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長田弘『世界は一冊の本』
¥880
--- 詩人・長田弘がのこした祈りと鎮魂の傑作詩集。 「人生という本を、人は胸に抱いている。」――没後10年。詩人・長田弘がのこした祈りと鎮魂の傑作詩集、待望の文庫化。 本を読もう。もっともっと本を読もう。世界という名の一冊の本を。「書かれた文字だけが本ではない。日の光り、星の瞬き、鳥の声、川の音だって、本なのだ」本を読みながら、私たちはあまりに多くの人と、言葉と、景色と出会い、別れていく。友の魂へ、母の魂へ、あるいは遠く離れた異国の魂へ。詩人がのこした祈りのための、そして人生を読み解くための傑作詩集。 解説 岡崎武志 (筑摩書房)
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水無田気流『FULL L』
¥2,420
--- 待望の第三詩集 うみわり草をつみにゆくのです おもちかえりの水圧 かかえて うみゆき道のはて にわかまち すいろ電車をめざしてゆきます そろそろ神離れが必要です 詩において人間の生が更新される。そのとき生じるものを抒情と呼ぶことは可能だろうか。私は可能だと考える。 (蜂飼耳「振動という基底に降りる」2022/6「現代詩手帖』より」 【著者プロフィール】 水無田気流(みなした・きりう) 1970 年、神奈川県生まれ。2003 年、第41 回現代詩手帖賞受賞。 2006 年、第1詩集『音速平和』(2005 年、思潮社)で第11 回中原中也賞受賞。 2008 年、第2詩集『Z境』(2008 年、思潮社)で第49 回晩翠賞受賞。 (書肆侃侃房/2025年刊)
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北川透『プリズンブレイク 脱獄』
¥2,970
--- 北川透はじめての「詩と写真」による最新詩集刊行! 詩人・北川透の詩はますます研ぎ澄まされ 装幀家・毛利一枝の写真が浮遊する…… それでよい それがよい やがて 漂う雲の切れ目から 陽が出れば 自然に 消えていく 絶えていく 死の沈黙で溢れる 今日の始まり 【著者プロフィール】 北川透( きたがわ・とおる) 山口県下関市在住。代表的な詩集に『遥かなる雨季』『溶ける、目覚まし時計』『海の古文書』『傳奇集』その他、評論など多数。 【写真】 毛利一枝( もうり・かずえ) 装幀家。『阿部謹也著作集』(筑摩書房)、『私の日本地図・全15巻』宮本常一(未來社)、『みんな忘れた』野見山暁治(平凡社)、『溶ける、目覚まし時計』北川透(思潮社) 他多数。『この世ランドの眺め』(『ぶらぶら歩いてこの世ランド』)その他多岐にわたる。村田喜代子エッセイと写真で連載。 (書肆侃侃房/2025年刊)
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池田彩乃『音楽になりたい』
¥1,500
著者、初の口語定型詩の詩集。 --- <収録作品より> 反射する人は光を生きていく 火を守る仕草で話すファンタジー 隣り合う花に生まれてまた会おう 水っぽいふたりの苗字で飼う魚 たましいに雪を見せてる観光客 26の題で編まれた 394篇の口語定型詩を収録。 青森に移住した一年目の秋から、 大雪の冬を経て、春の入り口までをうたいました。 (言祝出版)
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池田彩乃『観光記 2』
¥1,800
--- 回復と変容 あなたと今ここで 一緒に生きる方法 使い果たせば底を尽きるものばかりなのに 愛だけは尽きなかったな。 自分のものじゃないからか。 コロナ禍、前歯が抜けた日、リハビリ、書店員の日々、共同生活、 ひとりについて、ふたりについて。 「手当て元年」と称したある日々の回復と変容について。 2020年に刊行した『観光記』の第二章。 死んじゃいけないとも、生きるべきだとも考えない私たちだけど、ふいにこうして互いの命に手を添えるようにここにいる。どうしてなのか、そう問うことも問われることもない。ひとりとひとりで生きたり、死ななかったりしている。そうした日々が繋がってゆく愛おしさを、やっぱりうまく話せそうにないから、生きて、書き残して、忘れて、また読む。 「ふたり(ひとりとひとり)」より (言祝出版)
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『崩壊系列3』
¥1,000
--- 柳人5名・歌人5名・詩人5名によるZINEの第二号。 【川柳】 榊陽子 「蝶を踏む」 ようなの 「function 1 movable operation」 ようなの 「function movable 1 operation」 ようなの 「function movable operation 1」 抹茶金魚 「他選二十六句」 嘔吐彗星 「アウトオブシャウト」 黒川排除 「なご」 【短歌】 中野霞 「ヒルズ」 甲斐 「食う土地、食われる土地」 穴根蛇にひき 「とても淡い頭部」 温 「いいことは」 卒業 「はつてふの」 【詩】 小笠原鳥類 「真実」 故永しほる 「ザッピング(抄)」 蜂士雪乎 「い間、雨男 .Line」 北上郷夏 「光学的死児(ホムンクルス)」 白鳥央堂 「黒歌鳥たち」 /全79頁 (崩壊系列)
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【サイン入り】『放課後によむ詩集』
¥1,980
編者、小池昌代さんのサイン入り。 小池さんの書き下ろし詩が掲載されたフリーペーパーも同封します。 --- 仲間から離れ、一人になった時間に、ゆっくりと向きあえる、31の詩を選びました。それぞれの詩の後に付された小池昌代さんの言葉は、読者に寄りそい、詩の世界に風を通します。すべての人の「放課後」に贈るアンソロジー。 ■ 古今東西から31 の詩を精選して掲載 ■ 読みを広げ、助ける、詩人によるコメント ■ 巻末「詩人紹介&ブックガイド」が充実 (理論社)
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『詩誌 フラジャイル』
¥600
詩誌 フラジャイル 17号(2023年4月発行号) ○小笠原鳥類 「カラスがすごい。他の鳥も」 ○佐川亜紀 「女たちの言葉は水路」 ○ソマイア・ラミシュ 「(昨夜、通りで誰かが神を売りに出した)」(訳:木暮純 校訂:岡和田晃) ○ソマイア・ラミシュ 「日本の詩人たちに連帯への謝意を表します。」(日本語訳 岡和田晃) ○吉成秀男 「MY先生への手紙」 同人作品、他 ーーー 詩誌 フラジャイル 18号(2023年9月発行号) ゲスト 福田拓也 二条千河 クノタカヒロ 吉成秀夫 ソマイア・ラミシュ ・錯綜のゆたかさ ——井上春生『眩暈 VERTIGO』について 阿部嘉昭 ・高﨑現代詩の会「現代詩ゼミ」の為の前書 Advertisement for Myself 2023 細田傳造 ーーー 詩誌 フラジャイル 19号(2023年12月発行号) ゲスト 大木潤子 故永しほる 吉成秀夫 ソマイア・ラミシュ ・Farkhunda Shuraの詩 (あの事件の怒りと血のせいで私は心が塞ぐ) 中村菜穂訳 ・世界のどの地域も夜 It is night in every region of the world 『NO JAIL CAN CONFINE YOUR POEM 詩の檻はない 〜アフガニスタンにおける検閲と芸術の弾圧に対する詩的抗議』発行記念 2023年8月24日 まちなかぶんか小屋 ーーー 詩誌 フラジャイル 20号 記念号(2024年春発行号) ゲスト 小島きみ子 中村郁恵 津川エリコ 若宮明彦 ・「人生とは一つのメタファーである!——村上春樹『海辺のカフカ』への眼差し」中村菜穂 ・特別講演「安部公房 ―仮(化)の文学」鎌田東二 ・「詩人・善盛さんの時代 現実の異端を書いた詩人の消息」柴田望 ーーー 詩誌 フラジャイル 21号(2024年9月発行号) <特集>阿部嘉昭詩集『てのひらのつづき』出版記念 《書評》奥間埜乃 柿沼徹 故永しほる <別解集> 〜故永しほる詩集『壁、窓、鏡』刊行&受賞記念イベント「補遺、あるいは別解」〜 故永しほる 阿部嘉昭 吉田慎司 <ゲスト> 森耕 椿美砂子 津川エリコ 中村郁恵 江川彩 okiraku ソマイア・ラミシュ ーーー 詩誌 フラジャイル 22号(2024年12月発行号) ■ゲスト 西原真奈美 橘しのぶ しまちち ■ 特集・ソマイア・ラミシュ詩集 (私の血管を貫きめぐる、地政学という狂気) 《書評》 佐川亜紀 大田美和 ■ 生誕100年・安部公房と旭川 ~現実を破壊するための仮説と実験の空間 柴田望
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砂時計 第6号
¥1,000
--- 北海道の高校文芸出身のメンバーが参加した同人誌『砂時計』の第6号。 【特集】食と創作 【祝 北海道新聞文学賞(詩部門)受賞】 受賞作を読む 故永しほる『壁、窓、鏡』 ゲスト:柴田 望 【装画】河合春香
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朝伊ミチル『あさいはじまり』
¥880
札幌で小説や詩などの創作・発表を続ける、 朝伊ミチルの第一詩集。
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阿部嘉昭『てのひらのつづき』
¥1,100
詩誌「フラジャイル」別冊 阿部嘉昭『てのひらのつづき』 東京出身。札幌在住の詩人・阿部嘉昭の新詩集。
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詩と短編小説『黎明通信 [RAE-MAE SIGNALS]』川野芽生 高田怜央
¥1,650
--- 海辺を散歩する小説家と、海辺に思いを馳せる詩人。 川野芽生と高田怜央が織りなす「海」の感触。 小説家・川野芽生と詩人・高田怜央が「海」をモチーフに書き下ろした詩と短編小説のコレクション。本作では、川野による初の連作詩、高田による初の短編小説も収録。さらに幻のコラボレーション作品「竜胆に就いて/On Rindoh」を巻末に掲載。本体冊子、蛇腹状の小冊子、短歌二首を印字した蔵書票の3点セット豪華仕様(造本・デザイン:霧とリボン)。
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『空き箱』著:福永星 写真:高田祐里
¥1,870
--- 旅のあいまや、眠る前、何もしたくない時にも...... 心地よい「からっぽ」の時間に、そっと近くにいてくれる詩と写真。 ずっと昔から大事にしまっておいた宝箱のような、そんな詩集ができました。 開けるまで、そこには何も入っていない。 何をしまって、どこに置いたかも覚えていない。 大切なものを箱にしまっては忘れていくように、 いつか通りすぎたかもしれない景色を そっと訪れてみてください。 ーー「まえがき」より 【著者プロフィール】 福永星 (フクナガ・セイ) 1981 年、神奈川県生まれ。編集者である両親の影響で、幼少より多くの本に囲まれて育つ。特に多かったのは絵本で、現在のキャリアに少なからず影響を与える。プランナー/アートディレクターとして、主にブランディングやPR を手がけながら、写真家との共創による作品制作を続ける。2023年、高田祐里との共著『あなたがそこからみる今日は』(左右社)を刊行。 高田祐里 (タカダ・ユリ) 1987 年、長崎県生まれ。多摩美術大学卒。広告制作会社を経て、2022 年に独立。コマーシャルフォトグラファーとして広告写真の撮影に携わる傍ら、ライフワークでは人と暮らしに視点を置いた作品を制作。現代の風景を主軸に、時の流れや物の在り処を感情表現として写し出す作品づくりを行っている。 (左右社)
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『おやすみ神たち』詩:谷川俊太郎 写真:川島小鳥
¥2,750
--- この世での故郷の先に あの世での故郷があるのではないか タマシヒはたぶんそれを知っている (収録詩「故郷」より) 〈タマシヒ〉とは何か。その先には何があるのか。 目に見えない〈タマシヒ〉を描いた 新作書き下ろし詩27篇、 撮りおろし写真102点を収録。 (ナナロク社)
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向坂くじら『犬ではないと言われた犬』
¥1,760
--- 初小説『いなくなくならなくならないで』が、第171回芥川賞候補作品に。 今もっとも注目を集める詩人の、「言葉」をめぐるエッセイ集。 【目次】 くちぶえ、ソロで 犬ではないと言われた犬 とありますが、どんなこころですか 矮小な手のひら しゃべれない ひとりで学ぶことについて ほら、フレディ ドアノブのないドア ひとの子に お前とポエムやるの息苦しいよ 微調整、微調整 雲のかよひ路 事象がわたしを 湯船に浸かる かわいくはないよそもの 後ろ歩き ミケ あとがき 【著者略歴】 向坂くじら(さきさか・くじら) 詩人。1994年名古屋生まれ。「国語教室ことぱ舎」(埼玉県桶川市)代表。Gt.クマガイユウヤとのユニット「Anti-Trench」朗読担当。著書に詩集『とても小さな理解のための』、エッセイ集『夫婦間における愛の適温』、小説『いなくなくならなくならないで』ほか共著など。慶應義塾大学文学部卒。 (百万年書房)
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向坂くじら『夫婦間における愛の適温』
¥1,870
SOLD OUT
--- まずもって、あの夫というやつは臆病すぎる。合理的であるということを隠れ蓑に、ただ予期せぬものの訪れを怖がっているだけ。なんだい、なんだい、びびりやがって。くされチキンがよ。だいたい、すべて計画通りの毎日なんてつまらないじゃないか。(中略)そのくされチキンがある日、なんの前触れもなく急須を一式買って帰ってきた。(本文より) 暮らしより大切なものがある人間は、いかにして暮らせばよいのだろうか? 暮らしレーベル、第4弾。 デビュー詩集『とても小さな理解のための』が5刷。 現在最もメディアから注目を集める詩人・向坂くじら、初の散文集。 【著者略歴】 向坂くじら(さきさか・くじら) 詩人、国語教室ことぱ舎代表。Gt.クマガイユウヤとのユニット「Anti-Trench」で朗読を担当。デビュー詩集『とても小さな理解のための』(しろねこ社)のヒットで、新聞・テレビなどのメディアから。一九九四年生まれ、埼玉県在住。 (百万年書房)
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『崩壊系列2』
¥900
SOLD OUT
--- 柳人4名・歌人4名・詩人4名によるZINEの第二号。 <収録作品> 【川柳】 林やは 「二アリー」 ササキリユウイチ 「汝が署名せんことを」 ササキリユウイチ 「設問」 嘔吐彗星 「floccinaucinihilipilification」 嘔吐彗星 「第卅果汁感」 嘔吐彗星 「【TL;DR】」 嘔吐彗星 「国土地理院の示す抽象的な生息」 黒川排除 「婚座」 【短歌】 吉田隼人 「カスのテトリス」 佐倉誰 「春風お断り」 玉野勇希 「CANDY」 上篠翔 「Z軸定点観測」 【詩】 小縞山いう 「訃報」 蜂士雪乎 「半島に立って浸かる」 故永しほる 「生霊の歩き方」 北上郷夏 「タイトル/タイトル(タイトル)」
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『左川ちか詩集』(文庫)
¥792
--- 左川ちか(1911-36)は昭和初期のモダニズムを駆け抜けた女性詩人。日本近代詩の隠された奇蹟とされた。「緑」「植物」「太陽」「海」から喚起する奔放自在なイメージ、「生」「性」「死」をめぐる意識は、清新で全く独自の詩として結実した。爽快な言葉のキーセンテンスは、読む者を捉えて離さない。初の文庫化。 (岩波書店)
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東 直子『朝、空が見えます』
¥1,870
歌人・東直子の初めての"詩集"。 365日の朝の空を綴ります。 --- 歌人・東直子さんの初めての「詩集」をナナロク社から刊行いたします。 1日1行、365日の朝の空を綴った詩に、横山雄さんの線画が彩る一冊です。 「東京の冬は晴れた日が多いんだな、と、東京に来たばかりのころ思って、それは何度も思って、そして今日も思いました。晴れています。」(本文より) 【本書について(あとがきより)】 2017年1月1日から12月31日まで、Twitter(現在はX)に毎朝、「おはようございます」から始まる一文を投稿し、その日の空の様子を言葉で伝えていました。(中略)太陽をひとまわりしながら眺めた早朝の空です。 【著者プロフィール】 東直子(ひがし・なおこ) 歌人、作家。第7回歌壇賞、第31回坪田譲治文学賞(『いとの森の家』)を受賞。歌集に『春原さんのリコーダー』『青卵』、小説に『とりつくしま』『ひとっこひとり』、エッセイ集に『一緒に生きる』『レモン石鹼泡立てる』、歌書に『短歌の時間』『現代短歌版百人一首』、絵本に『わたしのマントはぼうしつき』(絵・町田尚子)などがある。「東京新聞」などの選歌欄担当。近刊にくどうれいんとの共著『水歌通信』がある。鳥好き。 (ナナロク社)
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森田直『乾かない』
¥900
--- 雑誌「ユリイカ」投稿欄に掲載された作品を中心に、14篇を収録しました。 装丁:モノ・ホーミー 〇詩人・松下育男さん (詩「部屋干し」に寄せて) この詩は、題名にあるように、部屋干しの詩です。 部屋干しの洗濯物が乾かない、というそれだけの詩です。 それだけの詩だから、それ以上のものをたくさん含んでしまうのです。 (中略)愛すべき詩です。 https://note.com/brainy_pansy893/n/nce87a3fdbefe 〇詩人・和合亮一さん(ユリイカ2020年5月号、選評) (詩「背中」に寄せて) 裸の背中にある不思議な模様が登場人物の人生そのものを象徴している。 それを人々が見せ合っているかのような奇妙な設定が成功している。 平明な日常の静けさの描写の中にふと魔界が隠れていることをうかがわせる。 この書き手にしかない彫刻刀が見えた。(後略) 〇詩人・水無田気流さん(ユリイカ2018年6月号、選評) (詩「通勤」に寄せて) どことなくユーモラスで、そして通勤風景の暴力性が淡々と描かれている作品です。 日常繰り返すルーティンは、個としての固有性をはぎ取り、 こんな風に「短冊」をべったりと個人に貼り付けるのかもしれません。 ふと、故石田徹也の一連の作品を想起させられました。
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笹野真『手のひらたちの蜂起/法規』(いぬのせなか座叢書6)
¥2,300
--- きっとしかしその通りなのだろう 歩んだ先から足跡を否定する音 手のひらたちの蜂起 / 法規 当然の帰結としてではなく 影あのように立ちあがって 空を削って燃やす 底を打って浮かび上がってくるの波浪 振り返ると法が現れる ――――――――――― いぬのせなか座叢書第6弾。一切のプロフィールを明かしておらず作品の発表歴も無い、まったく無名の新人による第一詩集。 収録されている詩には一切タイトルがなく、縦書きと横書きが混在し、視覚詩や短歌連作のような特殊なレイアウトのページもある。一行ごとに同語反復めく貧しい論理を形作りながら、それでいて読み進めると、特異な身体感覚も喚起されていく。 高度に抽象的な記述があったかと思えば、一方で動物たちや言葉遊びをめぐる記述も連なる。そうして生まれる奇妙な事物同士の写し合い、にこやかな抒情は、詩歌の読者や作り手はもちろんのこと、ダンスや演劇、美術などに関わるひとにも強く響くだろう。 詩篇の並び順は、いぬのせなか座第1期メンバーで詩人の鈴木一平と主宰の山本浩貴が編集・構成。デザインは、同じくいぬのせなか座の山本浩貴とhが担当。叢書第3弾『光と私語』と同様のプラスチックカバーで、しかしこの詩集ならではの仕掛けがいくつも施されている。 (いぬのせなか座)
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茨木のりこ『言の葉さやげ』(文庫)
¥858
--- 『倚りかからず』の詩人・茨木のり子の代表的エッセイ集の文庫化。ことばや詩に対するみずみずしい感受性が光る。「はてなマーク」「推敲の成果」「内省」の貴重な3本を新たに増補。
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砂時計 第5号
¥1,000
--- 北海道の高校文芸出身のメンバーが参加した同人誌『砂時計』の第5号。 【特集】「創作と表象」 ゲスト:安里琉太・石原ユキオ・逢坂みずき・関口竜平 【受賞作を読む】 ゲスト批評:千葉優作 「感性の問題」(抄)
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山崎佳代子『ドナウ 小さな水の旅 ベオグラード発』
¥2,860
北山あさひ『ヒューマン・ライツ』刊行記念選書フェア「心に火を灯す13冊」 セルビア在住の詩人による、人と歴史をめぐる旅の記録。いくたびもの戦争で傷を負った土地に、著者の静謐な言葉が沁み入ってゆくよう。大きな祈りを感じる一冊です。 (北山あさひ・コメント) --- 堀江敏幸氏、奈倉有里氏推薦! ベオグラード在住の詩人・山崎佳代子が、ドナウ河の支流から、はるかな歴史の旅へと誘う傑作エッセイ。 (左右社)
書肆侃侃房「新鋭短歌シリーズ」一挙アップ!