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山口一郎『ことば: 僕自身の訓練のためのノート』
¥2,420
--- サカナクションのメジャーデビュー前、自分自身のための訓練として書き綴られた詩のような短い言葉の断片たち。 「山口さんは言葉の波止場なのだと思う。やって来る言葉を受け止め、去っていく言葉を見送る。読み終えたあなたの中にはもう一冊の新しい本があり、あなた自身に読まれるのを待っていることに気づくでしょう。」——友部正人 【著者プロフィール】 山口一郎(やまぐち・いちろう) 1980年生まれ。北海道小樽市出身。2005年にサカナクション結成。2007年にアルバム「GO TO THE FUTURE」でメジャーデビュー。ほとんど全ての楽曲の作詞作曲を手がける。つねに時代の先端を歩む姿勢で、さまざまなシーンに大きな影響を与え続けている。 (青土社)
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文月悠光『わたしたちの猫』
¥1,540
--- 文月悠光の待望の第3詩集は、 わたしたちの恋の物語。 人の心には一匹の猫がいて、 そのもらい手を絶えず探している。 自分で自分を飼いならすのは ひどく難しいから、 だれもが尻尾を丸め、 人のふりして暮らしている。 (「わたしたちの猫」より) 18歳で中原中也賞を受賞し、以降、活躍の場を広げ続ける詩人・文月悠光。 初エッセイ『洗礼ダイアリー』も話題の詩人が、詩の舞台で放つのは、恋にまつわる26編の物語。 あの嵐のような日々はなんだったのか……。そんなつかみどころのない恋という現象がわたしはどこか苦手でした。(中略)けれど恋愛が苦手だからこそ、なぜ人を好きになるのか、なぜ別れはやってくるのか、その不思議を言葉で解きほぐしたい欲求にかられるのです。 ―あとがきより 【著者プロフィール】 文月悠光(ふづき・ゆみ) 1991年北海道生まれ。詩人。中学時代から雑誌に詩を投稿し始め、16歳で現代詩手帖賞を受賞。高校3年時に出版した第1詩集『適切な世界の適切ならざる私』(思潮社)で中原中也賞、丸山豊記念現代詩賞を最年少の18歳で受賞。早稲田大学教育学部在学中に第2詩集『屋根よりも深々と』(思潮社)を刊行。2016年、初のエッセイ集『洗礼ダイアリー』(ポプラ社)を刊行。NHK全国学校音楽コンクール課題曲の作詞、詩の朗読、書評の執筆など広く活動している。 (ナナロク社)
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『詩、ってなに?』
¥1,540
--- 現代詩は怖くない! 詩の魅力をあなたに。 言葉で楽しく遊ぶムック「コ・ト・バ・を・ア・ソ・ベ!」の第二弾は、日本を代表する詩人の一人、平田俊子が編集する詩へのいざないです。平田俊子が、二人の若い女性クリエーター(俳優の赤松由美とミュージシャンの小田朋美)に詩を一からレッスン。二人が書いてきた詩をとことんディスカッションして添削し、詩のおもしろさを納得ゆくまで追究します。 谷川俊太郎(詩人)と穂村弘(歌人)という豪華メンバーをゲストに迎えての「連詩セッション」、詩に造詣の深い俳優佐野史郎と平田俊子の詩をめぐる対談、そして政治家・企業人・主婦・芸術家・学生など、日本のさまざまな人々が書いた50編余りの詩を公開する「今、日本人の詩、ってなに?」などの内容で、「詩の魅力」を多角的に伝えます。堅苦しくて難解なもの、という現代詩の通念をくつがえし、詩の楽しさをビビッドに伝える一冊です。 (出版社紹介文より)
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【サイン本】三角みづ紀『週末のアルペジオ』
¥1,650
三角みづ紀さんの第九詩集『週末のアルペジオ』。 傘をひらいて 六月を避ける ひとつひとつの音が 名前を 呼んでいる 湿った手紙を撫でて なにごともなかったと 生活が営んでいる 六月「くちなし」ーより 身近で、生活に近いモチーフや営みが描かかれていますが、読み進めるごとに感性が一気に花開いて、暮らしているいつもの世界が鮮やかになる心地がします。朝日、公園、リビングに響く足音。あらゆる所に詩があるのだと気づかされました。 2年に渡り連載された詩が、呼応する二人の人物の視点で「五月」から時系列に収められています。近頃は、旅をしながら旅先で詩を書いていた三角さんですが、コロナ禍で遠出はされなくなったそう。その分、近い視点で描かれる数々が、じわりと身にしみます。 巻末の、谷川俊太郎さんとの対談も圧巻! 更に、心や身体を自由にしてくれるような大らかさと鋭い視点。更に解き放たれるような気持ちになりました。 (よ) --- 中原中也賞・萩原朔太郎賞詩人 待望の第九詩集! 寄る辺なき時代を言葉で照らす 三角みづ紀の第九詩集『週末のアルペジオ』は、『Web新小説』で2年間連載された24篇の詩を収録しています。「ぼく」「わたし」の視点を交互に織りなし、「きみ」「あなた」の日々を、失ってしまった記憶が蘇るように描きだします。「午後三時」や「午前四時」をはじめ、呼応するふたつの物語は、ひとつの曲を奏でているようでもあり、その繊細な感情が見事に詩となっています。すべて一人の目線で描かれるため、短い物語としても読め、しばらく詩から離れていたという方にも、親しみやすい一冊です。本文:112ページ/詩24編+写真13点+特別対談(谷川俊太郎)+あとがき
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『ここに素敵なものがある』
¥2,200
--- かなしくてさびしくて優しい人に。 詩のささやきが放つ色気にすっかりやられてしまった。不幸せな者、それでいてどうしようもなく優しい者だけが持つ、強烈な色気。ささやきでしか、本当のことは語れないのかもしれない。(向坂くじら・詩人) 『西瓜糖の日々』が文庫化されたのが2003年。大学1年生だった私はブローティガンに大いに影響を受け、物語るように歌詞を書くようになった。狂気を語る穏やかな声は、きっと今も遠くまで響くことだろう。(高城晶平・cero) リチャード・ブローティガン(『アメリカの鱒釣り』『西瓜糖の日々』)、新訳詩集。
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三枝昂之『夏は来ぬ』
¥1,980
--- ながらく品切れになっていた三枝昂之さんの著書『夏は来ぬ』が文庫版となって再登場しました。 静岡新聞に三年半にわたって連載された、詩歌の鑑賞です。古典からレミオロメンの歌詞まで、季節に合った詞が取り上げられています。 ※青磁社Twitterより引用 (出版社︰青磁社)
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『美しい人生』
¥3,080
--- 野村喜和夫 著 現代詩の最先端をリードする詩人が古希を迎え、新境地をひらいた53篇の最新詩集。いま存在していることの不思議さを感じるままに言葉の刺繡として美しく縫い込み、人生をうたう。 多数の詩集を上梓されている著者は、これまで経験していない造本をと希望され、フランス装を採用した。装画は津上みゆき氏の「View-24seasons」より「No. 17」、二十四節気をテーマとするシリーズの「寒露」に基づいて描かれた作品である。 装幀 間奈美子(アトリエ空中線) ■本書より いかに生きるべきか という問い から離れれば離れるほど人生は美しい 蟋蟀ほどにもヒトは 全身で宇宙の寂しさをうたう ことができない それでも山をじっと見つめていると 山は山自身を脱いでゆく x(いかに生きるべきか——)より ■著者 野村喜和夫(のむら・きわお) 1951年埼玉県生まれ。早稲田大学卒。詩集に『難解な自転車』(藤村記念歴程賞)、『薄明のサウダージ』(現代詩人賞)、『妖精DIZZY』、評論に『移動と律動と眩暈と』(鮎川信夫賞)、『萩原朔太郎』(鮎川信夫賞)、『証言と叙情 詩人吉原吉郎』など多数。 (出版社︰港の人)
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茨木のり子『一本の茎の上に』
¥660
詩人・茨城のり子のエッセイ集。 さっぱりとした文体。様々な作家について綴った文章も多く収録されています。 --- 鴎外の文章に沈着・冷静・簡潔と香気を感じ「すぐれた散文とはこういうものか」と感動した著者が後年綴った散文には、まさに香気がただよっている。日本人のよってきたる源、遙か古代に想いをはせた表題作をはじめ、敬愛する山之口貘、吉野弘、山本安英、木下順二等について綴った選りすぐりのエッセイ集。
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公開文通『百年の散歩 01この星にあってほしいものについて』池田彩乃・中村菜月
¥1,800
そういうのって誰にでも開かれているこの世界に散りばめられていることというか。こういう時間で世界を編んでいけたら壊れないで済む心もあるだろうなとか、思うのです。 (公開文通「百年の散歩」四通目より) 詩人・池田彩乃さんと美術家・中村菜月さんが、2021年10月から11月までnoteにて連載していた公開文通を書籍化。 「この星にあってほしいもの」について交わした9通の手紙と、菜月さんによる5000字超の書き下ろし「綿雲と鉄アレイ/世界でいちばんやわらかな革命の始め方」が収録されています。 人との対話って、自分をほぐして、またかためていくことなのかもなあって、おふたりの文通を読んで思いました。最初と同じ所に還るとしても、ほぐすことでちょっと暖まる感じ。文通っていいですね。(A)
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安達茉莉子『世界に放りこまれた』
¥1,430
--- 言葉と絵による作品発表を続けている作家・文筆家の安達茉莉子が言葉だけで綴った初めての詩集。 — 「歩きながら、電車の中で、道端で、湧き上がる言葉を拾い上げた。何もかもが変わっていくような予感だけがあったが、現実的にはまだその前夜といったところで、身動きが取れないまま予感を感じ続けるような、もどかしい時間を過ごしていた。新しい世界はすぐそこにあり、放りこまれてみたい。とことん無防備になってみたい、というじりじりした気持ちは、そのまま言葉に転写されていった。」 著者の安達茉莉子が率直さを大事に、無防備に、剥き身になって、紡いだ詩17篇を収録しています。 人の目を気にせず、自分の暗い部分も含めて、勇気を持って自分を開いてみると、新しい世界が広がる。 安達茉莉子の言葉は、そんな自由な地平に読者を連れていってくれると思います。 9篇の詩は、本屋twililightでの朗読会で読まれた詩です。だからでしょうか、書かれた言葉であると同時に、本人に語りかけられている声のようにも感じます。 声の震えを感じたとき、ひとりでいても、震えが伝わる同じ世界にいるということ。 そんなあたたかで勇気をもらえるこの詩集を開き、世界に放りこまれてみてください。
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砂時計 第4号
¥1,000
--- 北海道の高校文芸出身のメンバーが参加した同人誌『砂時計』の第4号。 【特集】「姿を変える詩歌 メディアミックスの可能性」 └インタビュー・対談「詩から映画へ──映画『片袖の魚』の試み」 └レビュー 詩×映画 ・ 短歌×映画 └メディアミックスの試行 小説→詩 ・ 詩→小説
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斉藤倫『ポエトリー・ドッグス』
¥1,760
--- 「このバーでは、詩を、お出ししているのです」 今夜も、いぬのマスターのおまかせで。詩人・斉藤倫がおくる、詩といまを生きる本。 『ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集』につづく、31篇の詩をめぐるストーリー。 「詩っていうのは、おもい出させようと、してくれてるのかもね。このじぶんだけが、じぶんじゃなかったかもしれないことを。このせかいだけが、せかいじゃなかったかもしれないことを」 T・S・エリオット 吉岡 実 ガートルード・スタイン アメリカ・インディアンの口承詩 萩原朔太郎 ボードレール 杉本真維子 宮沢賢治 石原吉郎 ウォレス・スティーヴンズ 石牟礼道子 アルチュール・ランボー ……ほか全31篇の詩をめぐる物語
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千種創一『イギ』
¥1,980
『砂丘律』、『千夜曳獏』で話題の千種創一さんの、第一詩集。 客人を待ちながら詩集を読んでゐたら レストランの店員から祈祷室へ通されさうになった 何かの聖典に見えたらしい 確かに全ての詩集には祈りが詰まつてゐるとも言へるけど 客人が遅れるのはいつものことで 窓に目を遣れば向かひに旧い削肉包屋がある 「削肉包屋(シュワルマ)」より 中東の荒涼とした土地を描写しながらも、旧仮名遣いのじっくりとした語り口に、心の奥深くまで誘い込まれます。倦怠感や殺伐とした感もあり、ときに妙な親しみもある魅惑の詩集。新聞記事やレシピなどを模したページもあり実感や神話の入り混じったような、圧倒的な世界。 袋になったページや、装丁も素晴らしいです! 青磁社ーHPより 『砂丘律』、『千夜曳獏』と存在の根源的な孤独に向き合いながら短歌を詠み継いできた千種創一が放つ初の詩集。 短歌を素地とした確かな修辞力で現代詩に新たなページを刻む一冊。 中東の難民、テロ、そしてジェンダーなど現代社会が抱える諸問題に真っ向から取り組んだ意欲作。 2021年現代詩「ユリイカの新人」受賞。
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アンソロジー詩集『ジャイアントフィールド・ジャイアントブック』
¥1,100
SOLD OUT
--- 詩集『ジャイアントフィールド』から派生した言葉を使い、60篇の詩を収録したアンソロジー。執筆者は大学生から谷川俊太郎まで! 天地無用のビビッドな装丁で、無重力の空間に誘います。 執筆者:赤羽なつみ、阿部嘉昭、新井豊美、飯田保文、一方井亜稀、伊武トーマ、今橋愛、今唯ケンタロウ、 海埜今日子、及川俊哉、小笠原鳥類、小川三郎、柏木麻里、粕谷栄市、蒲生啓介、川口晴美、岸田将幸、 木下奏、久谷雉、倉田比羽子、倉橋健一、小峰慎也、斉藤恵子、佐次田哲、佐藤勇介、清水あすか、 生野毅、白鳥央堂、瀬尾育生、添田馨、高村而葉、竹内敏喜、橘上、田中宏輔、田中庸介、谷川俊太郎、 塚越祐佳、手塚敦史、田原、中右史子、永澤康太、野村喜和夫、支倉隆子、広田修、藤富保男、正津勉、 松本秀文、水島英己、三角みづ紀、峯澤典子、望月遊馬、森悠紀、森川雅美、八木幹夫、八木忠英、 八潮れん、ヤリタミサコ 、吉原洋一、渡辺めぐみ、渡辺玄英 2009年12月6日発行 編集 河野聡子 装丁 ままごと喫茶・門倉未来 &ティルマン 印刷 レトロ印刷JAM A4判角丸加工 2色刷り孔版印刷、ミシン糸綴じ、40p
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『詩誌 権力の犬 第7号 戦争篇』
¥500
--- 詩誌「権力の犬」は、中原中也賞詩人久谷雉を発起犬として集まった犬たちが、2013年頃から断続的に作成し、撒いている詩誌です。これまでの号はフリーペーパーとして刊行され、日本の各所で適当に配布されました。 7号の「戦争篇」は冊子形態となり、有料での販売です。 監修=久谷雉 企画編集=亜久津歩 序文=久谷雉 作品=小峰慎也、オカザキなを、横山黒鍵、能美政通、橘上 、亜久津歩、山田亮太(掲載順) 巻末には企画意図や発行までの経緯等も含めた「編集会議議事録」を収録。 モノクロ全28頁
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鈴木一平『灰と家』(いぬのせなか座叢書1)
¥2,000
SOLD OUT
--- [いぬのせなか座叢書第1弾] 散文と韻文、日記と俳句、音と語——互いがまったくの異種でありながら、自らに残されていなかったはずのポテンシャルを形成しあう、環境=レイアウトの制作。 繰り返される試行錯誤の見開きが、事物や生物、死後の私による制作の持続を担う、新たな言語を探索する。 いぬのせなか座のメンバーとして活動し、『ユリイカ』『花椿』『HAPAX』『現代詩手帖』『三田文学』等各誌に作品・論考を寄稿している鈴木一平の、第一詩集。 ★第6回エルスール財団新人賞<現代詩部門>受賞 ★第35回現代詩花椿賞最終候補 そのほか、『現代詩手帖』『東京新聞』等にて紹介 発行日:2016年11月23日 判型:182mm×182mm 124ページ 装釘・本文レイアウト:鈴木一平+山本浩貴+h
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いぬのせなか座『てつき1』
¥500
「いぬのせなか座」 言語表現を基軸に置き、絵画、映画、踊り、写真、デザインなどをそこへ流し込むことで、私が私であること、あるいは私の死後に向けた教育の可能性を、なるべく日常的に考えつづけていくために立ちあげられた集団です。 メンバー:山本浩貴+h/鈴木一平/なまけ/笠井康平 --- [メンバーによる作品で構成される刊行物『てつき』創刊号] 2018年10月27日に開催された「仙台ポエトリーフェス2018」での朗読原稿、ならびに同年8月25日に行われた『彫刻1―空白の時代、戦時の彫刻/この国の彫刻のはじまりへ』(トポフィル) 刊行記念トークイベントをきっかけに高村光太郎の戦争協力詩をめぐって制作された鈴木一平の新作「高村光太郎日記」をはじめ、詩・小説など最新10作品を掲載。 [目次(特に記載のないものはタイトルなし)] p. 2 笠井康平 pp. 3-10 鈴木一平「高村光太郎日記」 pp. 11-14 山本浩貴「首のわきにたつ着がえ」「つぶれ擬き」「なま砂くずれ」「さかさ覗きこむかさね力の硬」 p. 15 h pp. 16-17 文:h 絵:山本浩貴 pp. 18-19 鈴木一平 pp. 20-24 なまけ「水夫たち」 発行日:2018年11月25日 判型:A4(210mm×297mm) 24ページ デザイン・編集:山本浩貴+h
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『のほほん手帖2023』
¥1,980
詩人・西尾勝彦さんのアイデアから誕生した『のほほん手帖』の2023年版です。 今年も三色展開。テーマは『風』です。 ※ご希望のお色が売り切れの場合、お取り寄せもできますのでお問い合わせ下さい。 スケジュール帳としてもお使いいただけますが、日々のあれこれを記録して溜めていくのも素敵ですね。 七月堂さんのnoteにて、詳しく紹介されています。 https://note.com/shichigatsudo/n/n19ed2b71e072
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唐作桂子『出会う日』
¥1,980
--- ゆるやかく、転換してゆく日常風景。折々につづられた作品を編む第三詩集。 (収録作品より) 青猫はうなる (その眉間ときたら) 眉をひそめる の反対語をもとめて、 最終バスは行ってしまった それともまだ来ていないのか 市民には知るすべがなく じじつじょうひじょうじたい うなじに湿気がまとわりつく ふおんなかんじ 前線とか中央とかは 観念なのであり、 ね このにおい このにおい このこのにおい このね このにおい おいてけぼりだ 電話に出るのは とおいあかるい場所 何かのコピーが必要と言われた 墓地のあいだにわたしたちは かろうじて住んでいる 気流がかわると 空白が散乱しはじめ、 硬直した 青猫はうなる 剝製の目をみひらき むおんでうなる 【著者プロフィール】 唐作桂子(カラサク・ケイコ) 詩人。 詩集に『断食の月』、『川音にまぎれて』(ともに書肆山田)がある。 (出版社:左右社)
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谷川俊太郎『バウムクーヘン』
¥1,430
何歳になっても出会える、谷川さんの詩。 全てひらがなで書いてあるので小さなお子さまでも読めますし、ディック・ブルーナの装画が鮮やかなつやつやの装丁は、洗練されたお部屋の一室に飾っておいても遜色ない佇まい。 いつ、どこで、あなたはこの詩集と出会いますか。 --- 谷川俊太郎の詩集。 著者の自選による、初収録のひらがな詩46篇を収録。 装画は、「ミッフィ―」のディック・ブルーナ氏による鮮やかな花の絵です。 かなで書いているので、子どもの詩集と思われるかもしれませんが、これは私の中に今もひそんでいる子どもの言葉をかりて、老人の私が書いた大人の詩集です。 ヒトが木の年輪(バウムクーヘン! )のように精神年齢を重ねていくものだとしたら、現在の自分の魂の中にゼロ歳から今に至る自分がいてもおかしくありません。 ハハ、チチ、バアバ、ジイジなどが登場しますが、特定の家族ではなく、架空の家族の架空の場面をイメージして書いています。 谷川俊太郎/本書あとがきより 装丁:名久井直子 判型:四六変形判 上製112ページ 発刊:2018年9月 (出版社︰ナナロク社)
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谷川俊太郎・岡野大嗣・木下龍也『今日は誰にも愛されたかった』
¥1,320
--- 国民的詩人と注目の歌人2人による「連詩」と、師弟のようなクラスメートのような3人の「お話」を収録しました。今まであまり詩集や歌集を手にしたことのない方にも楽しんで読んでいただける一冊です。 【本書について】 この本は詩と短歌による連詩と、詩人と歌人のお話を記録した一冊です。「連詩」は、春のマンションの一室から始まる36篇を4か月かけて共作。「お話」は、その36篇ひとつひとつを本人たちがどのような心境で書いたかを語りあういわば創作の「感想戦」。読みあいと読み違い、お互いへの評などなど、感情と技術、笑いとスリルが交わります。 【連詩とは】 詩人同士が、詩を順々に読みあいひとつの作品を合作する創作の形式です。今回は、詩人と歌人が紡ぐ、詩と短歌による「連詩」。歌人側は2人が交代しながら受け、具体的には、次の順で行いました。 岡野大嗣(歌人)→谷川俊太郎(詩人)→木下龍也(歌人)→谷川俊太郎 →岡野大嗣 →谷川俊太郎 →木下龍也 →谷川俊太郎 →岡野大嗣……と、これを36番目までつづけ、ひとつの連詩としての作品をつくります。 (出版社:ナナロク社)
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長田弘『すべてきみに宛てた手紙』(文庫)
¥792
SOLD OUT
--- 人生は、「やめたこと」「やめざるをえなかったこと」「わすれてしまったこと」で出来ている。そうして結局、己のなかにのこったものは?今の自分にのこったものから、あらゆることがはじまるのならば―。この本のページを開いた読者=「きみ」へと詩人はまっすぐ語りだす。贈られるのは39通の「手紙」たち。体温を帯びた言葉のすべてに胸が震える、珠玉のエッセイ集。 【著者プロフィール】 長田 弘(オサダ ヒロシ) 1939年、福島県福島市生まれ。早稲田大学第一文学部独文専修卒業。詩人。65年、詩集『われら新鮮な旅人』でデビュー。98年『記憶のつくり方』で桑原武夫学芸賞、2009年『幸いなるかな本を読む人』で詩歌文学館賞、10年『世界はうつくしいと』で三好達治賞、14年『奇跡―ミラクル』で毎日芸術賞をそれぞれ受賞。また、詩のみならずエッセイ、評論、翻訳、児童文学等の分野においても幅広く活躍し、1982年、エッセイ集『私の二十世紀書店』で毎日出版文化賞、2000年『森の絵本』で講談社出版文化賞を受賞。15年5月3日、逝去。 (出版元:筑摩書房)
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詩:まど・みちお/絵:渡邉 良重『うたをうたうとき』
¥2,420
--- 世界はこんなにも美しい 国民的な詩人であるまど・みちおさんのだれの心にも響く詩と、独自の世界観で活躍を続けるデザイナー、渡邉良重さんの絵が生み出す珠玉のコラボレーション。宇宙的な視点を持つまどさんの世界観を再発見し、ことばから広がるアートの力を五感でたのしめる、喜びに溢れた一冊です。 ◆推薦文 「詩と絵がつくる特別な窓」 ある場所の白い壁に、詩と絵がある。それは言葉と絵なんだけど、まるで窓があるみたいだ。その窓からは、遠いところや、いま、ここ、自分のことや、あたりまえのことがどんなにかけがえがないかということが見える。ある小児病棟の壁に、そんな窓がかかっている。まど・みちおという詩人と、渡邉良重というアーティストが創った〈特別の窓ホスピタルアート〉。この本に並んでいるのは、その窓たちだ。 ー松田素子(編集者)
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茨木のり子『詩のこころを読む』
¥990
詩人・茨木のり子さんが、自身の“たからもの”である様々な名詩を、愛情たっぷりに紹介しています。 代表作である「自分の感受性くらい」などの詩から、“強い女性”というイメージが大きかった茨木さんですが、本書の文章はとてもあたたかく包容力があり、詩や詩人に対する敬愛の念が伝わってきます。著者の印象が変わるとともに、ますます大好きになってしまいました。 1979年に刊行されてから何度も版を重ね、約半世紀にも渡って読み継がれている名著です。 --- いい詩とは,ひとの心を解き放つ力をそなえているばかりか,生きとし生けるものへのいとおしみの感情をも誘いだしてくれます.詩人である著者が,その心を豊かにしてきた詩の宝箱の中から忘れがたい詩の数々を選びだし,情熱をこめて語ります.ことばの花々にふれてみなさんは,きっと詩の魅力にとらえられるでしょう. 【著者プロフィール】 茨木のり子(いばらぎ のりこ) 1926-2006年.1946年東邦大学薬学部卒業.敗戦後の新しい息吹きにつき動かされ,1950年頃から詩作をはじめる.詩誌『詩学』に投稿し,同誌新人特集号に掲載.1953年川崎洋氏と2人で,同人詩誌『櫂』を発刊.詩集『対話』『見えない配達夫』『鎮魂歌』『人名詩集』『自分の感受性くらい』,エッセイ集『言の葉さやげ』,詩人の伝記『うたの心に生きた人々』などがある.
書肆侃侃房「新鋭短歌シリーズ」一挙アップ!