
【サイン本】廣野翔一『weathercocks』
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weathercocks は風見鶏の意。
廣野翔一さんの、満を持しての第一歌集。
240ページほどのペーパーバック。洋書のような装いで、結構なボリュームです。
心臓のあたりに深き森を持つ何度も何度も立ちすくむため
廃線を歩いていった記憶あり あれは廃線、人生じゃない
風見鶏震えはじめる様にまた生者のことが話題に上る
生きている人と俄かにすれ違う花冷えていくクロスロードに
心象風景や発見、多くの描き方がなされているのですが、どれも偏りすぎず、過剰なポーズも取らず、定点から率直に詠む立ち姿に魅力を感じます。
もうわれを圧倒できぬ高さなり滑り台から雨は滴る
初任給まだ出ないんすよって言う彼が食べているクレープ ひとくち
蛇口より流れる水が突風に歪んですぐに元に戻りつ
嗅ぎしのち一瞬鼻を疑えり白梅の待つ道に陽は射す
神楽坂ゆっくり上る身体に夜をじっくり馴染ますごとく
意表を突くような表現や、分かり辛い描写はあまり無く、実景や定まった視点から滲み出るような叙情が強く、時に繊細に働きかけます。歌集の厚みから、読むほどにズシズシと刺さる歌集です。(よ)
――風が膨らむように吹いていた夜だった。
2010年代以降の短歌シーンを支えつづけた「あの男」が、ついに!
決意と孤独と優しさの第一歌集!
【歌集より】
寒気団 いずれ私が立つはずの荒野を澄ますために寄り来る
作業員・廣野翔一、醜聞の特に無ければ赤だし啜る
われを慰め家へ帰せり 怪獣を星ある方へ戻すごとくに
「生きるために世界の「冷たさ」に馴染んでみようと努めてみる。」
文月悠光(栞文より)
「こんな孤独な言挙げを最近あまり見なくなった。ああ、いいな、と思う。」
吉川宏志(栞文より)
【著者について】
廣野翔一(ヒロノ・ショウイチ)
1991年生まれ。大阪府出身、首都圏在住。京大短歌を経て、「塔」短歌会所属。
「穀物」同人、「短歌ホリック」同人。同志社大学法学部卒。
(出版社:短歌研究社)
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