奥村知世『工場』
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奥村知世さん『工場』。「肉体を使い、目の前の具体的なものに対して仕事をしていくことへのあごがれがありました。」と語る奥村さん。
女でも背中に腰に汗をかくごまかしきかぬ作業着の色
鈍色のスクリューパーツをひとつずつブラシでこする子の歯のように
威圧感の低いフォントが選ばれて映されてゆく部長の訓示
スクリューを三人で磨く男たち男同士の話をしつつ
冷静で、客観的な描写の中から、ひたと張り付くように作者の視点やリアリズムが伝わってきます。工場の景色、家庭、生活、読み進むごとに、じわじわと身体に染み込んでくる歌集。
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新鋭短歌シリーズ54
監修:藤島秀憲
知性を持った感情が生み出す言葉は強く、やさしい。そっと鷲摑みされた工場と家庭の現場。
「心の花」から今、二人目の石川不二子が生まれた。(藤島秀憲)
【5首】
女でも背中に腰に汗をかくごまかしきかぬ作業着の色
実験室の壁にこぶしの跡があり悔しい時にそっと重ねる
鈍色のスクリューパーツをひとつずつブラシでこする子の歯のように
夕暮れの砂場を掘れば少しずつ獣の手足になる息子たち
教材として触られてカブトムシ脚を一本どこかに落とす
【著者プロフィール】
奥村知世(おくむら・ともよ)
2015年より短歌結社「心の花」に所属。第29回歌壇賞次席。第2回群黎賞受賞。
Twitter @Leo_Tomoyo
発行所:書肆侃侃房
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