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片山由美子『俳句日記2015 昨日の花 今日の花』
¥2,420
--- ◆シリーズ最新作 心掛けたのは、季語の実感を大切にすること―― はや虫の声を聞く夜となりにけり 昼間はまだ残暑が厳しいというのに、夕方になると蝉と入れ替わるように青松虫が鳴きだす。去年も今頃から虫の声を聞いた。 2015/8/19(水) ◆あとがきより 九月十四日に〈けふの花昨日の花や酔芙蓉〉という句がある。その名の通り、開いたときは純白の花がしだいに赤みを帯び、夕方しぼむころには桃色になる。しかし、すぐに落ちてしまうのではなく、色を深めて一日茎にとどまり、次の日に落ちていく。そうして毎日順番に咲く花。私の日常もこんな連続で、一昨日のことなど大方記憶から抜け落ちている。平凡な日々を象徴する花のように思われ、タイトルを「昨日の花 今日の花」とした。 (ふらんす堂)
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井上弘美『俳句日記2013 顔見世』
¥2,420
--- ◆収録作品より 2月12日(火)晴 真夜中のあかるさとなり春みぞれ 窓の外でさらさらと音がする。何だろうと思って覗くと、霙が降り出しているのだった。向かいの家の屋根はすでに白く、街はひっそりと美しい。 ◆あとがきより 日記を書くのなら、東京での日々の生活と、産土の地である京都の四季や歳事を合わせて書きたいと思った。円山公園の枝垂ざくらはもう咲いただろうか、上賀茂神社の蛍はどうだろうなどと、いつも慣れ親しんできた京都の風物のことを思っているからである。日記を書くとき、慌ただしく過ぎ行く日常に「今日の京都」を重ね合わせた。そうすることで、自分の原点を確かめていたように思う。 (ふらんす堂)
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櫂未知子『カムイ』
¥3,080
--- 第57回俳人協会賞受賞! 第10回小野市詩歌文学賞受賞! ◆第三句集 一瞬にしてみな遺品雲の峰 前の句集を出してから、思いのほか長い月日が過ぎた。途中、母の死をきっかけに句稿を何とかまとめたが、その二週間後に東日本大震災が起きてしまった。今思えば、あの震災は自分の作品を再び見つめ直すための厳しい機会だったのかも知れない。 ◆収録作品より 南風吹くカレーライスに海と陸 さまよへる湖に似てビヤホール 簡単な体・簡単服の中 帰心とは水引草にかがむこと いちじくの火口を覗く夜なりけり 風呂敷は布に還りて一葉忌 海流のぶつかる匂ひ帰り花 病棟は海鳴りのなか神の留守 しばれると皆言ひ交す夜空かな 大空に根を張るつららだと思へ (ふらんす堂)
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竹井紫乙『菫橋』
¥1,650
--- 時実新子に川柳を学び、関西で活躍する川柳作家の第3句集。家族のあり方や、愛とか憎しみとか人間の生きる根っこを探究しながら、独自のユーモアとペーソスのある川柳世界を展開する。 川柳作品と、川柳作家、柳本々々との対話「ぼれろ」の2部構成。現代川柳とは? 定型のこと、東日本大震災と川柳など、スリリングな対話を収録。 ■収録作品より 幸福か日陰の探せない町で ぼったくり移動遊園地 行きたし 財産のひとつに優しそうな顔 大安を少し焦がすといい香り コンビニの棚に酷薄女子並ぶ 白線の内側鳩と待つ電車 【著者プロフィール】 竹井紫乙(たけい・しおと) 1970年大阪生まれ。1997年より川柳を始める。 終刊まで『月刊川柳大学』会員。 現在、びわこ番傘川柳会『川柳びわこ』会員。 第1句集『ひよこ』2005年、編集工房 円 第2句集『白百合亭日常』2015年、あざみエージェント (港の人)
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宇多喜代子『この世佳し―桂信子の百句』
¥1,540
--- ◆梅林を額明るく過ぎゆけり 昭和十三年、大阪の大手前高等女学校(現在の大手前高校)を卒業したころ、『昭和文学全集』(改造社)の「俳句篇」を読んでいて、古めかしい俳句の多い中、日野草城と山口誓子の句に目が止まった。たまたま阪急百貨店の絵画展に出かけた際に、同百貨店の一階ロビーの書籍売場に出ていた俳誌「旗艦」を手にとり、そこでかねてより俳号といささかの俳句を知っていた草城の作品を目にする。あきらかにそれまで読んできた俳句とはちがうということに惹かれ、当時の草城がどういう経緯をもっていた俳人であるのか、「旗艦」がどういう俳誌であったのか詳細も知らず、昭和十三年の暮にこれに投句を始める。 掲句は「旗艦」48号に初入選した句である。〈額明るく〉に若い女性の気持ちの明るさがうかがえる。 (昭和十四年) (ふらんす堂)
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鴇田智哉『凧と円柱』
¥2,200
--- ◆第6回田中裕明賞を受賞しました! ◆待望の第二句集! 心は、以前にも以後にもうつる。それは感情に限らず、見える、聞こえる、匂うといった感覚に関しても。ときに心は、未来の出来事を先に見ることでさえ、ある。─今のこの出来事は、いつか遠い昔にも見えていたし、これからずっと先にも、また新たに聞こえ続けるだろう─ この句集はいわば、心の編年体による。 (あとがきより) 風船になつてゐる間も目をつむり 人参を並べておけば分かるなり まなうらが赤くて鳥の巣の見ゆる こほろぎの声と写真にをさまりぬ 上着きてゐても木の葉のあふれ出す 南から骨のひらいた傘が来る ひあたりの枯れて車をあやつる手 うすぐらいバスは鯨を食べにゆく (ふらんす堂)
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片山由美子『香雨』
¥2,970
--- 第52回俳人協会賞を受賞しました! ◆第五句集 聞きとめしことまなざしに初音かな 言葉にはならないけはいのようなものを言葉によってただよわせる、それが私にとっての俳句の妙味だ。 ◆自選十句より 断崖をもつて果てたる花野かな 足跡のその先にひと春渚 かりがねや水底見せて水急ぎ 花の色とはうすべにか薄墨か 書斎へと子規忌の客を通しけり 雨の日の午後しづかなる桜餅 滴りを跳ね返したる水面かな 初雪や積木を三つ積めば家 ここはもう花野といへぬ花の数 日傘たたむ日傘に視線感じつつ (ふらんす堂)
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黒澤麻生子『金魚玉』
¥2,640
--- 第41回俳人協会新人賞受賞! ◆第一句集 竹馬に乗りて日なたに出でてみよ 麻生子さんの一筋の句作の道は確かに光りつつ未来へ続いている。 (序より・鍵和田秞子) ◆自選十二句より 茸匂ふ家に花札散らばりぬ 共犯のごと夜食して父娘 身を投げるならば十薬咲く渓に 枯野に立つ初めて海を見しごとく 鎖骨出して歩くか雪の六本木 風を読むラガーの耳の尖りけり 竹馬に乗りて日なたに出でてみよ 鳥の巣を形見と思ふ朝かな 秋風や家族のやうな鍋捨てて 金魚玉むかしのことは生き生きと (ふらんす堂)
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連句誌『みしみし』
¥1,000
連句誌、『みしみし』2号! 意外と、やったことの無い人も多い連句。どんどん展開していくので、またイメージや読みの幅が広がります。展開、言葉の意味の解説、ルール解説も付いています!連衆の作品もあり、幅広い一冊! ーーー 連句誌 みしみし 4号も入荷しています! 歌仙と、評釈もがっつりなのですが、連衆の作品、顔ぶれも豪華です。 三島ゆかりさんの、浅沼璞『塗中録』を読む。連句の骨子(すごく楽しみ方まで分かりやすい)も必見です! ーーー みしみし5号!連衆作品。そして何と言っても『俳壇』に連載された「ロボットが俳句を詠む」がどっしりです。ランダムに俳句を生成するロボの開発を介して2年間の連載。季語、動詞、隠喩、言い回し、態度など、奥深くまで解体、分析されていきます。 ーーー 連句誌 みしみし 6号です。 連句3作品。実況の記録もあり、捌きの鮮やかさや過程も興味深いです。新形式、獅子吼。連句の豊かさと自由を感じます。 また、三島ゆかりさんによる 宮本佳世乃『三〇一号室』を読む その前の第一句集 宮本佳世乃『鳥飛ぶ仕組み』を読む も併せて収録されています。 ーーー 連句誌「みしみし」第9号! 長文は岡田一実大特集! ・参加連衆:青山酔鳴、西原天気、七風姿、岡本遊凪、山本掌、月犬、 鈴木健司、西生ゆかり、斉藤秀雄、なかやまなな、今朝、なかはられいこ、 沢茱萸。 小津夜景(連句の参加のみで個人作品はなし) ・長文: 岡田一実『光聴』を読む(三島ゆかり) 岡田一実『記憶における沼とその他の在処』を読む(三島ゆかり) ーーー 連句誌「みしみし」第10号! 岡田由季・角川俳句賞受賞記念の「広げたるの巻」など 歌仙三巻を掲載。 参加連衆(敬称略) 西脇祥貴、西川火尖、佐藤りえ、堀本 吟、小笠原黒兎、なかやまなな、 山本 掌、冬泉、青山酔鳴、鮭児、月野ぽぽな、大室ゆらぎ、宮本佳世乃、 羽田野 令、太田うさぎ、石川聡、岡田由季 ※石川さんと岡田さんは連句のみの参加で個人作品はなし。 長文 三島ゆかり「永遠の転校生──岡田由季『犬の眉』を読む──」 連句とともに、俳句、短歌、川柳、歌曲にわたる幅広い連衆による個人 作品が充実しています。 ーーー 連句誌「みしみし」第11号! 参加連衆(敬称略) 抹茶金魚、近恵、藤原龍一郎、堀本吟、天宮風牙(連句のみ)、小林苑を、佐藤りえ、 山本掌、沖らくだ、田中槐、岡村知昭、八上桐子、青山酔鳴、亀山鯖男、大室ゆらぎ、 鴇田智哉 長文は三島ゆかりによる「太田うさぎ『また明日』を読む」を掲載。
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佐藤文香『俳句を遊べ!』
¥1,540
--- 若き俊英俳人が俳句を一から指南! 小学館のムック・シリーズ「コ・ト・バ・を・ア・ソ・ベ!」。このシリーズは、「遊びとしてのコトバ」の楽しみ方を、さまざまな角度から紹介するユニークな試み。その第一弾が、若き俊英俳人・佐藤文香が編集する『俳句を遊べ!』です。若い俳人のオピニオンリーダーとして、またサブカル系文学者・文化人たちとの俳句を通じた交流でも知られる佐藤文香(1985年生まれ)が、俳句の楽しさ、おもしろさをレクチャーします。生徒になるのは、モデル、イラストレーターとして活躍しつつ、エキセントリックなキャラでカルトな人気を誇る水野しずと、気鋭のアニメーション作家、ひらのりょうの二人。20代の二人が、数歳年上の「佐藤先生」に俳句を一から学び、人気俳人の池田澄子、作家の長嶋有をゲストに迎えた吟行句会でガチンコ対決! さらには一般参加者たちとの公開イベントで本気の勝負! そして又吉直樹(芸人・作家)と佐藤文香の対談では、「又吉流・俳句の楽しみ方」をじっくりと語ります。 コミックエッセイ仕立てのページで俳句のウンチクを伝え、水野・ひらののイラストや写真も満載の楽しい俳句入門です。 (出版社紹介文より)
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三枝昂之『夏は来ぬ』
¥1,980
--- ながらく品切れになっていた三枝昂之さんの著書『夏は来ぬ』が文庫版となって再登場しました。 静岡新聞に三年半にわたって連載された、詩歌の鑑賞です。古典からレミオロメンの歌詞まで、季節に合った詞が取り上げられています。 ※青磁社Twitterより引用 (出版社︰青磁社)
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山岸由佳『丈夫な紙』
¥1,980
--- 現代俳句新人賞作家による待望の初句集。2015年から2022年までの284句を収載。石寒太(「炎環」主宰)による挟み込み栞文。 汗引いてゆき百年のシャンデリア 人影のダリアの揺れてゐる故郷 石を生む体の睡り泉湧く 小鳥来るまひるを眠らないやうに ほほゑめば十一月の木の模様 鮫の歯のうつろ花びらほどひかり 舟は花つめたい顔の揺れながら 卵買ふゆふぐれ蝶に追ひつかむ 【著者プロフィール】 山岸由佳 1977年長野県生まれ。「炎環」同人、「豆の木」参加。2015年、第33回現代俳句新人賞受賞。
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俳句雑誌 翻車魚(まんぼう)Vol.3〜vol.6
¥500
佐藤文香・関悦史・高山れおなによる俳句雑誌「翻車魚(まんばう)」。 バックナンバーも取り揃えております! ーーー ツートーンカラーになった、翻車魚6号・手長猿号! ・細村星一郎×白野×奥村俊哉によるリアルタイム共作「朧の猿」 ・ウェイジア・パンの詩「十六の景」(佐藤文香翻訳) ・高山れおなによる『尾崎紅葉の百句』補遺 ・佐藤文香・関悦史・高山れおなの俳句 と、今号も読みどころばかりです! ーーー 俳句雑誌 翻車魚(まんぼう)5号! 【巻頭エッセイ】 箱入り猫と箱入り男と 佐々木幸喜 【招待作品】 luminol 森本孝徳 【コメンタリー】 自註俳諧曾我 高山れおな 【俳句】 重力波 関悦史 月の普遍 佐藤文香 「セキエツを味わうための十一の皿」による題詠 高山れおな 【エッセイ】 秋晴なのでどこかへ行きたい 関悦史 【詩】 少年君 佐藤文香 【編集後記・プロフィール】 ーーー 俳句雑誌 翻車魚vol.4 は、象です! ざう という響きにワクワクします。 巻頭エッセイ 飯島雄太郎さん「母が象になった」 柿本多映さんの連作「象」 関悦史さんによる、柿本多映さんの近作鑑賞 佐藤文香さんの詩「薩摩の象」 など。関悦史さんと佐藤文香さんのはいくも 「富士」「金星」とスケールが大きくて、雑誌全体が、象を鑑賞しているよう。のっしりしてて、愛嬌があって、迫力があります! ーーー まんぼうvol.3 ふくろふ号! かわいい。特集、関悦史。小津夜景さんが100句選び、11に分けて解説!圧巻です。佐藤智子さんの作品「梟が」。複雑系科学者の俳人・山岸純平さんのエッセイもあり。読み応えのある一冊です。
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九重 3号
¥500
佐藤りえさんの個人誌『九重』3号! 俳人・小津夜景さんがゲスト。最新句集『花と夜盗』の制作の裏側を記しています。 ぜひ、句集とともに読んでいただきたい! 『花と夜盗』 https://gatangoton.base.shop/items/69371746 佐藤りえさんの短歌120余首も収録!じっくりと味わえます。 --- ゲスト執筆者:小津夜景(敬称略) コンテンツ: 『花と夜盗』をめぐる12章/小津夜景 誌上歌集『森の中』/佐藤りえ セルフライナーノート/Peter & Ninja 刊行されたばかりの新刊句集『花と夜盗』について、作者・小津夜景さんに書き下ろしていただきました。句集制作のドキュメントとしてだけでなく、レイアウト、連作についてなど、その詩学が垣間見える文章となっています。小津夜景研究を目論む方には特にオススメです。 発行人の誌上歌集は、第一歌集『フラジャイル』以降の2004年から2021年までの未発表歌を含む120余首を掲載。セルフライナーノートを付記しています。 B6判 90ページ 2022年12月発行
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小句集『良い闇や』
¥500
佐藤りえさんの小句集シリーズ!第三弾にして完結の『良い闇や』。 幻想文学の名作「夢十夜」などへのオマージュを含む幻想怪奇俳句50句と巻末エッセイ「白くて丸いものの話」を収録しています。 さらに、オマケとして「怪談牡丹灯籠双六」(紙色はアソート)が付きます。 双六の仕上がりに唸ります!
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小池正博『海亀のテント』
¥1,980
--- 海亀のテントめざして来てください アンソロジー『はじめまして現代川柳』編者、 『水牛の余波』『転校生は蟻まみれ』に続く6年ぶりの川柳句集。 【収録句より】 褒められたときには顔を取り換える 握っても握り返さぬニュータイプ どうしても緑に染まる鳩と蛇 アバターの睫毛が動く月曜日 蜘蛛降りて少女の肩に網を張る 廃園にひとさじ運ぶ離乳食 攻めることにする左手にマングース 猫の耳つけて構えるスナイパー 初心にも特殊メイクをしておこう 【著者プロフィール】 小池正博(こいけ・まさひろ) 1954年、大阪府生まれ。1997年「現代川柳点鐘の会」に入会、墨作二郎に師事。「バックストローク」「川柳カード」同人を経て「川柳スパイラル」編集発行人。句集『水牛の余波』『転校生は蟻まみれ』、評論集『蕩尽の文芸 川柳と連句』、編著『はじめまして現代川柳』。
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砂時計 第4号
¥1,000
--- 北海道の高校文芸出身のメンバーが参加した同人誌『砂時計』の第4号。 【特集】「姿を変える詩歌 メディアミックスの可能性」 └インタビュー・対談「詩から映画へ──映画『片袖の魚』の試み」 └レビュー 詩×映画 ・ 短歌×映画 └メディアミックスの試行 小説→詩 ・ 詩→小説
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『大人も読みたい こども歳時記』
¥1,760
--- 〈 編集者からのおすすめ情報 〉 日本初の本格的子どものカラー歳時記です。日本初ということは、世界初、いえいえ宇宙初(!)です。タイトルの「大人も読みたい」は、ただのうたい文句ではなく、大人にもぜひ読んでいただきたい、読み応えある本格的な内容となっています。 〈 書籍の内容 〉(※一部抜粋) 本書は、子どもの興味をひき、また生活に密着した季語を370余りとりあげ、全ての季語にわかりやすくて本格的な解説をつけ、子どもの秀句と大人の句をとりあげ、美しいカラー写真とともに楽しめる内容となっています。 監修は、「朝日俳壇選者」読売新聞俳句コラムの執筆者であり、読売文学賞はじめ数々の賞に輝く、俳句界のトップランナー長谷川櫂氏。また、ぜひ覚えてほしい古今の名句を、新聞雑誌などで活躍の俳人により解説したコラムも読み応えがあります。 初心者にもわかりやすい、「俳句の作り方のポイント」や「句会のやり方」などのコラムも実践的ですぐに役に立ちます。
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小津夜景『花と夜盗』(特典ポストカード付き)
¥2,090
北海道出身、フランス在住。漢詩の翻訳と軽やかなエッセイを綴った『カモメの日の読書』も人気の小津夜景さん。 『フラワーズ・カンフー』から6年ぶり、待望の第2句集です! 特典のポストカード付きです。 きつねしかゐないのふしぎ天の川 風魔来てひとふさ秋を編み上ぐる 水仙を奏でる風の双子めく 龍天にのぼれと集ふ空き巣の徒 月を呑む花の廃墟を照らすため ウイットがあり、柔らかで、どこか儚くも想像力を刺激し続ける俳句に心が踊ります。 幕間として、幅広い古典を連句、短歌、俳句などの翻訳。訓読みの長い三文字俳句、武玉川調(七・七音) の俳句や都々逸など、圧倒的な見識と感性で軽やかに遊ぶさまは心地よいほど。「たわむれに書き散らしたことば」とするには、あまりにも壮大で厚みのある句集。 小津さんの脚でしか辿り着けない、言葉の深い世界を垣間見ることができます。 Paul-Louis Couchoud他によるフランス語 最古の句集 « Au fil de l'eau (1905) より Dans un monde de rêve, Sur un bateau de passage, Rencontre d'un instant. 夢の世を渡る舟にてちよつと逢ふ --- 英娘鏖 はなさいてみのらぬむすめみなごろし 現世(うつしよ)のカオスにひそむ言葉の華麗な万華鏡(ミクロコスモス) ────谷川俊太郎 『いつかたこぶねになる日』などエッセイでも活躍する俳人・小津夜景。 田中裕明賞を受賞した『フラワーズ・カンフー』に続く6年ぶりの第二句集。 【収録句より】 漣が笑ふいそぎんちやくの朝 蟬生(あ)れて死んで愛してゐた時間 莨火(たばこび)を消して裸足の身を焦がす 香水のちがふ白河夜船かな パピルスや死後千年の音階図 君の瞳(め)を泳ぐおらんだししがしら かささぎのこぼす涙をおつまみに 露実るメガロポリスよ胸も髪も 逃げ去りし夜ほど匂ふ水はなく 後朝のキリマンジャロの深さかな 【著者プロフィール】 小津夜景(おづ・やけい) 1973年北海道生まれ。2013年「出アバラヤ記」で第2回攝津幸彦賞準賞、2017年句集『フラワーズ・カンフー』で第8回田中裕明賞を受賞。その他、著作に漢詩翻訳つきの随筆集『カモメの日の読書』『いつかたこぶねになる日』、ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者・須藤岳史との共著『なしのたわむれ 古典と古楽をめぐる手紙』などがある。
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『ハロー風景』
¥1,760
--- うるおっている風景・みつけました ページをめくるたび、軽やかに風景が浮かぶ、新しい詩集。 京都、左京区、銀水湯の入り方を記述した、ダイアグラムのポスター付。
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浅沼璞『塗中録』
¥1,650
--- 俳句と散文のつらなりを追い、ふと顔を上げれば、見知らぬ場所にたどり着いている。 連句人(レンキスト)にして西鶴研究者・ 浅沼璞による初句集。 それでもまだ、希望が、俳句が、わいてくるのだから、不思議だ。 〈とり返しのつかないかたち〉を句集にする手だって残っている。 ──本文より さみだれといふ部首さがす最上川 脇息に開く春雨物語 ゆつくりと空みせてゐる障子かな 俺は津までお前も津まで花筏 これからの氷菓のことを話しあふ 【著者プロフィール】 浅沼璞 (アサヌマ・ハク) 一九五七年 東京都生まれ 一九八七年 「横浜戸塚駅」俳句会、参加 一九九一年 俳諧誌「水分」同人参加。眞鍋呉夫に師事 一九九五年 連句形式「オン座六句」を創案 一九九七年 連句誌「れぎおん」同人参加(十八号~終刊号) 二〇一三年 俳誌「群青」同人参加(創刊号~二十四号) 二〇一六年 日本詩歌句協会評論大賞受賞 二〇一八年 俳誌「無心」創刊、代表 著書 『可能性としての連句』『中層連句宣言』『「超」連句入門』『西鶴という方法』『西鶴という鬼才』『西鶴という俳人』『俳句・連句REMI
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北大路翼『生き抜くための俳句塾』
¥1,760
--- 新宿歌舞伎町一家「屍派」の家元としてメディア出演多数の俳人・北大路翼初の俳句入門書。 会社に行きたくない、好きな人に振られた、SNSで誰もいいねを押してくれない……どんな負の感情も、575のリズムに乗せれば世界を変えられる。 技術を身につけるより先に必要なのは、己の感動を取り戻すこと。 北大路翼がこれまで実践してきた俳句との向き合い方を、遺書のつもりで書き上げた渾身の一冊。 人生に迷うすべての人たちに送る、前代未聞の俳句生き方バイブル決定版!
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『はいくないきもの』皆川明/絵 谷川俊太郎/文
¥1,650
--- ふしぎな姿かたちのいきものと俳句調のことばによって描かれる唯一無二のアート絵本 においをかぎたい、空を飛びたい、歌をうたいたい……そう強く願ううちに、ちょっと変わった姿かたちになった12の「いきもの」たち。 「おしめしべ まだのんなりむ かふっふん」と、意味がないようであるような、ふしぎなことばは、五七五の俳句調になっています。
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北大路翼『天使の涎』
¥1,528
--- 夜々新宿歌舞伎町に出没し 酒を喰らい、女を愛し、友と語り、嘔吐する アンチモラルの日々に追い求める文学、ことば 吐いて、吐いて、吐く! 五...七...五 おのがどろどろの生と性を定型に閉じ込め その先の開放を希求して吐きつづけた俳句 その数 2000 人に非ざる人 俳人 北大路翼が 究極の短詩定型...... 俳句の真髄を示す 2016田中裕明賞受賞! 【著者プロフィール】 北大路 翼 1978年5月14日、横浜市生れ。 小学5年頃種田山頭火を知り、 自由律俳句をマネたモノを作り始める。 反抗期に俳句がぴったりと同調。高校在学時、 今井聖に出会い俳句誌「街」創刊と同時に入会。 童貞喪失を経て詩誌「ERECTION」に参加。 「週刊漫画」などで成人漫画の原作執筆。 二十代半ば、会田誠、加藤好弘(ゼロ次元)らに出会い、 俳人としてパフォーマンスに参加。 (出版社:邑書林)
書肆侃侃房「新鋭短歌シリーズ」一挙アップ!