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山口一郎『ことば: 僕自身の訓練のためのノート』
¥2,420
--- サカナクションのメジャーデビュー前、自分自身のための訓練として書き綴られた詩のような短い言葉の断片たち。 「山口さんは言葉の波止場なのだと思う。やって来る言葉を受け止め、去っていく言葉を見送る。読み終えたあなたの中にはもう一冊の新しい本があり、あなた自身に読まれるのを待っていることに気づくでしょう。」——友部正人 【著者プロフィール】 山口一郎(やまぐち・いちろう) 1980年生まれ。北海道小樽市出身。2005年にサカナクション結成。2007年にアルバム「GO TO THE FUTURE」でメジャーデビュー。ほとんど全ての楽曲の作詞作曲を手がける。つねに時代の先端を歩む姿勢で、さまざまなシーンに大きな影響を与え続けている。 (青土社)
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文月悠光『わたしたちの猫』
¥1,540
--- 文月悠光の待望の第3詩集は、 わたしたちの恋の物語。 人の心には一匹の猫がいて、 そのもらい手を絶えず探している。 自分で自分を飼いならすのは ひどく難しいから、 だれもが尻尾を丸め、 人のふりして暮らしている。 (「わたしたちの猫」より) 18歳で中原中也賞を受賞し、以降、活躍の場を広げ続ける詩人・文月悠光。 初エッセイ『洗礼ダイアリー』も話題の詩人が、詩の舞台で放つのは、恋にまつわる26編の物語。 あの嵐のような日々はなんだったのか……。そんなつかみどころのない恋という現象がわたしはどこか苦手でした。(中略)けれど恋愛が苦手だからこそ、なぜ人を好きになるのか、なぜ別れはやってくるのか、その不思議を言葉で解きほぐしたい欲求にかられるのです。 ―あとがきより 【著者プロフィール】 文月悠光(ふづき・ゆみ) 1991年北海道生まれ。詩人。中学時代から雑誌に詩を投稿し始め、16歳で現代詩手帖賞を受賞。高校3年時に出版した第1詩集『適切な世界の適切ならざる私』(思潮社)で中原中也賞、丸山豊記念現代詩賞を最年少の18歳で受賞。早稲田大学教育学部在学中に第2詩集『屋根よりも深々と』(思潮社)を刊行。2016年、初のエッセイ集『洗礼ダイアリー』(ポプラ社)を刊行。NHK全国学校音楽コンクール課題曲の作詞、詩の朗読、書評の執筆など広く活動している。 (ナナロク社)
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【サイン本】三角みづ紀『週末のアルペジオ』
¥1,650
三角みづ紀さんの第九詩集『週末のアルペジオ』。 傘をひらいて 六月を避ける ひとつひとつの音が 名前を 呼んでいる 湿った手紙を撫でて なにごともなかったと 生活が営んでいる 六月「くちなし」ーより 身近で、生活に近いモチーフや営みが描かかれていますが、読み進めるごとに感性が一気に花開いて、暮らしているいつもの世界が鮮やかになる心地がします。朝日、公園、リビングに響く足音。あらゆる所に詩があるのだと気づかされました。 2年に渡り連載された詩が、呼応する二人の人物の視点で「五月」から時系列に収められています。近頃は、旅をしながら旅先で詩を書いていた三角さんですが、コロナ禍で遠出はされなくなったそう。その分、近い視点で描かれる数々が、じわりと身にしみます。 巻末の、谷川俊太郎さんとの対談も圧巻! 更に、心や身体を自由にしてくれるような大らかさと鋭い視点。更に解き放たれるような気持ちになりました。 (よ) --- 中原中也賞・萩原朔太郎賞詩人 待望の第九詩集! 寄る辺なき時代を言葉で照らす 三角みづ紀の第九詩集『週末のアルペジオ』は、『Web新小説』で2年間連載された24篇の詩を収録しています。「ぼく」「わたし」の視点を交互に織りなし、「きみ」「あなた」の日々を、失ってしまった記憶が蘇るように描きだします。「午後三時」や「午前四時」をはじめ、呼応するふたつの物語は、ひとつの曲を奏でているようでもあり、その繊細な感情が見事に詩となっています。すべて一人の目線で描かれるため、短い物語としても読め、しばらく詩から離れていたという方にも、親しみやすい一冊です。本文:112ページ/詩24編+写真13点+特別対談(谷川俊太郎)+あとがき
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『ここに素敵なものがある』
¥2,200
--- かなしくてさびしくて優しい人に。 詩のささやきが放つ色気にすっかりやられてしまった。不幸せな者、それでいてどうしようもなく優しい者だけが持つ、強烈な色気。ささやきでしか、本当のことは語れないのかもしれない。(向坂くじら・詩人) 『西瓜糖の日々』が文庫化されたのが2003年。大学1年生だった私はブローティガンに大いに影響を受け、物語るように歌詞を書くようになった。狂気を語る穏やかな声は、きっと今も遠くまで響くことだろう。(高城晶平・cero) リチャード・ブローティガン(『アメリカの鱒釣り』『西瓜糖の日々』)、新訳詩集。
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『美しい人生』
¥3,080
--- 野村喜和夫 著 現代詩の最先端をリードする詩人が古希を迎え、新境地をひらいた53篇の最新詩集。いま存在していることの不思議さを感じるままに言葉の刺繡として美しく縫い込み、人生をうたう。 多数の詩集を上梓されている著者は、これまで経験していない造本をと希望され、フランス装を採用した。装画は津上みゆき氏の「View-24seasons」より「No. 17」、二十四節気をテーマとするシリーズの「寒露」に基づいて描かれた作品である。 装幀 間奈美子(アトリエ空中線) ■本書より いかに生きるべきか という問い から離れれば離れるほど人生は美しい 蟋蟀ほどにもヒトは 全身で宇宙の寂しさをうたう ことができない それでも山をじっと見つめていると 山は山自身を脱いでゆく x(いかに生きるべきか——)より ■著者 野村喜和夫(のむら・きわお) 1951年埼玉県生まれ。早稲田大学卒。詩集に『難解な自転車』(藤村記念歴程賞)、『薄明のサウダージ』(現代詩人賞)、『妖精DIZZY』、評論に『移動と律動と眩暈と』(鮎川信夫賞)、『萩原朔太郎』(鮎川信夫賞)、『証言と叙情 詩人吉原吉郎』など多数。 (出版社︰港の人)
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安達茉莉子『世界に放りこまれた』
¥1,430
--- 言葉と絵による作品発表を続けている作家・文筆家の安達茉莉子が言葉だけで綴った初めての詩集。 — 「歩きながら、電車の中で、道端で、湧き上がる言葉を拾い上げた。何もかもが変わっていくような予感だけがあったが、現実的にはまだその前夜といったところで、身動きが取れないまま予感を感じ続けるような、もどかしい時間を過ごしていた。新しい世界はすぐそこにあり、放りこまれてみたい。とことん無防備になってみたい、というじりじりした気持ちは、そのまま言葉に転写されていった。」 著者の安達茉莉子が率直さを大事に、無防備に、剥き身になって、紡いだ詩17篇を収録しています。 人の目を気にせず、自分の暗い部分も含めて、勇気を持って自分を開いてみると、新しい世界が広がる。 安達茉莉子の言葉は、そんな自由な地平に読者を連れていってくれると思います。 9篇の詩は、本屋twililightでの朗読会で読まれた詩です。だからでしょうか、書かれた言葉であると同時に、本人に語りかけられている声のようにも感じます。 声の震えを感じたとき、ひとりでいても、震えが伝わる同じ世界にいるということ。 そんなあたたかで勇気をもらえるこの詩集を開き、世界に放りこまれてみてください。
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鈴木一平『灰と家』(いぬのせなか座叢書1)
¥2,000
SOLD OUT
--- [いぬのせなか座叢書第1弾] 散文と韻文、日記と俳句、音と語——互いがまったくの異種でありながら、自らに残されていなかったはずのポテンシャルを形成しあう、環境=レイアウトの制作。 繰り返される試行錯誤の見開きが、事物や生物、死後の私による制作の持続を担う、新たな言語を探索する。 いぬのせなか座のメンバーとして活動し、『ユリイカ』『花椿』『HAPAX』『現代詩手帖』『三田文学』等各誌に作品・論考を寄稿している鈴木一平の、第一詩集。 ★第6回エルスール財団新人賞<現代詩部門>受賞 ★第35回現代詩花椿賞最終候補 そのほか、『現代詩手帖』『東京新聞』等にて紹介 発行日:2016年11月23日 判型:182mm×182mm 124ページ 装釘・本文レイアウト:鈴木一平+山本浩貴+h
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唐作桂子『出会う日』
¥1,980
--- ゆるやかく、転換してゆく日常風景。折々につづられた作品を編む第三詩集。 (収録作品より) 青猫はうなる (その眉間ときたら) 眉をひそめる の反対語をもとめて、 最終バスは行ってしまった それともまだ来ていないのか 市民には知るすべがなく じじつじょうひじょうじたい うなじに湿気がまとわりつく ふおんなかんじ 前線とか中央とかは 観念なのであり、 ね このにおい このにおい このこのにおい このね このにおい おいてけぼりだ 電話に出るのは とおいあかるい場所 何かのコピーが必要と言われた 墓地のあいだにわたしたちは かろうじて住んでいる 気流がかわると 空白が散乱しはじめ、 硬直した 青猫はうなる 剝製の目をみひらき むおんでうなる 【著者プロフィール】 唐作桂子(カラサク・ケイコ) 詩人。 詩集に『断食の月』、『川音にまぎれて』(ともに書肆山田)がある。 (出版社:左右社)
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谷川俊太郎『バウムクーヘン』
¥1,430
何歳になっても出会える、谷川さんの詩。 全てひらがなで書いてあるので小さなお子さまでも読めますし、ディック・ブルーナの装画が鮮やかなつやつやの装丁は、洗練されたお部屋の一室に飾っておいても遜色ない佇まい。 いつ、どこで、あなたはこの詩集と出会いますか。 --- 谷川俊太郎の詩集。 著者の自選による、初収録のひらがな詩46篇を収録。 装画は、「ミッフィ―」のディック・ブルーナ氏による鮮やかな花の絵です。 かなで書いているので、子どもの詩集と思われるかもしれませんが、これは私の中に今もひそんでいる子どもの言葉をかりて、老人の私が書いた大人の詩集です。 ヒトが木の年輪(バウムクーヘン! )のように精神年齢を重ねていくものだとしたら、現在の自分の魂の中にゼロ歳から今に至る自分がいてもおかしくありません。 ハハ、チチ、バアバ、ジイジなどが登場しますが、特定の家族ではなく、架空の家族の架空の場面をイメージして書いています。 谷川俊太郎/本書あとがきより 装丁:名久井直子 判型:四六変形判 上製112ページ 発刊:2018年9月 (出版社︰ナナロク社)
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谷川俊太郎・岡野大嗣・木下龍也『今日は誰にも愛されたかった』
¥1,320
--- 国民的詩人と注目の歌人2人による「連詩」と、師弟のようなクラスメートのような3人の「お話」を収録しました。今まであまり詩集や歌集を手にしたことのない方にも楽しんで読んでいただける一冊です。 【本書について】 この本は詩と短歌による連詩と、詩人と歌人のお話を記録した一冊です。「連詩」は、春のマンションの一室から始まる36篇を4か月かけて共作。「お話」は、その36篇ひとつひとつを本人たちがどのような心境で書いたかを語りあういわば創作の「感想戦」。読みあいと読み違い、お互いへの評などなど、感情と技術、笑いとスリルが交わります。 【連詩とは】 詩人同士が、詩を順々に読みあいひとつの作品を合作する創作の形式です。今回は、詩人と歌人が紡ぐ、詩と短歌による「連詩」。歌人側は2人が交代しながら受け、具体的には、次の順で行いました。 岡野大嗣(歌人)→谷川俊太郎(詩人)→木下龍也(歌人)→谷川俊太郎 →岡野大嗣 →谷川俊太郎 →木下龍也 →谷川俊太郎 →岡野大嗣……と、これを36番目までつづけ、ひとつの連詩としての作品をつくります。 (出版社:ナナロク社)
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詩:まど・みちお/絵:渡邉 良重『うたをうたうとき』
¥2,420
--- 世界はこんなにも美しい 国民的な詩人であるまど・みちおさんのだれの心にも響く詩と、独自の世界観で活躍を続けるデザイナー、渡邉良重さんの絵が生み出す珠玉のコラボレーション。宇宙的な視点を持つまどさんの世界観を再発見し、ことばから広がるアートの力を五感でたのしめる、喜びに溢れた一冊です。 ◆推薦文 「詩と絵がつくる特別な窓」 ある場所の白い壁に、詩と絵がある。それは言葉と絵なんだけど、まるで窓があるみたいだ。その窓からは、遠いところや、いま、ここ、自分のことや、あたりまえのことがどんなにかけがえがないかということが見える。ある小児病棟の壁に、そんな窓がかかっている。まど・みちおという詩人と、渡邉良重というアーティストが創った〈特別の窓ホスピタルアート〉。この本に並んでいるのは、その窓たちだ。 ー松田素子(編集者)
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小野絵里華『エリカについて』
¥2,200
−−− 私たちの、新しい詩集登場。小野絵里華待望の第一詩集刊行! 身を任せる。揺られる。 そこで持ち続けるべきは自分の信念などではなく、 言葉で作られた世界をどこまでも漂おうという、純粋な好奇心。 だと思う。──玉城ティナ 地球上の生活がぜんぶエリカで、エリカが詩だった──伊藤比呂美 朝がくるたび、 わたしたちは生まれる。 苦しみを抱えながら、ただ静かに呼吸している。 生まれてくることは しんどいことだ。 それでも朝焼けがきて、 わたしたちはやわらかな光に包まれている。 今日もせかいは、透明なかなしみがきらめいている。 不確かで、それでも透明でキラキラした朝を私たちは待ってる── ユリイカ新人賞で鮮烈にデビューした小野絵里華、注目の第一詩集! 夜になると、わたしは言葉をひとつずつ殺していくことに夢中になる。本当には殺さない。睡眠薬を投与していくのだ。ゆるり、骨をなくして。輪郭をなくして。 彼らはどこかに帰っていく。もとあった場所に収まる。せかいの表面はさざ波だ。そんな時、わたしはいつもひとりだ。 「あとがき 喋りすぎた朝」 【著者プロフィール】 小野絵里華 (オノ・エリカ) 詩人。 2010年「ユリイカ」の新人賞を受賞。詩集に『トイレに神様なんかいない』(2018年 私家版) 歌集に『金魚は炭酸水では生きていけない』(2020年 私家版) (出版社︰左右社)
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ポケット写真詩集『東京』
¥2,090
「東京」 特別な響きをもった言葉。 繰り返し生み出される様々なイメージ。 『そして、あなたにとっての東京について聞かせてほしい』 −−− BOOKNERD PAPERBACK LIBRARY第二弾/ポケット写真詩集 『東京』 (判型:ペーパーバック(178×105mm)、表紙・本文(1c)・128ページ ) “そこは、わたしたちの街にはならない。わたしたちの街にならないそこは、これからもわたしたちの場所にはなりえない。わたしたちの街にならないそこは、これからもわたしたちの場所にはなりえず、わたしたちはそれにいくばくかの悲しみを覚える。(中略) わたしたちの街にならないそこは、これからもわたしたちの場所にはなりえず、わたしたちはそれにいくばくかの悲しみを覚えながらも、悲しいというその事実を決してないことにはせずに、その場所に根ざすあらゆることを反芻する。わたしたちはその場所を、東京と呼ぶ。” 「東京」 何年も何十年も読み継がれるような、エバーグリーンな佇まいを讃えたポケット型の判型の写真詩集『東京』。東京に暮らす人も、東京以外で生きている人も、東京という街を想う時に去来する、郷愁に似た不思議な感情と、好きと嫌いが入り混じるアンビバレントな思いを、20代の二人が写真と文章で掬い上げる。 著者について/ 詩歌 MAI 、写真 Asako Ogawaの二人組で、2021年より創作活動開始。出版物に小冊子『東京』、写真歌集『待つほうじゃなくて探しにいくほうをいきていきたい浜百合 片手に』。出版毎に展示を開催し、来てくださる方々との交流を楽しみにしている。 (BOOKNERDの紹介文より一部抜粋)
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古井フラ 詩画集『変身物語』
¥1,760
ギリシア神話「変身物語」を題材に書かれた、古井フラさんの美しい詩と鉛筆画の本です。 仕様:B5変形/表紙 金箔押し/フランス製本/本文88P
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向坂くじら『とても小さな理解のための』
¥1,760
--- びーれびしろねこ社賞大賞受賞の向坂くじら、待望の第1詩集。その瑞々しい感性と類いまれな言葉の才能は他の追随を許さない。詩界、各メディアにも注目されている著者の世界を是非感じて下さい。帯文を文月悠光(詩人)、岡英里奈(作家)。表紙絵を田島環。本文挿し絵をPainter kuro。
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『空気の日記』
¥2,420
--- 23人の詩人が綴ったコロナ禍のリレー日記365日 コロナ禍の1年間、休むことなく書き続けた詩人たちの日記はリアルで、詩的で、いつまでも心に残り続ける。 この時にしか書けなかった貴重な記録です。 【呼びかけメールより】 未曾有の事態なので様々な出来事は記録されていきますが、人々の感情の変化の様子をしっかり留めておくべきではないかと思いました。 そこで、詩人のみなさんと手分けして『空気の日記』をつけていきたいと思いつきました。 その日の出来事とその時の感情を簡潔に記していく輪番制の日記です。 せっかくなので詩のかたちで書けるといいなと思います。空気の叙事詩。 <参加詩人> 新井高子 石松佳 覚和歌子 柏木麻里 カニエ・ナハ 川口晴美 河野聡子 さとう三千魚 白井明大 鈴木一平 ジョーダン・A・Y・スミス 田中庸介 田野倉康一 永方佑樹 藤倉めぐみ 文月悠光 松田朋春 三角みづ紀 峯澤典子 宮尾節子 山田亮太 四元康祐 渡辺玄英 (出版社:書肆侃侃房)
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西尾勝彦『白い火、ともして』
¥990
ゆらがない強い心を持ちたいと思っていても、日々触れる様々な言葉や出来事に、ぐらぐらと自分を見失いそうになります。そんな時に開いてみてください。きっと、自分自身が見つめるべき方向へと連れ戻してくれます。 --- 縁あって芸術方面に進もうとしている若い人たちに「創作基礎」の話をする機会がありました。創作そのものを教えることはむずかしいですが、創作をつづけていくにあたって知っておいた方がよいことなら少しは伝えられるとおもい、講座を担当しました。 その内容をより非実用的な方向にあらためて、随筆詩のようなかたちにまとめたのがこの小冊子です。ほとんど役に立つものではありませんが、創作を志すひとのささやかな支えになるかもしれません。 本棚の片隅にそっと置いていただき、ときおりまぼろしをかんじるように読みかえしていただけたらうれしいです。
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『寺山修司少女詩集』(角川文庫)
¥704
\『寂しさでしか殺せない最強のうさぎ』発売記念・山田航オススメ本フェア/ <山田さんからのおすすめコメント> 寺山修司の本領が一番発揮されているのは、実は短歌でも俳句でも戯曲でもなく、児童詩 のような気がする。叙情性と言語遊戯が高いレベルで両立しているというか。 --- 少女の心と瞳が捉えた愛のイメージを豊かな感性で織りなすオリジナル詩集。 忘れられた女がひとり、港町の赤い下宿屋に住んでいました。彼女のすることは、毎日、夕方になると海の近くまで行って、海の音を録音してくることでした……少女の心の愛のイメージを描くオリジナル詩集。
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西尾勝彦『なんだか眠いのです』
¥2,200
−−− 眠りをいざなう読書の旅へ 家の庭に鹿がくるらしい。 そんな人が描いた詩とエッセイです。 ズレてもいいよ、無理しなくていいよ、そのままでいいよ、 と西尾さんはそそのかしてくれる。 ──帯文 とほん店主 砂川昌広 絶版となっている詩集『光ったり眠ったりしているものたち』をはじめ、私家版やフリーペーパーなどに掲載された作品。そして書き下ろしの随筆や俳句などをたっぷりと収録しました。 組版と装幀は川島雄太郎さんにご担当いただき、草原に寝転んで見上げた空と雲、まぶたにうつる太陽の光をイメージして制作しました。 判型や製本は詩集『歩きながらはじまること』と同じです。 【収録作】 『光ったり眠ったりしているものたち』(BOOKLORE) 「古い東洋人」(私家版) 「亀之助気質」をお持ちの方へ(フリーペーパー「粥彦」連載) 「ならならのひと」(私家版) 「なんだか眠いのです」(書下ろし) 「粥彦の句」(ほぼ書下ろし) 「平穏と無事」(ループ舎) 詩集 2022/05/23発行 110x160 並製 付録付 七月堂 帯文:とほん店主 砂川昌広/組版・装幀:川島雄太郎
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川上亜紀『あなたとわたしと無数の人々』
¥2,200
−−− なんどだって、満たされていく。 惜しまれつつ2018年に亡くなった川上亜紀の刊行全四詩集を、各詩集のあとがきなどもふくめて収録しました。 ・生姜を刻む(新風社 1997) ・酸素スル、春(七月堂 2005) ・三月兎の耳をつけてほんとの話を書くわたし(思潮社 2012) ・あなたとわたしと無数の人々(七月堂 2018) 豆と米 肉と葱 噛まれてそれが【わたし】になって 火や水を使い発語するとは思えないのに 味噌と茄子 噛まれて熱となって 胡瓜 また噛んでいる 「噛む夜」より抜粋 ふと振り向けば私の心はあたたかく澄んだ水に満たされていてもう溢れそうになっているのだ。 声高なわざとらしさが一切ないのが、川上さんらしい。切実だけど、茶目っ気たっぷり。突然のユーモラスな展開や幻想的なイメージには思わず笑ってしまう。 ──川口晴美 私たちは親しく語り合った後のように「もうほんとうに恐ろしいことなどありはしない」と微笑みを浮かべて頷きたくなり、言葉を介して結ばれる無数の人々の一人となるのだ。 ──北爪満喜 川上亜紀の詩は、どの作品も、読み手に向かって語り掛け、扉が開かれ、その先には川上の言葉でできた通路が無数に伸びて絡み合っている。 ──白鳥信也 川上亜紀プロフィール 1968年、東京生まれ。 早稲田大学文学部卒 在学中、難病にかかり、闘病しつつ、詩、小説を書く。 2016年、癌にかかり闘病かなわず 2018年1月23日、初版『あなたとわたしと無数の人々』を制作中に逝去。 詩集 2022/03/30発行 110x160 並製 カバー 帯 栞付 七月堂 栞文:川口晴美・北爪満喜 叢書版あとがき:白鳥信也 組版・装幀:川島雄太郎
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髙塚謙太郎『新装版 量』
¥3,300
−−− 《私》は救われる 第70回H氏賞を受賞した『量』。 サイズをA4判からB5判へと変更し、書下ろし詩篇「ハンコック──1984 あるいは球体は《私》は記述している記述──』を収録。 新装版として発行しました。 限りなく無意識にちかい意識のなかで自由に飛躍する詩のことば。 読むほどに広がってゆく髙塚謙太郎の織りなすことばの美しさに、何度でも出会えるだろう。 詩集 2022/05/25発行 B5判 並製 帯付 七月堂 装幀:川島雄太郎
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デイヴィッド・イグナトー『死者を救え』
¥2,200
−−− もう怖がるな わたしがよこにいてやるから 本日の仕事の段取りをつけよう おまえがたたかう相手は 石と星の原材料となっているもの 二十世紀後半のアメリカ現代詩の世界で活躍し、孤独のうちに詩作をつづけたイグナトー。 訳者が選りすぐった67篇、そして60頁以上となる訳者のエッセイと、各章に原文を一篇ずつ収録!!! 「詩人というのは、仮にどんな光があたったところで、物のなか、言葉の背後に、その姿をそっと隠している。だから探しにいこう。見知らぬ異国の、詩の交差点で、出会い頭、いきなり、イグナトーとぶつかる、なんてことがあるかもしれない。」(小池昌代 栞文「転がるベーグルを追いかけよう」より抜粋) 【作品紹介】 「神、ひとりはいてほしい I Wish a God Were Possible」 神、ひとりはいてほしい、 すくなくともわたしに対しては、いてほしい、 いる、と知るだけでわたしはみたされ、 わが死とともにわたしは信じるひととなり、 太古からつづく想起の力が 記憶ある世界にわたしを生きたまま保全してくれて、 そしてそのなかをわたしは子供たちがそうであるように、ゆるしを得て あるきまわっていて、自己という永遠を感知して、空のたかみを見つめ、 じぶんは空のたかみの一点であると気づき、 その空は無限なのだと気づく子供たちがそうであるように。 子供たちとはそうしたものなのだ、ならば、 神、いてほしい、と、のぞむわたしは、ひとりの子供、 のぞみそのものは、わたしじしんのなかで、 ひとりの神、無限を帯びて。 デイヴィッド・イグナトー (David Ignatow, 1914-1997) ニューヨーク市ブルックリン地区にロシア系ユダヤ人の移民の子として生まれ育つ。 1948年第一詩集『詩集』以後最晩年まで精力的に詩作した。代表作『死者を救え』(1968年)のほかに20数冊の詩集がある。W・C・ウィリアムズ、ホイットマン、ハート・クレイン、ボードレール、ランボーの詩に学ぶ。シンプルで高密度の文体から飛躍的に展開される宗教哲学的幻想が特色。 千石英世 (1949- ) アメリカ文学者、文芸評論家、詩人。 著書に『白い鯨の中へ─メルヴィルの世界』(増補版彩流社)、『小島信夫─暗示の文学、鼓舞する寓話』(同)他。訳書に『白鯨』上下(講談社文芸文庫)他。詩集に『地図と夢』(七月堂)。 詩集 2022/05/05発行 四六判 並製 カバー 栞付 七月堂 栞文:小池昌代/装画・扉絵:高橋岳人
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インカレ叢書 14 青木風香『ぎゃるお』
¥990
−−− ぎゃるおは、けれど、いつも寂しい。 久しく凸凹道のエネルギーが生み出す本当の恋というのは忘れ去られていたわけです。 詩集 2022/04/25発行 四六版 並製 小口折 七月堂
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『左川ちか全集』
¥3,080
モダニズムの先駆者として、伊藤整を始め多く期待をされながら、24才で夭折した詩人・文学者の左川ちか。詩作は勿論、ジョイスやウルフなど、多くの翻訳も手がけ、再評価が高まっています。参考文献・論文の紹介も手厚く、熱量を感じます…!詩、翻訳、散文、書簡などもあり、読みやすく、手に取りやすい全集です! 知られざるクラシックとして、また、骨太な研究の入り口としてもお勧めです! −−− 詩の極北に屹立する詩人・左川ちかの全貌がついに明らかになる──。 萩原朔太郎や西脇順三郎らに激賞された現代詩の先駆者、初の全集。 すべての詩・散文・書簡、翻訳を収録。編者による充実の年譜・解題・解説を付す。 【著者プロフィール】 左川ちか(さがわ・ちか) 詩人・翻訳家。本名川崎愛。1911年生まれ。北海道余市町出身、十勝地方の本別町で幼少期を過ごす。庁立小樽高等女学校卒業後に上京。10代で翻訳家としてデビュー。J・ジョイス、V・ウルフ、ミナ・ロイなど、詩・小説・評論の翻訳を残す。1930年に筆名を「左川ちか」と改め詩壇に登場する。同郷の伊藤整を始め、北園克衛・春山行夫・西脇順三郎・萩原朔太郎らに高く評価、詩誌『詩と詩論』『椎の木』『マダム・ブランシュ』などで活躍した。将来を嘱望されたが1936年に死去。享年24。J・ジョイス著/左川ちか訳『室楽』(椎の木社、1932年)、遺稿詩集『左川ちか詩集』(伊藤整編・昭森社、1936年)。本書は初の全集となる。 【編者プロフィール】 島田龍(しまだ・りゅう) 東京都中野区出身。立命館大学文学研究科日本史専修博士後期課程単位取得退学。現・立命館大学人文科学研究所研究員。専門は中世~近現代における日本文化史・文学史。関連論考に「左川ちか研究史論―附左川ちか関連文献目録増補版」(『立命館大学人文科学研究所紀要』115号)、「左川ちか翻訳考:1930年代における詩人の翻訳と創作のあいだ―伊藤整、H・クロスビー、J・ジョイス、V・ウルフ、H・リード、ミナ・ロイを中心に」(『立命館文学』677号)など。
書肆侃侃房「新鋭短歌シリーズ」一挙アップ!