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岸原さや『声、あるいは音のような』

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新鋭短歌シリーズ9
『声、あるいは音のような』
岸原さや
監修:加藤治郎

きみの歌声が聞こえる。
ここが、私たちの辿り着いた世界である。
現代に生きる悲しみを綴った珠玉の作品集。
ー加藤治郎

【5首】
羽をもつひとと静かな声をもつひとが出会える街路樹だった
噴水のつぶつぶのようわたしたち落ちてふたたび噴きあがるみず
波音がやまないのです朝も昼もふつうの顔をつけているのに
僕たちは生きる、わらう、たべる、ねむる、へんにあかるい共同墓地で
空洞も友となりゆくゆうぐれに濡れたドロップいろの信号

【著者プロフィール】
岸原さや(きしはら・さや)
静岡県三島市に生まれる。早稲田大学教育学部国語国文科卒。以後東京に在住。2006年、短歌をつくりはじめる。2007年、未来短歌会に入会。加藤治郎に師事。

出版社:書肆侃侃房

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