
【サイン本あり】郡司和斗『遠い感』
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第62回、短歌研究新人賞受賞、郡司和斗さんの第一歌集。
マットな質感の表紙は、内容ともリンクしたコンセプチュアルなアートワークの装丁。
水道代払わずにいて出る水を「ゆ、ゆうれい」と呟いて飲む
向こうから泣く声がする 百円のマグロいくつもいくつも食べる
少しだけ僕を抜かしてほほえんだあなたに競歩の才能ひかる
違うだろ、と思わずツッコんでしまうような、意図的に作られた違和感の裏には、様々な感情や出来事が押し込められている。時にユーモアでもあり、茶化しているようでもあり、
店番のひとりっきりの昼下がりあなたもきっと踊りたくなる
弟が口をきかなくなってきて主食はウィダーインゼリーらしい
いくつまでゆるされキャラでいけるだろうアパートまでの葉桜の道
蹴れば死ぬだろう子犬がフリスビー追って走って紅葉の広場
風刺や自虐も交えた奇妙な光景が描かれているようで、どれも抒情的で、明るさもあり、何だか親しみが湧くところも魅力です。
karoshi とそのまま辞書に載っていて karoshi した people を思った
こんな人 HUNTER×HUNTER にいたよねーとかやっている眼鏡屋さんで
寄るだろう虎の刺繍のジャケットを着て国道の幸楽苑に
志位和夫に似た友達がにこにこと吹雪の中で手を振っている
現代性の強い独特のワードセンスや語法が折り込まれ、実験的な連作も多く、飽きさせません!カジュアルなのに、様々な仕掛けや味わいを楽しめる歌集です。(よ)
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第62回短歌研究新人賞受賞作「ルーズリーフを空に放つ」収録の、第一歌集。
「ドラッグストアがナチュラルに抒情する時代がやってきたのか」──穂村弘
「『恐るべき子供』の次世代として、
行き詰まった大人の世界の隣でまじまじと目を見開いている」──川野里子
「重要なのは問いの質だ。それは矛盾を抱え続けることで鍛えられる。」──瀬口真司
【歌集より】
今までに見た幽霊を教え合うソファーに夜の風はあたって
ぐんちゃんと呼んでください 手を後ろに組んでささくれちらちら剥いた
水道代払わずにいて出る水を「ゆ、ゆうれい」と呟いて飲む
いつでも真剣どこでも本気と書かれてるTシャツを着てする皿洗い
あずにゃんのフィギュアを買いに行くときの心まみれの心のことを
遠い感 食後にあけたお手拭きをきらきらきらきら指に巻いてる
カバー装画:KOURYOU
タイトルデザイン:木内陽
装丁:加藤愛子(オフィスキントン)
【著者について】
郡司和斗(ぐんじ・かずと)
1998年 茨城県生まれ
2017年 二松學舍大学松風短詩会結成
2018年 歌林の会入会
2019年 第39回かりん賞受賞
2019年 第62回短歌研究新人賞受賞
2022年 口語詩句賞新人賞受賞
現在は大学院生。佐々木泰樹育英会奨学生。新潟県在住。
(短歌研究社)
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