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岡田一実著『篠原梵の百句』
¥1,650
--- ◆実存と思想 梵の場合は、言葉の内在的な豊かさを用いて思想を表現することよりも、物事や情感を簡潔な象徴や解釈で伝えることに重きを置いていた。「人間探究派」は「難解派」とも言われた。梵の「難解さ」は、「なぜそれを描くのか」という意味や意義や目的から解放された「結論」だけが投げ出されているところにある。「思想」はそこから読者自身が自分で見つけにいくほかない。「結論」の世界に自ら巻き込まれにいくことによって、読者は直叙的な「思想」よりも全体的な「思想」を味わえる。「読む」という行為の主体性を信じているからこそ採れる手法である。 篠原梵は、俳句という短い形式の中で多くの可能性を探究した稀有な作家であった。俳句という短詩において多くの新しい地平を切り開いたにも拘わらず、その作品の多くが埋もれたままになっている。しかし、その作品たちは今日まで色褪せていない。梵の俳句には書き方の斬新さに加え、現代的なテーマも多く含まれる。今後、より多くの俳人や文学愛好者にその作品が愛されるように祈ってやまない。 (解説より) (ふらんす堂)
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西村和子著『清崎敏郎の百句』
¥1,650
--- ◆俳句は足でかせぐものだ 蹤いてくるその足音も落葉踏む 落葉を踏んで歩く時、人は孤独感のうちにも、今、ここに在る自分の存在を改めて確認する。静けさの中で、この句はもうひとつの足音を聞いている。自分に蹤き従って歩む者の、落葉踏む音である。その足音も孤独の象徴と言えよう。創作の道を歩む師弟関係を思わせる句だ。その存在に気づいていても、待ってやったり、声をかけるでもない。隣り合う孤独を思うばかり。 句集『系譜』の掉尾に置かれた句。風生没後「若葉」の継承者として出版した句集の題名にも、その覚悟は表われている。 (ふらんす堂)
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岸本尚毅著『高濱虚子の百句』
¥1,650
SOLD OUT
--- 虚子入門の決定版! ◆俳句のこころを読み解く。 ■取り上げた百句は、二物配合を念頭に置いて抽出したものです。■虚子の俳句の根底には一種虚無的な世界観があると思います。にもかかわらず虚子の句にはしばしば静かな情熱を感じます。虚無的な世界観からたちのぼる静かな情熱とは一体何なのでしょうか。 (はじめにより) (ふらんす堂)
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藤本美和子著『綾部仁喜の百句』
¥1,650
--- ◆造化の再話者 「俳句は造化の語る即刻の説話と考へてゐる。俳人はその再話者である。や・かな・けりを疑つたことはない。なるべくものを言ひたくないものにこれほどうつてつけのものはない」(『樸簡』あとがき)「造化の語る即刻の説話」等々、これら仁喜の文言は、すべて「古人の求めたる所をもとめ」んとする求道の心から発せられたものだ。芭蕉は仁喜がことさら敬愛する人物である。ことに〈秋近き心の寄や四畳半 芭蕉〉の句を好んだ。この句は大津の医師木節亭で巻かれた四吟歌仙の発句である。この座に集まったのは芭蕉、木節、惟然、支考の四人である。寿貞の訃報に接した直後の芭蕉を労わる連衆の心配りを汲み取った芭蕉の心が「心の寄や」の措辞に表われている。そして仁喜の求めんとする理想の境地もまたこの発句の世界にある。 (ふらんす堂)
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小川軽舟著『藤田湘子の百句』
¥1,650
SOLD OUT
--- ◆俳句形式への信頼 「俳句は意味ではない、リズムだ」─弟子の私たちは湘子から何度この言葉を聞かされたことか。俳句という詩型への信頼がそう言わせるのだろう。 (「湘子が私たちに託したもの」より:小川軽舟) (ふらんす堂)
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三枝昂之『夏は来ぬ』
¥1,980
--- ながらく品切れになっていた三枝昂之さんの著書『夏は来ぬ』が文庫版となって再登場しました。 静岡新聞に三年半にわたって連載された、詩歌の鑑賞です。古典からレミオロメンの歌詞まで、季節に合った詞が取り上げられています。 ※青磁社Twitterより引用 (出版社︰青磁社)
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『こども「折々のうた」100』
¥1,650
--- 10歳から大人まで俳句・短歌入門に最適! 日本文学史上に輝く現代の詩歌選集『折々のうた』の中から、10歳から読んでほしい短歌と俳句をそれぞれ50ずつ選び、分かりやすく解説しました。 登場する作者は、73人。 万葉集掲載の額田王・柿本人麻呂から、平安時代の歌人和泉式部、江戸時代に活躍した松尾芭蕉・小林一茶、近現代の歌人石川啄木など、 教科書でもなじみ深い作者から現代作者までの作品を 時代の流れに沿って並べ替えました。 俳人の長谷川櫂さんによる前書きの一部を紹介します。 「人生には恋も老いも死もあることを、子どものうちから知っておいていい、知っていなくてはならないのではないかと考えて「大人向け」の短歌や俳句も入れることにしました。 こうしてこの本は短歌や俳句を知るだけでなく、人間一生の案内図になりました。 君たちの長い人生の「折々に」ページを開いていただけたらいいなと願っています」。 すべての漢字と歴史的かなづかいにふりがなをつけ、詩歌には現代語訳と、大岡信さんの解説文には、ことばの解説をつけました。 解説文もあわせて読んでいただくことで、短歌や俳句の味わい方がわかり、読むことが楽しくなっていきます。 (小学館紹介文より)
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『天の川銀河発電所 Born after 1968 現代俳句ガイドブック』
¥2,420
1968年以降に生まれた、いま最もイケてる作家による現代俳句アンソロジー! 自身も気鋭の若手俳人である佐藤文香が撰者となり、 【おもしろい】【かっこいい】【かわいい】の章ごとに18人ずつ計54人の作品から選句。 頼れる俳句の先輩・上田信治、小川軽舟、山田耕司と対談した 「読み解き実況」も掲載しています。 季語があって5・7・5なのに、なんでこんなに自由なの? 季語がなくて5・7・5じゃないのに、こんなになんで俳句なの? すごい、これが今の俳句か! 若々しく伸びやかで、花鳥諷詠にとどまらない題材のバリエーションをもち、 切なかったり笑えたり、俳句に詳しくない人でも楽しめる新しい俳句を、 結社の枠をこえて集めてみました。 初めて俳句に触れる人も、すでに俳句に親しんでいる人も、 ぜひ、本書のなかから好きな作品を探してみてください。 俳句の世界へようこそ。俳句は俳句をやってる人にしかわからない、そうでしょうか。 そのジャンルについて全然知らなくても、本当に面白いものに出会えば、興奮しませんか。 願わくはこの本で、今のあなたにとって最高の一句に出会ってほしい。(「まえがき」より) (掲載作家) 【おもしろい】 福田若之/生駒大祐/北大路翼/阪西敦子/鴇田智哉/高山れおな 小津夜景/相沢文子/宮本佳世乃/小川春休/西山ゆりこ/トオイダイスケ 小川楓子/野口る理/中山奈々/村越敦/黒岩徳将/宮﨑莉々香 【かっこいい】 堀下翔/藤田哲史/藤井あかり/髙柳克弘/村上鞆彦/榮猿丸 五島高資/九堂夜想/田中亜美/中村安伸/曾根毅/堀本裕樹 岡田一実/十亀わら/鎌田俊/矢口晃/三村凌霄/大塚凱 【かわいい】 小野あらた/外山一機/西村麒麟/田島健一/関悦史/津川絵理子 日隈恵里/長嶋有/矢野玲奈/髙勢祥子/津久井健之/澤田和弥 南十二国/佐藤智子/神野紗希/越智友亮/今泉礼奈/山岸冬草
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大岡信・編『星の林に月の船 声で楽しむ和歌・俳句』
¥770
--- 古代~昭和初期.選りすぐりの二〇〇作 意味はわからずとも,まずは五七調のリズムの心地よさをたっぷり味わい,ことばの響きを楽しもう.『万葉集』の和歌から昭和初期の短歌,俳句まで,くりかえし口ずさんでほしい約二〇〇作をえらんだアンソロジーです.それぞれに短い鑑賞の手引きをそえました.
書肆侃侃房「新鋭短歌シリーズ」一挙アップ!