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短歌ムック『ねむらない樹 vol.11』
¥1,650
--- 特集=第6回笹井宏之賞発表/榊原紘/わたしの短歌入門/2023年の収穫アンケート 【特集1 第6回笹井宏之賞発表】 ◎大賞 白野「名札の裏」 ◎大森静佳賞 森下裕隆「吠えないのか」 ◎永井祐賞 遠藤健人「なってほしくて」 ◎山﨑聡子賞 岡本恵「盲霧」 ◎山田航賞 守谷直紀「水が歪んじゃう如雨露」 ◎小山田浩子賞 橙田千尋「バニラ」 ◎選考座談会 大森静佳×永井祐×山崎聡子×山田航×小山田浩子 最終選考候補作 【特集2 榊原紘】 年譜/短歌15首「私信」/俳句15句「機嫌よし」(榊原遠馬)/アンケート「榊原紘さんへ18の質問」 ◎論考 永井亘「Re:Re:set(from hiro sakakibara)」 奥村鼓太郎「異なる場所でみる夢」 荻原裕幸「関係性の可視化」(『悪友』評) 上坂あゆ美「任務のように生き延びる」(『koro』評) ◎座談会「短詩集団「砕氷船」の航路」(榊原紘×暮田真名×斉藤志歩) 【特集3 わたしの短歌入門】 ◎新作短歌7首&エッセイ 相田奈緒/丸山るい/阿波野巧也/池松舞/pha/toron*/岡崎裕美子/ 花山周子/志賀玲太(QuizKnock)/大前粟生/堀田季何/竹中優子/飯田有子 ◎『起きられない朝のための短歌入門』番外編 我妻俊樹×平岡直子 【特集4 アンケート2023年の収穫】 枡野浩一/吉川宏志/藪内亮輔/佐藤弓生/吉田恭大/ 土岐友浩/梅内美華子/藤原龍一郎/石川美南/尾崎まゆみ 【特別寄稿】 我妻俊樹「水の泡たち(完全版)」 吉田雅史「ヒップホップ短歌試論」 【巻頭エッセイ】 奥田順平(カライモブックス)「底抜けの善人」 (出版社︰書肆侃侃房)
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我妻俊樹『カメラは光ることをやめて触った』
¥2,090
我妻俊樹さん『カメラは光ることをやめて触った』。待望の歌集です。 みじかくてさびしい映画だったけど本当のバスに人が乗ってた 夜がかえってくる 割れた窓ガラス抱きしめ、空気の味がする 雨に乱れた髪からきみが見上げれば西国分寺駅は虹をくぐる 意図的な捻れの中に、現実と想像が織り込まれているけれど、シュールでもファンタジーでもなく、時に美しく、時に物悲しく、抒情と確かな手触りに溢れています。 飛行機がきみのゆびさす光点にかさなる 名前をおぼえたように 切手の中の町だから建物も路も四角いくせにバスが来ないの さようなら二月の赤い国で見たマフラーからもよろしくって つぶれた空き缶に息を吹き込んで好きな世界に戻せるつもり 作者の意図や意味を読み解くよりは、ただただ、目の前の光景や出来事を見つめてしまうのだけれど、その先が見たくなって、どんどんと中に引き込まれてしまう。人、物、時間、空間、殆んどのものが解放された世界の中で、点々と光る星に触れるような、唯一無二の読後感があるように思います。怒涛の686首!(よ) --- 夏の井戸(それから彼と彼女にはしあわせな日はあまりなかった) 我妻俊樹の短歌を初めて集成する待望の第一歌集。 誌上歌集「足の踏み場、象の墓場」から現在までの歌を含んだ唯一無二の686首。 わたしがポストニューウェーブ世代でもっとも影響を受けた歌人は我妻俊樹だ。 この歌集を前にして、可能な限り無力な読者として存在してみたかった、と思った。 ──────瀬戸夏子 心がないものにこそ心があると思うから、こういう歌だけを信じられる。 我妻さんの歌は、無数の蛍が放たれた小さな暗がりのようで、一首の歌がいくつもの呼吸をしている。 ──────平岡直子 【収録歌より】 名刺だよ 髪の毛を切って渡すと私のことに気づいてくれる 秋が済んだら押すボタン ポケットの中で押しっぱなしの静かな神社 渦巻きは一つ一つが薔薇なのに吸い込まれるのはいちどだけ ガムを噛む私にガムの立場からできるのは味が薄れてゆくこと 橋が川にあらわれるリズム 友達のしている恋の中の喫茶店 【著者プロフィール】 我妻俊樹(あがつま・としき) 1968年神奈川県生まれ。2002年頃より短歌をはじめる。2003年から4年連続で歌葉新人賞候補。2008年、同人誌「風通し」に参加。平岡直子とネットプリント「ウマとヒマワリ」を不定期発行。2016年、同人誌「率」10号誌上歌集として「足の踏み場、象の墓場」発表。2005年に「歌舞伎」で第3回ビーケーワン怪談大賞を受賞し、怪談作家としても活動する。著書に『奇談百物語 蠢記』、〈奇々耳草紙〉シリーズ、〈忌印恐怖譚〉シリーズ(いずれも竹書房文庫)など。その他共著に『kaze no tanbun 特別ではない一日』『同 移動図書館の子供たち』(柏書房)、『平成怪奇小説傑作集2』(創元推理文庫)、『ショートショートの宝箱』(光文社文庫)、『てのひら怪談』(ポプラ文庫)など。 (書肆侃侃房)
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安田茜『結晶質』
¥2,200
話題の安田茜さんの第一歌集『結晶質』。 雪山を裂いて列車がゆくようにわたしがわたしの王であること 朝の陽にまみれて鴉うつくしいものには身も蓋もないのだから ろうそくが部屋に灯っていることが一夜わたしの要塞になる 壮大なモチーフを用いながら描かれる描写は澄んでいて、透徹した目線を感じます。気高くも、どこか儚く、美しい。正に結晶のよう。 まよなかの椅子はことさら硬くなる暗闇に目が慣れてくるまで 点火するようにひとさし指で押す列をはみ出た詩集のひとつ あなたごときに汚されるわけない夜の月を割るならきっぱり縦に ごめんねのかたちに口をうごかせば声もつづいて秋の食卓 些細な描写や繊細な心象も生々しくなく、静かで澄んだ形で歌われており、清らかな気持ちになります。 あかるさと暗さは同居しうるのであらしの晩にまた会いましょう 髪のながいおとこのひとにあこがれて私も髪をのばしています 澄んだ水のとなりに蛍石を置いてその正面で髪をむすんだ 石英を朝のひかりがつらぬいていまかなしみがありふれてゆく 悲しみ、喜び、決意、様々な感情が穏やかに、一貫して歌われる様は美しく、また、強い芯に励まされるような気持ちにもなりました。(よ) --- 雪山を裂いて列車がゆくようにわたしがわたしの王であること 第4回笹井宏之賞神野紗希賞受賞の著者による第一歌集。 安田さんの歌には、「それでも」言葉を信じて光のほうを向き直す、高潔な魂が震えている。 ──────神野紗希(栞文より) ゆめでも現実でもなく、さらには妄想でも幻想でもない不思議な空間がくりかえし創り出される一冊のなかで、怒りの感情はとくに激しい。激しく強くかっこいい。 ──────江戸雪(栞文より) 安田さんの歌の持つ抽象的で硬質な詩情は日々の暮らしの中から生まれており、そしてまた日々の暮らしに浸されるとき、律動を持ち人々を癒やす、そういう種類のものなのだと思う。 ──────堂園昌彦(栞文より) 【収録歌より】 冬にしてきみのすべてに触れ得ないこともうれしく手ですくう水 髪に闇なじませながら泣きながら薔薇ばらばらにする夜半がある 戴冠の日も風の日もおもうのは遠くのことや白さについて 死者にくちなし生者に語ることばなしあなたに降りそそぐ雪もなし 石英を朝のひかりがつらぬいていまかなしみがありふれてゆく 【栞】 神野紗希「遠くを、信じる」 江戸雪「アンビバレントパワー」 堂園昌彦「暮らしの中から生まれた結晶」 【著者プロフィール】 安田茜(やすだ・あかね) 1994年、京都府生まれ。「立命短歌」「京大短歌」「塔」出身。現在は「西瓜」所属。2016年、第6回塔新人賞。2022年、第4回笹井宏之賞神野紗希賞。 (書肆侃侃房)
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菅原百合絵『たましひの薄衣』
¥2,200
--- ほぐれつつ咲く水中花――ゆつくりと死をひらきゆく水の手の見ゆ 満を持して刊行される、菅原百合絵待望の第一歌集。 人間が荒れ狂う今世紀にこのような美しい歌集が生まれたことをことほぎたい。 ────水原紫苑 静謐で深い歌の探求が続けられていたことに胸を打たれる。 ────野崎歓 【収録歌より】 ネロ帝の若き晩年を思ふとき孤独とは火の燃えつくす芯 たましひのまとふ薄衣(うすぎぬ)ほの白し天を舞ふときはつかたなびく 水差し(カラフ)より水注(つ)ぐ刹那なだれゆくたましひたちの歓びを見き 一生は長き風葬 夕光(ゆふかげ)を曳きてあかるき樹下帰りきぬ 「わたしの夫(モン・マリ)」と呼ぶときはつか胸に満つる木々みな芽ぐむ森のしづけさ 【著者プロフィール】 菅原百合絵(すがわら・ゆりえ) 1990年生まれ。東京出身。「東京大学本郷短歌会」「パリ短歌クラブ」元会員(現在いずれも解散)。「心の花」会員。パリ・シテ大学(旧パリ第七大学)博士課程修了。専門は18世紀フランス文学。 (書肆侃侃房)
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短歌ムック『ねむらない樹 vol.10』
¥1,650
特集=第5回笹井宏之賞発表/15年目の笹井宏之 −−− (出版社︰書肆侃侃房)
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五島諭『緑の祠』
¥1,650
現代短歌の重要な歌集を復刊、新装版として刊行する、 書肆侃侃房の〈現代短歌クラシックス〉シリーズ。 --- 海に来れば海の向こうに恋人がいるようにみな海をみている 「新鋭短歌シリーズ」での初版刊行からちょうど10年。『緑の祠』以後の作品を増補し、五島諭の全短歌作品を集成した一冊。 「『緑の祠』に、高校の教員になったばかりのころの作品を加えた今回の改訂をもって、短歌の近くに身を置いた時代に、一区切りついたと感じている」(新装版のあとがきより) 【収録歌より】 ミュージックビデオに広い草原が出てきてそこに行きたくなった 物干し竿長い長いと振りながら笑う すべてはいっときの恋 怪物もきれいなほうがいいなあと夕陽に向かってかざす羽箒 身の丈に合わない品はかなしむに足る身の丈に合わない品は 栗の花蹴散らしながら行く道のどこかに君はいないだろうか 【著者プロフィール】 五島諭(ごとう・さとし) 1981年生まれ。2000年早稲田短歌会入会。 同人誌「pool」、ガルマン歌会で活動。 (出版社:書肆侃侃房)
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内山晶太『窓、その他』
¥1,760
現代短歌の重要な歌集を復刊、新装版として刊行する、 書肆侃侃房の〈現代短歌クラシックス〉シリーズ。 --- 思い出よ、という感情のふくらみを大切に夜の坂道のぼる 日々の労働と都市で生きる者の日常。他人からすればどうでもよいかもしれない、ただ、見過ごせないことやもの。 静かな内省を基底におきながら、希望と祈りが自然とわきあがる。 現代歌人協会賞を受賞した第一歌集、待望の新装版! 【収録歌より】 たんぽぽの河原を胸にうつしとりしずかなる夜の自室をひらく 口内炎は夜はなひらきはつあきの鏡のなかのくちびるめくる 少しひらきてポテトチップを食べている手の甲にやがて塩は乗りたり 湯船ふかくに身をしずめおりこのからだハバロフスクにゆくこともなし わが胸に残りていたる幼稚園ながれいでたりろうそくの香に 【著者プロフィール】 内山晶太(うちやま・しょうた) 1977年、千葉県生まれ。1998年、第13回短歌現代新人賞。2012年、第一歌集『窓、その他』(六花書林)を刊行。翌年同歌集にて第57回現代歌人協会賞。「短歌人」編集委員。「外出」「pool」同人。現代歌人協会理事。 (出版社:書肆侃侃房)
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佐藤弓生『世界が海におおわれるまで』
¥1,540
現代短歌の重要な歌集を復刊、新装版として刊行する、 書肆侃侃房の〈現代短歌クラシックス〉シリーズ。 --- 【歌集より】 秋の日のミルクスタンドに空瓶のひかりを立てて父みな帰る とうめいなかかとのかたち天空も公孫樹の黄(きい)を踏んでみたくて 風鈴を鳴らしつづける風鈴屋世界が海におおわれるまで 白の椅子プールサイドに残されて真冬すがしい骨となりゆく 革装の書物のように犀は来て「人間らしくいなさい」と言う 「夢といううつつがある」と梟の声する ほるへ るいす ぼるへす 【著者プロフィール】 佐藤弓生(さとう・ゆみお) 1964年、石川県生まれ。2001年、第47回角川短歌賞受賞。著書に歌集『眼鏡屋は夕ぐれのため』『薄い街』『モーヴ色のあめふる』、詩集『新集 月的現象』『アクリリックサマー』、掌編集『うたう百物語』、共編著『短歌タイムカプセル』などがある。歌人集団「かばん」会員。 (出版社:書肆侃侃房)
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石川美南『砂の降る教室』
¥1,650
現代短歌の重要な歌集を復刊、新装版として刊行する、 書肆侃侃房の〈現代短歌クラシックス〉シリーズ。 --- 第一回塚本邦雄賞(2020年)を受賞した著者の原点、 23歳のときに発売された『砂の降る教室』を17年ぶりに新装版として刊行します。 【歌集より】 カーテンのレースは冷えて弟がはぷすぶるぐ、とくしやみする秋 とてつもなく寂しき夜は聞こえくる もぐらたたきのもぐらのいびき みるくみるくはやく大きくなりたくて銀河の隅で口を開けをり 想はれず想はずそばにゐる午後のやうに静かな鍵盤楽器 窓がみなこんなに暗くなつたのにエミールはまだ庭にゐるのよ くすくすくすくすの木ゆれて青空を隠すくす楠の木ひとりきり 【プロフィール】 石川美南(いしかわ・みな) 神奈川県横浜市に生まれる。同人誌poolおよび[sai]の他、さまよえる歌人の会、エフーディの会、橋目侑季(写真・活版印刷)とのユニット・山羊の木などでふらふらと活動中。2020年3月、5冊目の歌集『体内飛行』刊行。その他の歌集に『裏島』、『離れ島』『架空線』がある。最近の趣味は「しなかった話」の蒐集。 (出版社:書肆侃侃房)
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飯田有子『林檎貫通式』
¥1,650
現代短歌の重要な歌集を復刊、新装版として刊行する、 書肆侃侃房の〈現代短歌クラシックス〉シリーズ。 記念すべき第一弾は、フェミニズムの文脈でも再評価著しい『林檎貫通式』。 まさに、今の時代に読まれるべき歌集です! 第一歌集以後の新作「宇宙服とポシェット」(135首)も収録。 【歌集より3首】 婦人用トイレ表示がきらいきらいあたしはケンカ強い強い たすけて枝毛姉さんたすけて西川毛布のタグたすけて夜中になで回す顔 女子だけが集められた日パラシュート部隊のように膝を抱えて (出版社:書肆侃侃房) 【著者プロフィール】 飯田有子(いいだ・ありこ) 1968年生まれ。大学時代に作歌を始める。まひる野、早稲田短歌会、かばんなどに所属、現在無所属。2001年『林檎貫通式』(BookPark)刊。
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山崎聡子『青い舌』
¥2,310
第3回塚本邦雄賞受賞!! --- 舌だしてわらう子供を夕暮れに追いつかれないように隠した 子供との時間のなかに 前世のような記憶の翳がさす。 いつか、どこかで、わたしは立っていた。 【自選5首】 君のべろが煙ったように白かったセブンティーンアイスクリーム前 西瓜食べ水瓜を食べわたくしが前世で濡らしてしまった床よ 蟻に水やさしくかけている秋の真顔がわたしに似ている子供 ヒメジョオンの汁でつくったマニキュアでにぶく光っていた爪の先 遮断機の向こうに立って生きてない人の顔して笑ってみせて 【著者プロフィール】 山崎聡子(やまざき・さとこ) 1982 年栃木県生まれ。 早稲田大学在学中に作歌を始め、2010 年「死と放埓なきみの目と」で 第54 回短歌研究新人賞受賞。 2013年第1歌集『手のひらの花火』( 短歌研究社) で第14 回現代短歌 新人賞受賞。 pool、「未来」短歌会所属。 (出版社︰書肆侃侃房)
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榊原紘『悪友』
¥1,980
--- 第二回笹井宏之賞大賞受賞! 栞:大森静佳、染野太朗、永井祐、野口あや子、長嶋有 【歌集より5首】 ことばから補助輪が外されてなお漕ぎ出した日のことを言うから 雪の染みた靴から君が伸びている そんな顔で笑うやつがあるか 散るときがいちばん嬉しそうだった、そしてゆったり羽織るパーカー 立ちながら靴を履くときやや泳ぐその手のいっときの岸になる スノードームに雪を降らせてその奥のあなたが話すあなたの故郷 【著者プロフィール】 榊原紘(さかきばら・ひろ) 1992 年 愛知県(三河)生まれ。 2012 年 「京大短歌」に参加。 2015 年 未来短歌会(黒瀬欄)に入会。 2019 年 第2回笹井宏之賞大賞受賞、第31回歌壇賞次席。 現在は同人「遠泳」にのみ参加している。 (書肆侃侃房)
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柴田葵『母の愛、僕のラブ』
¥1,980
--- 第一回笹井宏之賞大賞受賞! 栞:大森静佳、染野太朗、永井祐、野口あや子、文月悠光 【歌集より5首】 プリキュアになるならわたしはキュアおでん 熱いハートのキュアおでんだよ なんの樹か知らないけれど黄金の葉がほろほろとみんなの肩へ バーミヤンの桃ぱっかんと割れる夜あなたを殴れば店員がくる いつぶりか消しゴムに触れ消しゴムの静けさが胸へひろがる火曜 飽きるほど誕生日してめくるめくまっ白な髪を抱きしめあおう 【著者プロフィール】 柴田葵(しばた・あおい) 1982年神奈川県生まれ、東京都在住。慶應義塾大学文学部卒。元銀行員、現在はライター。 「NHK短歌」や雑誌ダ・ヴィンチ「短歌ください」、短歌×写真のフリーペーパー「うたらば」への投稿を経て、 育児クラスタ短歌サークル「いくらたん」、詩・俳句・短歌同人「Qai(クヮイ)」に参加。 第6回現代短歌社賞候補。第2回石井僚一短歌賞次席「ぺらぺらなおでん」。第1回笹井宏之賞大賞「母の愛、僕のラブ」。 (書肆侃侃房)
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木下龍也『きみを嫌いな奴はクズだよ』
¥2,090
--- この歌集は余白ばかりで、言葉が寂しそうだ。 それならいっそ俺に下さい。 曲を付けて音楽にしてしまいたい。 それ程に素晴らしい。 (クリープハイプ 尾崎世界観) 【目次】 旧作の夜 有名税 ひとりで踊れ きみを嫌いな奴はクズだよ 無色の虹 理想の墜落場所 小道具の月 雲の待合室 僕の身体はきっと君にふれるためだけにある 六角形の回廊 おまえを忘れない 【著者プロフィール】 木下龍也(きのした・たつや) 1988年1月12日、山口県生まれ。 2011年より短歌をつくり始め、新聞歌壇、雑誌、Twitter、短歌×写真のフリーペーパー「うたらば」などに投稿を始める。 2012年に第41回全国短歌大会大会賞受賞。 2013年に第一歌集『つむじ風、ここにあります』(新鋭短歌シリーズ1/書肆侃侃房)を上梓。 結成当日解散型ユニット「何らかの歌詠みたち」で飯田彩乃、飯田和馬、岡野大嗣とともに短歌朗読イベントを不定期に開催している。 本とホラー映画が好きで生魚としいたけが嫌い。 Twitter:@kino112 (出版社:書肆侃侃房)
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荻原裕幸『永遠よりも少し短い日常』
¥2,200
--- わたくしをすべてひろげて丁寧に折りなほす青い鶴となるまで 『リリカル・アンドロイド』に続く第七歌集。 日常の中に隠されているきらりきらりと輝くひかりを、そっと集めては両手で包み込んで微笑んでいる姿が目に浮かぶよう。なんでもない一日こそがきっといつか大切な日になる、荻原さんの歌にはそんな日々が詰まっています。 ―熊谷由佳(丸善ヒルズウォーク 徳重店 名古屋市) 荻原裕幸との出会いは『青年霊歌』発表、ニューウェーブ前夜と記憶は朧。その時の新星は本作では見事に輝度を放ち、オールドスクール的存在は次世代をも鼓舞する。私はモートン・フェルドマンBGMに読み確信。 ―古田一晴(ちくさ正文館書店 名古屋市) 【収録歌より】 三十三間堂あらたまのああこれは市川春子の線だとおもふ 元は天使なのかも知れぬ亡き父の冬天だけを撮つたアルバム 暁美ほむらが眼鏡をやめた経緯ほど寂しくもなく咲く桐の花 ボールペンが落ちても鞄をひらいてもすべての音が十月である 【著者プロフィール】 荻原裕幸(おぎはら・ひろゆき) 1962年生まれ。名古屋市在住。愛知県立大学卒。90年代のはじめ、朝日新聞に掲載された歌論の反響をきっかけに、ニューウェーブと呼ばれる。第30回短歌研究新人賞受賞。名古屋市芸術奨励賞受賞。第11回中日短歌大賞受賞。歌集出版企画「歌葉」プロデュース、総合誌「短歌ヴァーサス」責任編集、等、フリーな立場を活かした活動を続けている。歌集に『青年霊歌』『甘藍派宣言』『あるまじろん』『世紀末くん!』『永遠青天症』『リリカル・アンドロイド』がある。「東桜歌会」主宰。同人誌「短歌ホリック」発行人。 (出版元︰書肆侃侃房)
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笹井宏之『ひとさらい』
¥1,320
--- 水田を歩む クリアファイルから散った真冬の譜面を追って 彗星のように現代短歌を駆け抜けた 笹井宏之の第一歌集。 きみは、絶望なのか? きみは、希望なのか? 第4回歌葉新人賞受賞作 「数えてゆけば会えます」収録。 2009年1月、26歳の若さでこの世を去った佐賀の天才歌人、笹井宏之。やさしさと切ないほどの透明さを兼ね備えた作品は短歌というジャンルを越え、今もなおファンを増やし続けています。第二歌集の刊行に合わせて、オンデマンド出版だった第一歌集も書店販売用に同時刊行しました。現代短歌史に名を残す笹井宏之の全歌業が見渡せる2冊です。 【著者プロフィール】 笹井宏之(ささい・ひろゆき) 1982年佐賀県生まれ。2004年に短歌を作りはじめる。 2005年、連作「数えてゆけば会えます」で第4回歌葉新人賞を受賞。2009年1月24日、26歳で永眠。 歌集に『ひとさらい』『てんとろり』『八月のフルート奏者』(すべて書肆侃侃房)、作品集に『えーえんとくちから』(ちくま文庫)がある。2019年の没後10年にあたり、笹井宏之賞が創設された。 (出版社:書肆侃侃房)
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笹井宏之『てんとろり』
¥1,430
--- 風。そしてあなたがねむる数万の夜へ わたしはシーツをかける 第一歌集『ひとさらい』に続く第二歌集。 彗星のように現代短歌を駆け抜けた 笹井宏之の全歌業。 光のように。風のように。 愛する人からの手紙のように。 透明な哀しみがあなたを包む。 2009年1月、26歳の若さでこの世を去った歌人、笹井宏之。 やさしさと切ないほどの透明さを兼ね備えた作品は短歌というジャンルを越え、今もなおファンを増やし続けています。『てんとろり』は、夭折歌人の第二歌集です。 【著者プロフィール】 笹井宏之(ささい・ひろゆき) 1982年佐賀県生まれ。2004年に短歌を作りはじめる。 2005年、連作「数えてゆけば会えます」で第4回歌葉新人賞を受賞。2009年1月24日、26歳で永眠。 歌集に『ひとさらい』『てんとろり』『八月のフルート奏者』(すべて書肆侃侃房)、作品集に『えーえんとくちから』(ちくま文庫)がある。2019年の没後10年にあたり、笹井宏之賞が創設された。 (出版社:書肆侃侃房)
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尾崎まゆみ『ゴダールの悪夢』
¥2,420
--- 散る花はゆるしてあげる死を語る夾竹桃の紅いくちびる 植物や鳥、月、絵画、街 それらを自在にあやつり 歌はきらびやかな衣裳をまとう 【収録歌より】 薔薇窓をみて死にたきと薔薇窓にあの人の声ふはつと浮かぶ はつなつの孵化したやうな眩しさに過去の私を許さうとおもふ 愛はうしろに沈む誰かのかなしみを浴び花ひらくクリムトの絵も 水鳥のねむれる足の冷たさを胸の揺らぎのなかに感ずる やはらかく零れてゐよう百日紅わたしの過去がはぢらふやうに 【著者プロフィール】 尾崎まゆみ(おざき・まゆみ) 1955年愛媛県今治市生まれ。 1977年早稲田大学教育学部国語国文学科卒業。 1987年塚本邦雄と出会い師事、「玲瓏」入会。 1991年「微熱海域」30首により第34回短歌研究新人賞受賞。 現在「玲瓏」撰者、編集委員。「神戸新聞文芸短歌」選者、伊丹歌壇選者。神戸新聞文化センター、NHK神戸文化センター、コープ神戸などの講師。日本文芸家協会、現代歌人協会会員。 (書肆侃侃房)
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岡井隆『岡井隆の忘れもの』
¥3,300
--- 斎藤茂吉、森鷗外、正岡子規、与謝野鉄幹・晶子、 種田山頭火、ベンヤミン、多和田葉子、 穂村弘、高橋睦郎、大岡信、北川透、 石原吉郎、荒川洋治、平出隆、蜂飼耳……などの人々に言及。 時代の表現者たちを自在に、 時にやさしく、時に鋭く読み解いていく。 岡井隆の忘れものは、岡井隆の遺言であり、 日本語の美しさへのあらゆる賛美である。 詩の美しさを支えるのは、詩の背後の時代でもあるのだ。 いい詩を、まことにいい詩として解読できたとすれば、その時代がわかったともいえるのである。 ―岡井 隆 【章立て】 暗黒救済のメッセージ/美しき時代の詩歌/孤心とうたげ/詩歌句の未来/詩における物語性/啄木の方法 /対談 岡井隆『暮れてゆくバッハ』を読む/人生の贈りもの コラム6点も収録 【著者プロフィール】 岡井 隆(おかい・たかし) 1928年名古屋市生まれ。慶應義塾大学医学部卒。内科医。医学博士。1945年17歳で短歌を始める。翌1946年 「アララギ」入会。1951年現在編集・発行人をつとめる歌誌「未来」創刊に加わり、逝去直前まで編集・発行人をつとめる。1983年歌集『禁忌と好色』により迢空賞受賞。2010年 詩集『注解する者』により高見順賞を受賞。2015年『暮れてゆくバッハ』(書肆侃侃房)。『『赤光』の生誕』など評論集多数。日本藝術院会員。2020年7月10日心不全のため死去。享年92歳。2022年に遺歌集『阿婆世』(砂子屋書房)が刊行される。 (書肆侃侃房)
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山中智恵子/水原紫苑編『山中智恵子歌集』
¥2,310
--- 「私は言葉だつた。」 短歌の韻律に乗せて人間存在を徹底的に問うた歌人・山中智恵子。 代表歌集『紡錘』『みずかありなむ』『夢之記』を完本で収録。 山中智恵子の全貌を見渡せる1600首を収める。 『葛原妙子歌集』(川野里子編)に続く新編シリーズの第2弾! 【栞】 小島なお「匣のなかの贈物」 瀬戸夏子「殺害のプロセス」 藪内亮輔「山中智恵子の〈境〉 ──『みずかありなむ』を中心に」 【収録歌より】 うつしみに何の矜恃ぞあかあかと蠍座は西に尾をしづめゆく(『空間格子』) わが生みて渡れる鳥と思ふまで昼澄みゆきぬ訪ひがたきかも(『紡錘』) 行きて負ふかなしみぞここ鳥髪に雪降るさらば明日も降りなむ(『みずかありなむ』) その問ひを負へよ夕日は降ちゆき幻日のごと青旗なびく(『みずかありなむ』) さくらびと夢になせとや亡命の夜に降る雪をわれも歩めり(『虚空日月』) 【著者プロフィール】 山中智恵子(やまなか・ちえこ) 1925(大正14)年愛知県名古屋市生まれ。前川佐美雄に師事。1946年秋「日本歌人」入会。1955年第1回「短歌研究」新人賞応募(佳作)。1960年塚本邦雄らの同人誌「極」に、1964年村上一郎の同人誌「無名鬼」に参加。歌集に『紡錘』『みずかありなむ』『青章』(現代短歌女流賞)『星肆』(迢空賞)『夢之記』『黒翁』『玉蜻』など。他にライフワーク『斎宮志』に代表される斎宮制度解明の史書がある。没後、『山中智恵子全歌集』『玉すだれ 山中智恵子句集』。鈴鹿市寺家町正因寺の山中家の墓に眠る。 【編者プロフィール】 水原紫苑(みずはら・しおん) 1959年神奈川県横浜市生まれ。早稲田大学大学院文学研究科仏文学専攻修士課程修了。86年、「中部短歌会」に入会。以後春日井建に師事、師の没後は単独で活動。歌集に『びあんか』(第34回現代歌人協会賞)『客人』(第1回駿河梅花文学賞)『くわんおん』(第10回河野愛子賞)『あかるたへ』(第5回山本健吉賞・第10回若山牧水賞)『えぴすとれー』(第28回紫式部文学賞)『如何なる花束にも無き花を』(第62回毎日芸術賞)などがある。 (書肆侃侃房)
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【サイン本あり】山田航『寂しさでしか殺せない最強のうさぎ』
¥2,200
−−− 現代歌人シリーズ34 『寂しさでしか殺せない最強のうさぎ』 山田航 装幀:クラフト・エヴィング商會 雨宿りやめる決意を君はする止んだのか濡れる気かは知らない 小説的な企みのなかに、「ひかりってめにおもい」ことや「夏が動く音」、「手渡し」の危険さといった日常に潜むスリルが散りばめられている。 ふいに出現する口語の息遣いに虚をつかれた。 ー江國香織 【収録歌より】 猫の頭蓋骨は小さい 手に収まるくらいの量の春つかまえる 手渡しは危ないからさテーブルに置くよ紅茶もこの感情も ひかりってめにおもいの、と不機嫌だごめん寝てるのに電気つけちゃって 電線で切り刻まれた三日月のひかりが僕をずたずたに照らす 海、海、海、海が見えるよ僕たちは海に奇跡の投げ売りを見た 【著者プロフィール】 山田航(やまだ・わたる) 1983 年札幌生まれ。札幌在住。 第一歌集『さよならバグ・チルドレン』(ふらんす堂)、第二歌集『水に沈む羊』(港の人)。 編著に『桜前線開架宣言』(左右社)、エッセイに『ことばおてだまジャグリング』(文藝春秋)。 (出版社︰書肆侃侃房)
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谷川電話『深呼吸広場』
¥1,760
--- 一昨日は男子、昨日は女子だった 今日はパンケーキとして生きる 『恋人不死身説』の著者、新境地をひらく第二歌集。 【収録歌より】 日向 今日わたしはよわい 猫を抱く力があればじゅうぶんなんだ 銀色のコーヒーミルに抱擁を映そうとして踏んだクッキー 友だちのアフロヘアーを通過するあいだ微風は複雑になる 生きながら水族館の薄闇でおでこをさすりあうのはいいね コロッケを揚げながらする合唱に百年前のくしゃみが混じる (出版社:書肆侃侃房)
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渡辺松男『牧野植物園』
¥2,530
--- 閉ぢられてある鏡にて白鳥は漆黒の夜をわたりの途中 記憶を歌にする。 ますます研ぎ澄まされていく渡辺松男の歌は 限りなく清明で美しく生命溢れる。 【収録歌より】 土佐の牧野植物園へ飛ばしたり日差しとなりてわたしのからだ 団子虫のやうなる涙吊るすときここから俺は号泣をする 皺くちやの細目の奥のかなしみのその奥のおく虚空燦燦 (出版社:書肆侃侃房)
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笹井宏之『八月のフルート奏者』
¥1,870
SOLD OUT
--- 新鋭短歌シリーズ4 『八月のフルート奏者』 笹井宏之 監修:加藤治郎 東 直子 2013年8月発行 「佐賀新聞」に託した愛する世界 この世と、この世ならざる者との間で生じる思索を、言葉の音楽に変えていった青年の本心が、どの歌にもじっくりと座っている。 ー東 直子 佐賀新聞読者文芸欄2004年10月~2009年2月掲載の全歌と新たに発見された歌を含む395首を収録 【5首】 葉桜を愛でゆく母がほんのりと少女を生きるひとときがある 八月のフルート奏者きらきらと独り真昼の野を歩みをり 雨といふごくやはらかき弾丸がわが心象を貫きにけり ひろゆき、と平仮名めきて呼ぶときの祖母の瞳のいつくしき黒 木の間より漏れくる光 祖父はさう、このやうに笑ふひとであつた 【著者プロフィール】 笹井宏之(ささい・ひろゆき) 1982年佐賀県生まれ。2004年に短歌を作りはじめる。 2005年、連作「数えてゆけば会えます」で第4回歌葉新人賞を受賞。2009年1月24日、26歳で永眠。 歌集に『ひとさらい』『てんとろり』『八月のフルート奏者』(すべて書肆侃侃房)、作品集に『えーえんとくちから』(ちくま文庫)がある。2019年の没後10年にあたり、笹井宏之賞が創設された。 発行所:書肆侃侃房
書肆侃侃房「新鋭短歌シリーズ」一挙アップ!