹雪の中で信号機が光る。 やがて曇り空しか見えなくなる……故郷で暮らした時間より、出てからの方がずっと長いというのに、思い出すのは北海道東部「道東」の、冬にはマイナス20度以下になる、氷点下の世界で過ごした日々のこと。 センチメンタルエッセイ集。
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『寺山修司少女詩集』(角川文庫)
¥704
\『寂しさでしか殺せない最強のうさぎ』発売記念・山田航オススメ本フェア/ <山田さんからのおすすめコメント> 寺山修司の本領が一番発揮されているのは、実は短歌でも俳句でも戯曲でもなく、児童詩 のような気がする。叙情性と言語遊戯が高いレベルで両立しているというか。 --- 少女の心と瞳が捉えた愛のイメージを豊かな感性で織りなすオリジナル詩集。 忘れられた女がひとり、港町の赤い下宿屋に住んでいました。彼女のすることは、毎日、夕方になると海の近くまで行って、海の音を録音してくることでした……少女の心の愛のイメージを描くオリジナル詩集。
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平田オリザ『演劇入門』
¥924
\『寂しさでしか殺せない最強のうさぎ』発売記念・山田航オススメ本フェア/ <山田さんからのおすすめコメント> 「現代口語演劇」の入門書。演劇は観ないという人ほど、読むと目から鱗が落ちると思う 。「日本語とは何か」ということを一番教えてくれた本。平田オリザと穂村弘が同い年な のすごいよね。 --- 若き天才が全て明かす「芝居作りの技術」。シェイクスピアはなぜ四世紀にわたって人気なのか? 日本で対話劇が成立しづらいのはなぜか? 戯曲の構造、演技・演出の方法を平易に解説する画期的演劇入門書!
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短歌研究 2022/8
¥1,200
−−− 特集 短歌ブーム 岡野大嗣インタビュー(聞き手 渡辺祐真/スケザネ) 「ブームは去るもの。そして何かを残すもの」 スケザネによる岡野大嗣20首選 論考「短歌ブーム」=天野 慶「『短歌ブーム』に誰が火をつけたのか」/土井礼一郎「短歌ブームがおしかけてくる」/西崎 憲「短歌ブームにかんして思うこと」/山田 航「一九七九年謎の短歌ブームを追う」 「歌集出版」の可能性について ナナロク社・村井光男社長インタビュー 書店員さん大アンケート 「短歌売り場の熱量」いま何が起きているのか? 巻頭作品20首=俵万智「キーホルダー」 作品20首=岡野大嗣「シルエット」/上坂あゆ美「生きるブーム」/岡本真帆「ワルツ、はつなつ」 作品連載第4回30首=富田睦子「ecru」/千種創一「つぐ(中編)」/小坂井大輔「泣けてきました」 第65回短歌研究新人賞受賞後第一作30首=ショージサキ「どこへでも行ける」 毎月連続掲載30首=水原紫苑「羅針盤」 十首の世界=伊藤 紺「夏」/大前粟生「うしろの正面」/佐クマサトシ「ただ言葉は老いて西へ」/初谷むい「庭の夢」/フラワーしげる「世界学校」 連載 東直子の「楽歌*楽座」第12回 佐藤弓生・千葉 聡・小島なお(ゲスト)「人生処方歌集 41 特別編」 吉川宏志「1970年代短歌史13」 安田登「能楽師の勝手がたり10」 小島ゆかり「サイレントニャー」 工藤吉生「Twitterで短歌さがします13」 短歌時評=鯨井可菜子│「いち早く」の先に もう一度「キーウ」について考える 作品季評第123回・後半 栗木京子(コーディネーター)/大松達知/小原奈実 富田睦子「きさらぎの」短歌研究4月号│玉井清弘「活舌のテスト」角川「短歌」3月号│米川千嘉子歌集『雪岱が描いた夜』 歌集歌書評・共選=大西久美子/鈴木加成太 短歌研究詠草 永田和宏 選 歌壇ニュース 短歌研究詠草のおしらせ 短歌研究次号予告
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現代短歌2022/9 no.92
¥1,100
現代短歌2022年9月号は『ウクライナに寄せる あるいは、戦争と言業』。 −−− 内容 巻頭作品50 首 「Weathering」 藪内亮輔 特集 ウクライナに寄せる あるいは、戦争と言業 ・STOP THE WAR! #2022年 長田典子 ・戦争の貌は言葉から眼を反らすか 藤井貞和 ・ウクライナ戦争をどうとらえるか 神山睦美 ・声明とメッセージ 日本ペンクラブ 日本文藝家協会 日本推理作家協会 日本ロシア文学会 現代歌人協会理事有志 ・新作12首+コメント ーノ関忠人/内山晶太/梅内美華子/大口玲子/大田美和/ 大辻隆弘/大松達知/大森静佳/沖ななも/小黒世茂/ 春日いづみ/加藤治郎/加藤英彦/喜多昭夫/久我田鶴子/ 久々湊盈子/工藤貴響/栗木京子/黒木三千代/黒瀬珂瀾/ 三枝浩樹/西藤定/佐伯裕子/坂井修一/佐原キオ/ 島田修三/高木佳子/高島裕/高野公彦/田中槐/谷岡亜紀/ 千葉聡/富田睦子/内藤明/中川佐和子/馬場あき子/ 濱松哲朗/林和清/東直子/福島泰樹/藤島秀憲/ 藤原龍一郎/三上春海/山田航/吉川宏志/渡辺幸一 作品連載24首 ・「ノスタルジア」山田富士郎 ・「クレヨン」横山未来子 ・「島と読影と」北辻ー展 ・「ヒューマン・ライツ」北山あさひ ・「果実」小原奈実 書評 ・米川千嘉子『雪岱が描いた夜』藤野早苗 ・田村穂隆『湖とファルセット』笹川諒 ・竹中優子『輪をつくる』小野田光 ・江田浩司『メランコリック・エンブリオ』堀田季何 ・川島喜代詩『波動』土井礼一郎 連載 ・呪神礼讃[9] 添田馨 ・小説 うみやそらとも[6] 小池昌代 短歌歳時記 葉月から長月のうた 大下一真 前号作品評 飯田彩乃 歌壇時評 楠誓英 リレーエッセイ 「月で読む本」川上まなみ 投稿作品20首 津波古勝子/森ひなこ/綿貫昭三/飛鳥游美 読者歌壇 荻原裕幸選
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うた新聞 2022/7
¥400
うた新聞7月号 特集は、 私のまちの夏をうたう~新作7首+エッセイ です!
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かばん 2022/7
¥500
かばん2022年7月号! ☆特別作品 来栖啓斗 久真八志 久保茂樹 久保明 ☆今月の歌 山内昌人 ☆今月の一冊 藤本玲未 ☆リレーエッセイ 三澤達世 ☆五月号評 髙橋夜子 あまねそう
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【サイン本あり】齋藤 陽道『育児まんが日記 せかいはことば』
¥1,980
写真と文章でしか齋藤陽道さんを知らない人に、ぜひ手にとってみてほしいな。 日々、育児に励んでいる人にも。子どもたちにも。 絵の多いページは、小さい子どもと読んでも楽しめそうだな。 多様性、なんて言葉でいろんな問題をひっくるめて誤魔化すエライ大人にも届けたい。 「手話」を知りたい人はもちろん、「手話」を通して自分の知らない世界を広げたい人に。 そして、「生きること」にわくわくしたいすべての人に。 B5の大き目サイズです。 https://harumichi-saito.theletter.jp/posts/ab7fc390-d1aa-11ec-a542-ffcfc04b53ea こちらの下の方にある、齋藤陽道さんの熱いメッセージもぜひお読み下さい。 --- 写真家や文筆家としても活躍する齋藤陽道さんが描くまんが日記が、196ページのコミックエッセイになりました。 手話で話すろう者の両親と、耳の聴こえる0才3才のこどもたち(コーダ)の、「ことば」の成長と発見を描いています。 【プロフィール】 齋藤陽道(さいとう・はるみち) 1983年9月3日、東京都生まれ。O型。写真家。文筆家。マンガ家。好きな食べ物は、きくらげ。ちゃんぽん。 都立石神井ろう学校専攻科卒業。2020年から熊本在住。陽ノ道として障害者プロレス団体「ドッグレッグス」所属。 2010年、写真新世紀優秀賞(佐内正史選)。2013年、ワタリウム美術館にて異例の大型個展を開催。2014年、日本写真協会新人賞受賞。写真集『感動』『感動、』(赤々舎)、『宝箱』(ぴあ)、著書『写訳春と修羅』『それでも それでも それでも』(ナナロク社)、『声めぐり』(晶文社)『異なり記念日』(医学書院、第73回毎日出版文化賞企画部門受賞)などがある。 (出版社:ナナロク社)
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なかはられいこ『くちびるにウエハース』
¥1,980
--- 伝説の句集『脱衣場のアリス』から21年、待望の新作。 〈私〉たちの言葉で、世界をはみだし続ける川柳作家・なかはられいこ。地に足のついた場所から光をともなって描かれる作品をベースに、アメリカ同時多発テロ事件をテーマとして高く評価された連作「2001/09/11」を含む、全219句を収録。 作品のことばに、不思議なひかりがやどり、あるいは、切なげなかげりが広がる。それら全てを吸収して、作品の世界の豊穣に繋げたのが、本書『くちびるにウエハース』だ。実に二十一年ぶりとなる第三句集である。(荻原裕幸「解説 無敵のアリス」より) 〈収録句より〉 ぼくたちはつぶつぶレモンのつぶ主義者 約束を匂いにすればヒヤシンス ポケットを出るまで指は鳥でした いとこでも甘納豆でもなく桜 ともだちがつぎつぎ緑になる焦る 行かないと思う中国も天国も 無花果と柘榴どちらが夜ですか ひじき、ひじき、踊ってくださいと言う雨だ 〈著者プロフィール〉 なかはられいこ 1955年、岐阜市生まれ、川柳作家。2004年3月、歌人の荻原裕幸氏、丸山進氏らと、ねじまき句会を立ち上げる。2010年、朝日新聞「東海柳壇」選者。著書に『散華詩集』(川柳みどり会/1993)『脱衣場のアリス』(北冬舎/2001)、共著に『現代川柳の精鋭たち』(北宋社/2000)『はじめまして現代川柳』(書肆侃侃房/2020)、編著に『大人になるまでに読みたい15歳の短歌・俳句・川柳 ③なやみと力』(ゆまに書房/2016)。 (出版社:左右社)
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越智友亮『ふつうの未来』
¥1,980
--- ゆず湯の柚子つついて恋を今している よく、どさっと俳句が届いたものだった。私は簡単に、いいわね、などとは言わなかった。ダメ出しを繰り返した。彼はめげなかった。――池田澄子 若手俳句アンソロジー『新撰21』『天の川銀河発電所 Born after 1968 現代俳句ガイドブック』でも軽やかな口語俳句で注目を集めた著者、待望の第一句集。みずみずしい青春時代から、大人になった「未来」への変遷を鮮やかに描きだす230句。 〈収録句より〉 冬の金魚家は安全だと思う 思い出せば思い出多し春の風邪 いい風や刈られてつつじらしくなる コーラの氷を最後には噛む大丈夫 ひこばえや喉は言葉を覚えている 肝臓の仕事思えば金亀虫 きりぎりす眠くても手紙は書くよ さくらさくら吸う息に疫病居るか 風光る消毒疲れなる指に 枇杷の花ふつうの未来だといいな 〈著者プロフィール〉 越智 友亮(おち・ゆうすけ) 一九九一年 一月十六日広島市生まれ 二〇〇三年 甲南中学校在学時に句作開始 二〇〇六年 第三回鬼貫青春俳句大賞受賞 二〇〇七年 池田澄子に師事 共著に『セレクション俳人プラス 新撰21』(二〇一〇年 邑書林) 『天の川銀河発電所 Born after 1968 現代俳句ガイドブック』(二〇一七年 左右社) (出版社:左右社)
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小川楓子『ことり』
¥2,200
--- 俳句のリズム、いのちのリズム、俳句を発見する歓びにあふれる小川楓子の第1句集『ことり』。 自然や生き物との対話、暮らしの情景……。世界との新鮮な出会いをひょいと捕まえて作品に放つ。 ■本句集より 浅春の海月の影をほしがりて ひとりとてもたのしさう臘梅ことり 山笑ふ横向いたりしてカレーパン 陛下ごきげん金魚売かしらなんて 鯛焼や雨の端から晴れてゆく ■著者 小川楓子(おがわ・ふうこ) 1983年、神奈川生まれ。2008年、「海程」入会とともに作句開始。金子兜太に師事。同年、山西雅子に師事。2010年、「舞」(主宰 山西雅子)創刊に伴い、入会。海程新人賞、舞賞受賞。共著に『超新撰21』『俳コレ』『天の川銀河発電所』。 (出版社:港の人)
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齋藤陽道(写真)『日本国憲法』
¥1,100
日本国憲法は、国民を守ってくれているのか、それとも、縛っているのか。 いつ突きつけられるかわからない、憲法改正への判断。 他人事と割り切ってばかりいられない、違憲か合憲という審判。 かたく感じる文字の羅列も、齋藤陽道さんの写真と共に眺めると、 すーっと体の中に入ってくるような気がします。 いつでも手に取れるよう、本棚に一冊はどうぞ、日本国憲法を。 --- 日本国憲法は誰のものか? もう一度読み、感じ、考える私たち自身の憲法。 日本国憲法の条文全文に、写真家・齋藤陽道さんのカラー写真24点を組み合わせたハンディな一冊。 戦後70余年、私たちの幸福と平和の土台となってきた憲法を、いまの暮らしのなかでそれぞれの人生を生きる人々の姿を深くとらえた写真とともに読み直す。 ■著者 齋藤陽道(さいとう・はるみち) 1983年、東京都生まれ。写真家。都立石神井ろう学校卒業。2020年から熊本県在住。陽ノ道として障害者プロレス団体「ドッグレッグス」所属。2010年、写真新世紀優秀賞(佐内正史選)。2013年、ワタリウム美術館個展。2014年、日本写真協会新人賞受賞。 写真集に『感動』、続編の『感動、』(赤々舎)。著書に『写訳 春と修羅』(ナナロク社)、『異なり記念日』(医学書院・シリーズケアをひらく、第73回毎日出版文化賞企画部門受賞)、『声めぐり』(晶文社)がある。 (出版社:港の人)
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かばん 2022/6
¥600
SOLD OUT
かばん2022年6月号! 【特集】 ・小佐野彈 第二歌集『銀河一族』 (特別対談:俵万智) ・特集★返歌 ☆今月の歌 森山緋紗、柳谷あゆみ ☆今月の一冊 高村七子、茂泉朋子 ☆四月号評 土居文恵、Akira ☆リレーエッセイ 飯島章友
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短歌研究 2022/7
¥1,300
−−− 第65回「短歌研究新人賞」発表 受賞作 ショージサキ「Lighthouse」30首 新人賞選考座談会 候補作 最終選考通過作 佳作 予選通過作 短歌研究次号予告 短歌研究新人賞受賞者「強力アンソロジー」 巻頭作品30首=藤原龍一郎「地球人記録2022」/横山未来子「けふのからだ」 嵯峨直樹「取り返し」/奥田亡羊「ホテル・アンテルーム」/野口あや子「箔で圧されるような記憶の」/長屋琴璃「かわずはじめてなく」/田口綾子「沼といふ比喩・改」/やすたけまり「ファンターネ島の図鑑とぼくの図鑑」/吉田竜宇「だらう」/山崎聡子「ほのおの記憶、ほか」/馬場めぐみ「混沌にて」/鈴木博太「夏のピアノ」/山木礼子「白鳥」/石井僚一「あなたがそこに生きていることの雨」/遠野真「後日譚」/小佐野 彈「テレインパーク」/工藤吉生「一八九から二〇八」/川谷ふじの「あたらしい恋は餌」/郡司和斗「調そして失」/中野 霞「僕のために死になさい」/平出奔「こわいよ」/塚田千束「春の遺跡」 受賞経験者たちのエッセイ「連作のキモ中のキモ」 選考委員の付録座談会「連作評価の分かれ目」 短歌研究新人賞受賞作一覧 作品連載第4回30首 古谷智子「ライト・ウイング」 作品連載第4回30首 長澤ちづ「翼はつよし」 連載 東直子の「楽歌*楽座」11樋口一葉体験「『萩の舎』歌修行」(後編=実践編1) ゲスト=今井恵子(指南役)/石川美南/内山晶太/狩峰隆希/川谷ふじの 連載 吉川宏志│1970年代短歌史12│ 安田登│能楽師の勝手がたり9│ 佐藤弓生・千葉 聡│人生処方歌集 40│ 小島ゆかり│サイレントニャー ~猫たちの歌物語12~ 工藤吉生│Twitterで短歌さがします12 書評 小坂井大輔│上坂あゆ美歌集『老人ホームで死ぬほどモテたい』 中島裕介│伊舎堂 仁歌集『感電しかけた話』 重吉知美│佐藤智子歌集『時間の中を』 水原紫苑│紀野 恵歌集『遣唐使のものがたり』 山階 基│岡本真帆歌集『水上バス浅草行き』 尾﨑朗子│阪森郁代歌集『ノートルダム』 短歌時評 鯨井可菜子│「けふよりキーウに」 作品季評第123回・前半 栗木京子(コーディネーター)/大松達知/小原奈実 笹公人「終楽章」│東直子「靴箱」│田村穂隆歌集『湖とファルセット』 歌集歌書評・共選=大西久美子/鈴木加成太 永田和宏 選 短歌研究詠草 歌壇ニュース 短歌研究詠草のおしらせ
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COCOON 24号
¥500
コスモス短歌会、有志による冊子COCOON、24号!
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谷川電話『深呼吸広場』
¥1,760
SOLD OUT
--- 一昨日は男子、昨日は女子だった 今日はパンケーキとして生きる 『恋人不死身説』の著者、新境地をひらく第二歌集。 【収録歌より】 日向 今日わたしはよわい 猫を抱く力があればじゅうぶんなんだ 銀色のコーヒーミルに抱擁を映そうとして踏んだクッキー 友だちのアフロヘアーを通過するあいだ微風は複雑になる 生きながら水族館の薄闇でおでこをさすりあうのはいいね コロッケを揚げながらする合唱に百年前のくしゃみが混じる (出版社:書肆侃侃房)