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【サイン入り】野口あや子『くびすじの欠片』
¥1,320
短歌研究文庫より、待望の復刊! 短歌研究新人賞を17歳で受賞した、野口あや子の第1歌集。 15歳から20歳までの311首を収録。 --- 「歌の道に進むのならば、野口あや子は避けて通れない」 (小佐野彈・解説より) 待望の文庫化。 時代が短歌に追いついた。 【歌集より】 互いしか知らぬジョークで笑い合う二人に部屋を貸してください くびすじをすきといわれたその日からくびすじはそらしかたをおぼえる セロファンの鞄にピストルだけ入れて美しき夜の旅に出ましょう 窓際にあかいタチアオイ見えていてそこしか触れないなんてよわむし うるわしく人を憎んだ罰として痒みともなう湿疹が生(あ)る 「 読み進めるほど、読者もまた孤独になってゆく。 『ああ、わたしと同じだ』とか『俺も同じだった』といったたぐいの安易な共感を、 この歌集は拒むのだ。」 ──── 小佐野彈(歌人・小説家) 雪舟えま『たんぽるぽる』、平井弘作品集に続く、名作歌集の復刻シリーズ第4弾。 第49回短歌研究新人賞を17歳で受賞。受賞作品「カシスドロップ」所収の第1歌集。 15歳から20歳までの作品311首を収録。 (短歌研究社)
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【サイン本予約】岡本真帆『あかるい花束』
¥1,870
SOLD OUT
【サイン本の予約ページです】 予約購入の〆切は3月7日(木)中です。 発送は3月21日以降を予定しています。 春の訪れを思わせる装丁。 表題作の「あかるい花束」は、東京から高知に移ると決め、引越しまでを詠んだ30連作。 二拠点生活の中で生まれた歌は、これから新生活を始める人にも寄り添ってくれそうです。 --- 8刷累計2万部を突破した『水上バス浅草行き』から2年、 待望の第2歌集を刊行いたします。 2拠点生活の中で詠まれた歌266首と、 装丁の鈴木千佳子さんによる花の絵を束ねました。 【著者より】 歌集を出したあと、私は東京と高知での生活をはじめた。 二つの場所を行き来する中で、考えたことや思い出したことが、短歌になりました。 岡本真帆 【収録歌より7首】 わたしもう、夏の合図を待っている 冬至の長い夜からずっと ただしくよりたのしく歩く 光ってる水が見たくて すこし小走り 本当に正しかったかわからない決断たちよ おいで、雪解け 乱丁のある文庫本抱きしめる 愛すよたったひとつの傷を あなたと過ごした日々は小さな旅だった 空っぽの花器の美しいこと スパイスは火花に似てるわたしからわたしへ送る強い喝采 しゅくふくとはじける泡が光ってる 祝福 きみにはじめましてを 【著者プロフィール】 岡本真帆(おかもと・まほ) 1989年生まれ。高知県、四万十川のほとりで育つ。未来短歌会「陸から海へ」出身。 2022年に第一歌集『水上バス浅草行き』(ナナロク社)を刊行。 (ナナロク社)
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【サイン入り】岡本雄矢『センチメンタルに効くクスリ トホホは短歌で成仏させるの』
¥1,760
『全員がサラダバーに行ってる時に全部のカバン見てる役割』の岡本雄矢が放つ、 不幸短歌&エッセイ第二弾! 日常に溢れるトホホな出来事をクスリと笑いに変えてくれます。 --- 今日も世界の片隅で、ひとり膝を抱える僕とあなたのために。 不幸に愛された、トホホ名人……歌人芸人が身を切って綴る、“せつなさとおかしみ”、“短歌とエッセイ”のマリアージュ。 恋でも、仕事でも、その辺にいるときも。あのときも、今も、どうせ明日も。 傷づいたり落ち込んだり。顔では笑っているけど、心は砂漠。 僕の日々は小さな不幸の連続です。トホホな出来事がよく起きて、センチメンタルに殺されそうな日々です。 でも、不幸があると短歌ができます。その短歌を読んで誰かがクスリと笑ってくれます。そうすると僕の小さな不幸は成仏されるのです。 短歌があればトホホも友達です。もしあなたに今、憂鬱なことがあるのなら、僕と一緒にトホホを小さな笑に変えてみませんか。 【収録短歌の一部】 すすきのを3周したのにあのホスト僕の原付にまだ座ってる 注意するほどじゃないけどないんだけど新人さん少し休憩長い 帰ろうと言い出す前の沈黙を作りたいのにずっと喋るね 自転車で豪快にこけてやっぱりか この夏初の半ズボンの日 ワンテンポ隣の席が早いのでコース料理次々とネタバレ 節約のために水筒持ち歩き パチンコでむちゃくちゃ負けている もうこれで最後だの感じ出したのに3日後に会う機会があった 短歌とか少しも興味のない君に届かせたくて詠んでる短歌 …ほか、トホホ短歌に、トホホエピソードを添えて。 (幻冬舎)
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【サイン入り】工藤吉生『沼の夢』
¥1,980
--- この歌集には、奇跡の時間が乱暴に折り畳まれている。ゲキツウ。 ――渡辺祐真/スケザネ(書評家) 第一歌集『世界で一番すばらしい俺』で衝撃的なデビューを果たした著者、待望の第二歌集。唯一無二のユーモアをたずさえて、過去と現在、そして夢の中の「オレ」をめぐる322首。 〈収録短歌より〉 十一月四日にリリー・フランキー、NOKKO、名倉潤、オレが生まれた 捨て場所を探して歩くビニールのゴミを握ればオレの温度だ ウインカーつけて曲がってゆく車 しずかな夜を眠れずにいる 子供にはちょうど良さげな枝だなあ 構えてもよしつついてもグー あたたかくなってくるのはありがたい母がなにかをゴシゴシしてる なぜならば面倒くさいことを避けラクをしようとしてたからです 工藤にも生きる権利があるという噓みたいだがほんとの話 カーテンに隙間があって景色には足りず表情にはまだ遠い 引き抜いた白髪まとめて捨てるとき羽根を捨ててるみたいだったな スーツ着たままデタラメに歩いたらオレしかいない草原に雲 【著者プロフィール】 工藤吉生 (クドウ・ヨシオ) 一九七九年十一月四日、千葉県生まれ。二〇一一年『ドラえもん短歌』(小学館)で短歌に興味を持ち、インターネットを中心に短歌を発表し始める。二〇一八年「この人を追う」(三〇首)が第六一回短歌研究新人賞受賞。二〇二〇年『世界で一番すばらしい俺』を短歌研究社より刊行。のちに短編映画化(主演・剛力彩芽、監督・山森正志)。 (左右社)
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植松法子『かたじけなくも』
¥2,860
--- 第5回筑紫歌壇賞を受賞した「水甕」選者の著者が紡ぐ待望の第2歌集。 (本阿弥書店)
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伊勢方信歌集『ピアフは歌ふ』
¥2,970
--- バラ色の人生はたれも知らぬゆゑ 声おさへ歌ふエディット・ピアフは (本阿弥書店)
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村田弘子『岡の上の家』
¥2,970
--- 塔21世紀叢書 村田弘子歌集 『岡の上の家』 (本阿弥書店)
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渡辺松男『時間の神の蝸牛』
¥2,860
--- 火となれと歯をみがくなれ火とならば孤独を知らんかの雪豹の 渡辺松男の歌はますます自由に 心のままに羽搏く なんて刺激的な!! 前作『牧野植物園』で第七十三回芸術選奨文部科学大臣賞を受賞した著者の第十一歌集。 【収録歌より】 米櫃へわれの眼玉のおちにけりここが火口でなくてよかつた 俺の眼が螢となつて飛んでゐる祭りの夜の水のゆめかな 白鷺が野辺にふりまくあの白さ尽きざる白さたつた一羽の 花とはちがふ白い狂気がうすくあるそめゐよしのと空とのあはひ わが吐きしすべての声を溜めてゐる鏡がひらく西日のなかに 【著者プロフィール】 渡辺松男(わたなべ・まつお) 1955年群馬県生まれ。歌集に『寒気氾濫』(現代歌人協会賞)、『蝶』(迢空賞)、『牧野植物園』(芸術選奨文部科学大臣賞)等。句集に『隕石』。「歌林の会」会員。 (書肆侃侃房)
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【サイン本】伊藤紺『気がする朝』
¥1,870
『肌に流れる透明な気持ち』『満ちる腕』に続く、伊藤紺の待望の第3歌集。 −−− 掲載歌は102首。 その半分以上がまだどこにも出ていないあたらしい歌です。 2023年はわたしにとって、 もっとも短歌と向き合う年になりました。 歌のひとつひとつに今までなかった発光を感じ、 これが、自分の光なんだと気付きました。 この本を書けたこと、一生誇りに思う。 わたしの最高傑作です。 伊藤 紺 【収録歌より7首】 夏が来る たまに忘れそうになる わたしがすごくやさしいことを 駅まではいつもぴったり8分であなたに会わなくなってから2年 この人じゃないけどべつにどの人でもないような気がしている朝だ さみしくはないけど一人暮らしのこんなにも小さな燃えるゴミ 海を見た日は胸に海が残ること ふつうに人を信じてること その曲が始まるとみんな喜ぶというよりすこし美しくなる 僕らいっせいに喜び合って生きものは愚かなほうがきれいと思う 装丁:脇田あすか 【著者プロフィール】 伊藤紺(いとう・こん) 1993年生まれ。歌人。2019年『肌に流れる透明な気持ち』、20年『満ちる腕』を私家版で刊行する。22年両作を短歌研究社より新装版として同時刊行。23年脇田あすか、穂村弘、坂巻弓華との展示「ことばとえの4人」(OFS GALLERY)ほか、NEWoMan新宿ショッピングエリアでのコラボ特別展示「気づく」など。 (ナナロク社)
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睦月都『Dance with the invisibles』
¥2,750
北山あさひ『ヒューマン・ライツ』刊行記念選書フェア「心に火を灯す13冊」 言葉と言葉が有機的に結びついて一首に生命が宿る、というのを驚くほど鮮やかに見 せてくれる一冊。美しい装幀も歌集の世界観を引き立てています。 心を、遠くに置く訓練を 十二月の夜空にオペラグラスをかざす 睦月都 (北山あさひ・コメント) --- 角川短歌賞受賞から6年、待望の第一歌集。 予測不能の睦月都ワールドへの招待。 短歌という一ジャンルを超えた、人類の希求に対峙しようとする創作者の最初の書物をことほぎたい――水原紫苑 猫も雨も風も崖も一体化していくような迫力がある。睦月さんの歌には、様々な境界を越えようとする意識が通底している――東直子 意味として言語化・論理化される手前の印象や雰囲気、手触りといったものをコントロールするのが本当に巧みだ――染野太朗 【収録作品より】 春の二階のダンスホールに集ひきて風をもてあますレズビアンたち 木のスプーン銀のスプーンぬぐひをへ四月の午後は裸足でねむる 猫といふさすらふ湖(うみ)がけさはわが枕辺に来て沿ひてひろがる 口紅といふ制度さびれて三度目の春の一千枚目のマスク いつか小さなアパートになつて冬の日の窓辺にあなたの椅子を置きたい
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『現代短歌パスポート2 恐竜の不在号』
¥1,100
--- 創刊号は発売たちまち重版! 大好評の書き下ろし新作短歌アンソロジー歌集、第二弾。 【収録作品】 岡野大嗣「foil」 大森静佳「オーガンジー」 寺井奈緒美「わんたんたんか」 我妻俊樹「海岸蛍光灯」 伊舎堂仁「も可」 安田茜「森なんてない」 谷川由里子「残暑」 北山あさひ「板子一枚下は地獄、今度会えたら笑ってよ」 小島なお「群か星」 川野芽生「恐竜の不在」 (書肆侃侃房)
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石畑由紀子『エゾシカ/ジビエ』
¥2,200
北山あさひ『ヒューマン・ライツ』刊行記念選書フェア「心に火を灯す13冊」 連帯も分断も関係なく、わたしたちはここにいて、別々の人生を生きている。ただそ のことに、なぜだか勇気づけられます。 大変だった仕事のお金月末に家賃で消える鼠のように 花山周子 (北山あさひ・コメント) --- 第38回北海道新聞短歌賞・受賞作! 帯広市在住・石畑由紀子の第一歌集。 十勝・帯広の風景などを詠んだ387首を収録。 --- 様々な力に抗い、自らの大切なものを守るために、作者はこれからも歌を詠み続けていくだろう。 (松村正直・栞より) 石畑の歌の醍醐味は、自然賛歌や人生賛歌の向こう側を見せてくれる所にある。 (北山あさひ・栞より) すぐに消える雪の結晶が、つよく心に刻印を捺してしまうような言葉たちだ。雪が残酷にうつくしい (佐伯裕子・栞より) 【収録歌】 くちびるに触れるはかないものたちをあまく殺めて これは雪虫 故障中 貼り紙がはためいているあなたはどんなふうにされたの スズメ目おまえの腹の輪郭をおもえばふかくふかく降る眠り 食されぬ肉塊として車輛越し一度限りの邂逅われら 生まれなかった子はみんな姉ジッパーを上げるとき風となって助ける (六花書林)
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谷川俊太郎・木下龍也『これより先には入れません』
¥1,650
谷川俊太郎vs木下龍也 詩と短歌による静かで熱い闘いが収められています。 谷川さんの短歌が読めるのも貴重です! --- 谷川俊太郎と木下龍也の書き下ろしの共著を、出版社名を入れない「同人誌」(同好の士が集まってつくる本)として制作しました。 詩人ふたりが数行の短い詩を交互に書きつぎ、ひとつの作品をつくる詩の形式「対詩」。本書では、詩と短歌による延べ40回にわたるやりとりをおさめました。巻末では、木下さんによる「ひとり感想戦」を収録。その時々の感情まで知ることができます。 * * * 僕にとって『これより先には入れません』は一対一の戦いでした。どの場面にも技術+勘+運+奇跡が必要でした。圧倒的な才能+経験値を前にして何ができたのか、できなかったのか。ぜひ本書でご覧ください。(木下龍也) 【著者プロフィール】 谷川俊太郎(たにかわ・しゅんたろう) 1931年東京生まれ。詩人。 木下龍也(きのした・たつや) 1988年山口生まれ。歌人。 (ナナロク社)
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蒼井杏『推しとショボンヌ』
¥2,090
--- 『瀬戸際レモン』の蒼井杏、第二歌集。 今だから、いや、今しか書けないショボンヌのつぶやき。 【収録歌より】 背表紙が背の順にならびうつくしくきおくのひざをおりまげている この鍵はだれかの指の味がする。わたしいつでもひざまずけるよ アイコンをかえたのですね。とおいなぁ。クリアファイルであおいだあの夏。 プリンターのうえのねこの目とじてゆき世界中からわたしがきえる ひとつぶのみずが耳から出ていっておもいだせそうだったんだけどな 【著者プロフィール】 蒼井杏(あおい・あん) 2015年未来短歌会に入会。加藤治郎に師事。 瀬戸内海のほとりうまれ、ひとみしりな雨女。 第6 回中城ふみ子賞、第57 回短歌研究新人賞次席、2017年未来賞。 第一歌集『瀬戸際レモン』(新鋭短歌シリーズ27、書肆侃侃房)。 (書肆侃侃房)
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【サイン本あり】山階基『夜を着こなせたなら』
¥2,200
--- さりげない生活の風景、関係性の機微――新時代の空気をうつしとり、鮮やかなデビューとなった第一歌集『風にあたる』から4年、暮らしの手ざわりと明暗をいっそう深く、かろやかに刻む第二歌集。 【歌集より】 いちどきりピアスは耳を突き抜ける別の星から呼ばれるように もう取っておいても仕方ないけれど総入れ替えの春の台割 頰に雨あたりはじめる風のなか生きているのに慣れるのはいつ 尾を垂らし虎はこころにあらわれるあれから痩せも太りもせずに くるぶしを波にまかせている夢の浜はあなたと来たことがない 装幀=名久井直子 装画=高山燦基 (短歌研究社)
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『うたわない女はいない』働く三十六歌仙
¥1,980
北山あさひ『ヒューマン・ライツ』刊行記念選書フェア「心に火を灯す13冊」 連帯も分断も関係なく、わたしたちはここにいて、別々の人生を生きている。ただそ のことに、なぜだか勇気づけられます。 大変だった仕事のお金月末に家賃で消える鼠のように 花山周子 (北山あさひ・コメント) --- 食っていけるの?そう笑ってた人たちをシャネルのバッグでいつか撲ちたい ――会社員、パート、教師、保育士、精神科医……いま刮目すべき歌人36名による、心撃ち抜く労働短歌&エッセイ! 俵万智×吉澤嘉代子の対談「短歌が変える女たちの現実」も収録。 ◆歌人一覧 浅田瑠衣/飯田有子/石川美南/稲本ゆかり/乾 遥香/井上法子/上坂あゆ美/遠藤 翠/岡本真帆/奥村知世/川島結佳子/北山あさひ/鯨井可菜子/佐伯 紺/櫻井朋子/田口綾子/竹中優子/谷じゃこ/田丸まひる/千原こはぎ/塚田千束/手塚美楽/寺井奈緒美/道券はな/戸田響子/十和田 有(ひらりさ)/西村 曜/野口あや子/橋爪志保/初谷むい/ 花山周子/平岡直子/本多真弓/水野しず/山木礼子/山崎聡子 (中央公論新社)
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北山あさひ『ヒューマン・ライツ』
¥1,980
小樽市出身・北山あさひの第二歌集! --- 第一歌集『崖にて』で歌壇を席巻した著者、渾身の最新歌集! 〈地方〉と呼ばれる北海道の地から、怒りとユーモアをもって絶望を跳ね返し、虚しさを打ち返す。本領発揮の最新歌集、2020年以降に書かれた319首を収録。 最低賃金920円、短歌の総合誌は発売日の二日後に入荷し、東京に出した手紙が届くのは三日後、Amazonで頼んだ商品が当日に届くことなど永遠にない場所で、わたしたちは歌をつくっています。(ブログより) 〈収録短歌より〉 ポプラ、全部滅茶苦茶にせよと願いたる日々もありけり生きているから 〈自己肯定〉できていますか?チャーハンの中のなるとのピンクのかけら 薄暗い水平線を見ていたら〈地方〉という字がのぼってくるぞ 夏空のギンガムチェック九回裏二死満塁からみな立ち上がる 分断が見える/見えない/見る/見ない/見える/見えない/冬の迂回路 「仕方がない」という言葉を振り切れよジャイアント・スラロームのかもめ 仕掛け絵本ひらけば夜の群青に彗星が立つ、立つ 愛は勝て 風が吹く わたしの顔が裏返りあなたの顔になる ひやしんす てのひらに「て」と書いてある私らしい手相でひらけひらけ扉よ 部屋中の箪笥が硝子のビルになる 大人になってまだ3分だ 【著者プロフィール】 北山あさひ (アサヒ・キタヤマ) 一九八三年、北海道小樽市生まれ。 二〇一三年より短歌結社「まひる野」所属。 二〇一九年に第七回現代短歌社賞を受賞。 二〇二〇年、歌集『崖にて』(現代短歌社)を刊行。 現在は札幌市在住。 (左右社)
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【サイン入り】岡野大嗣『うれしい近況』
¥2,200
岡野大嗣 第4歌集「うれしい近況」 どこまでもカジュアルに、暮らしに溶け込んでいく歌集。 好きな音楽をかけながら、パンやコーヒーを片手に読みたい。 --- How are you? 小さな暮らしが歌になる 誰だろう毛布をかけてくれたのは わからないからしあわせだった 【著者プロフィール】 岡野大嗣 おかの・だいじ 歌人。2014年に第1歌集『サイレンと犀』、19年に第2歌集『たやすみなさい』(ともに書肆侃侃房)を刊行。18年、木下龍也との共著歌集『玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ』、19年に谷川俊太郎と木下龍也との詩と短歌の連詩による共著『今日は誰にも愛されたかった』、21年に第3歌集『音楽』(ともにナナロク社)を刊行。21年、がん経験者による歌集『黒い雲と白い雲との境目にグレーではない光が見える』(左右社)を監修した。関西の月刊誌「MeetsRegional」で「レッツ短歌!」 連載中。 反転フラップ式案内表示機と航空障害灯をこよなく愛する。 (太田出版)
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田中有芽子『私は日本狼アレルギーかもしれないがもう分からない』
¥1,980
--- 穂村弘が見出した奇才がいま、世に放たれる!! この歌集には、普通の人にはまず思いつかないような奇想が充ちている。 怖いからスルーしたい。でも、できない。怖いくせに、いや、怖いからこそ、立ち止まって正体を知りたくなる。その奥にとても大切なものが隠されているように感じるのだ。――穂村弘 奇想に充ちた短歌で「日経歌壇(穂村弘 選)」に100首以上掲載、年間の秀歌にも多数選出のスター歌人として知られる田中有芽子。2019年に刊行し話題を呼んだオンデマンド歌集に、新作「りからん」を加えた新装版。穂村弘による解説も収録。 〈収録短歌より〉 ガラス越し新生児らの歳を足すみんな合わせて56日 ぎっしりとセミの抜け殻詰め込んだ軽いトランク持って野を行く 奇数本入りのパックが並んでる鳥手羽先の奇数奇数奇数 「共用スペースでは必ず犬を抱くこと」買いに行かなきゃ、犬を。 あのアゲハ小さい頃から何回もおんなじやつに会ってるのかも 100年に一言喋る力持つテディ・ベアそっと抱けば「暑イ」と すれ違い多き夫よ何回も帰ってくるが行くのを見ない 海と陸出会うはずない命たち一皿に盛ってシーフードサラダ 君たちは名誉レッサーパンダだよ雨の日の午後通知が届く お母さんはあんたよりもっと殺してる巣に水を入れたりもした (左右社)
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佐クマサトシ『標準時』
¥1,980
--- 寡作でありながら作品を発表するたび強い印象を残し、新世代の歌人として最注目の著者、待望の第一歌集。 目の前の日常から、ここではない日常に。 わたしたちが日々のなかで思い、交わし、つぶやく、なにげない言葉のすべてが詩になる――ドミニク・チェン 2011年短歌研究新人賞最終候補作となった表題作、書き下ろし作品を含む235首を収録。 起動したばかりの画面。デフォルトの状態。テストパターン。本当は何も書きたくないのに、〈私〉がやってきて、指がクリックする。スイッチがONになる。0が1になる。オブジェクトが生まれる。大袈裟だと思う。短歌を詠むだなんて。(著者あとがきより) 〈収録作品より〉 真夜中にアナウンサーが喋るからそれを流して過ごす真夜中 僕たちの恋の終わりや始まりのまさにその瞬間にCM バスタオルきれいにたたむ 空港に住所があるのを認められない AならばBでありかつBならばAであるとき あれは彗星? 問い合わせが殺到したという曲を僕だって何回も聞いていた 2.で「はい」と答えた方にお聞きします。いいえと答えたのでとばします Googleのロゴで初めて名前を知った科学者だがその業績は素晴らしい 晩年は神秘主義へと陥った僕のほうから伝えておくね クリスマス・ソングが好きだ クリスマス・ソングが好きだというのは嘘だ 本当に大事なものはいつだって名前 それが二つある犬 本日の放送は終了しました。私はまだ、考え事をしています (左右社)
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柳原恵津子『水張田の季節』
¥2,200
--- 慧眼の研究者として、忙しい家族の一員として、そしてこの〈世界〉のさみしい人間として、柳原さんは日々の歌を刻印し続けている。――黒瀬珂瀾 研究者としての仕事と家庭を行き来しながら詠まれた、気鋭の著者による第一歌集。初期作品から現在まで、現代短歌社賞佳作となった連作「水張田(みはりだ)の季節」を含む344首を収録。 〈栞〉 染野太朗「サンダルと万緑」 樋口智子「春はまた、花を連れてくるから」 黒瀬珂瀾「忙しくって、寂しくて」 〈収録短歌より〉 生きているだけでふたたび夏は来て抜け殻に似た棚のサンダル それぞれの臓腑に白く降る雪よわれには淡く父には深く ラスボスとして死の影の差す午後にいっしんで書く勤務報告 おやすみ、と書斎へ向かうこの人も燃えさかる一点をめぐる星 夕凪の汀の喜怒をきらめかす十八度目の冬のむすめは (左右社)
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川﨑あんな『triste』
¥2,640
--- 瀬戸夏子が言及し(『はつなつみずうみ分光器』)、密かな注目をあつめる歌人の最新歌集。 自在にゆらぐ表記とリズム。 不穏さとユーモアが溶け合う独特の世界観。 伝説の歌人の最新歌集! いつもする音とはちがふ<ふりうす>のえんじん音にまぎるゝおとの [異音] 開かざりしスクリュウキャップなけなしのゆびのちからバンドエードの [わたしのKopf] 噴きいづる白いけむりのバルサンのその浸潤の素早さつたら [ふらながんさん] ぴつたりと重なりあひてspark為。こんにちわ とさやうならと [遠因] まそかがみすけるとんにしてすかるの奥くらきのなかは點るまぼろし[【やま居とかにして もさあ】] ずぶぬれのまいめろでぃの行く末を案じつゝあり松美池のほとり[【といのぞいど】] 杳たりし。何としてもかあいさうな白いワンピースのためのおとむらひ[【山顚】] (左右社)
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沢口芙美『変若(をち)かへる』
¥2,750
SOLD OUT
--- 『秋の一日』に次ぐ第七歌集。2016年から2022年までの638首を収録。 月刊誌「短歌研究」の毎回30首の作品連載8回分と「平成じぶん歌」31首。 加えて、令和以降3年間の作品を纏めた。 【収録作品より】 「生きめやも いざ」つぶやけばかの冬のどうしやうもなき悲しみ甦る わが傍の椅子はいつしか雲のうへ夢のもろもろ載せたるままに 水にふる雪のしづかに消ゆるごと手紙書きたるかなしみ鎮めむ ワイナピチュ、若き峰の意 若からぬ我が登りて見わたす峰峰 変若(をち)かへるいのち過ぎゆくいのちなど思へり山茶花いろ濃く咲けり 【著者プロフィール】 1941年 大阪府生まれ。 1960年、國學院大学入学時に短歌研究会に入り、作歌を始める。 1973年、岡野弘彦主催の「人」創刊に参加。 「人」解散後の1994年、同人誌「滄」を創刊に参加、現在同誌発行人。 歌集 『フェベ』『樹木地図』『わが眼に翼』『サガルマータ』 『やはらに黙を』『秋の一日』。 歌書 『歌の根拠へ』『歌人たちの昭和 : 迢空・文明を中心に』 『大西民子の歌』の他、『岡野弘彦の百首』(編)。 (短歌研究社)
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【サイン本あり】郡司和斗『遠い感』
¥2,200
第62回、短歌研究新人賞受賞、郡司和斗さんの第一歌集。 マットな質感の表紙は、内容ともリンクしたコンセプチュアルなアートワークの装丁。 水道代払わずにいて出る水を「ゆ、ゆうれい」と呟いて飲む 向こうから泣く声がする 百円のマグロいくつもいくつも食べる 少しだけ僕を抜かしてほほえんだあなたに競歩の才能ひかる 違うだろ、と思わずツッコんでしまうような、意図的に作られた違和感の裏には、様々な感情や出来事が押し込められている。時にユーモアでもあり、茶化しているようでもあり、 店番のひとりっきりの昼下がりあなたもきっと踊りたくなる 弟が口をきかなくなってきて主食はウィダーインゼリーらしい いくつまでゆるされキャラでいけるだろうアパートまでの葉桜の道 蹴れば死ぬだろう子犬がフリスビー追って走って紅葉の広場 風刺や自虐も交えた奇妙な光景が描かれているようで、どれも抒情的で、明るさもあり、何だか親しみが湧くところも魅力です。 karoshi とそのまま辞書に載っていて karoshi した people を思った こんな人 HUNTER×HUNTER にいたよねーとかやっている眼鏡屋さんで 寄るだろう虎の刺繍のジャケットを着て国道の幸楽苑に 志位和夫に似た友達がにこにこと吹雪の中で手を振っている 現代性の強い独特のワードセンスや語法が折り込まれ、実験的な連作も多く、飽きさせません!カジュアルなのに、様々な仕掛けや味わいを楽しめる歌集です。(よ) --- 第62回短歌研究新人賞受賞作「ルーズリーフを空に放つ」収録の、第一歌集。 「ドラッグストアがナチュラルに抒情する時代がやってきたのか」──穂村弘 「『恐るべき子供』の次世代として、 行き詰まった大人の世界の隣でまじまじと目を見開いている」──川野里子 「重要なのは問いの質だ。それは矛盾を抱え続けることで鍛えられる。」──瀬口真司 【歌集より】 今までに見た幽霊を教え合うソファーに夜の風はあたって ぐんちゃんと呼んでください 手を後ろに組んでささくれちらちら剥いた 水道代払わずにいて出る水を「ゆ、ゆうれい」と呟いて飲む いつでも真剣どこでも本気と書かれてるTシャツを着てする皿洗い あずにゃんのフィギュアを買いに行くときの心まみれの心のことを 遠い感 食後にあけたお手拭きをきらきらきらきら指に巻いてる カバー装画:KOURYOU タイトルデザイン:木内陽 装丁:加藤愛子(オフィスキントン) 【著者について】 郡司和斗(ぐんじ・かずと) 1998年 茨城県生まれ 2017年 二松學舍大学松風短詩会結成 2018年 歌林の会入会 2019年 第39回かりん賞受賞 2019年 第62回短歌研究新人賞受賞 2022年 口語詩句賞新人賞受賞 現在は大学院生。佐々木泰樹育英会奨学生。新潟県在住。 (短歌研究社)
書肆侃侃房「新鋭短歌シリーズ」一挙アップ!