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稲垣尚友『密林のなかの書斎 琉球弧北端の日常』

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「十七年」ぶりの来島から一年後、再びの滞在での島の人々の暮らしを描く。

「二十年前、筆禍事件〟をおこした時はどうだったか。その時は、たとえハガキ一枚ですら、書く行為を人前にさらすのがこわかった。「余計なことを書くなよ」と釘を刺されることを、 ありえることと思い込んでいた。だから、家の中に家を作って二重の堀で本丸を築いた。それ は、床の間の脇に半間四方の空間を作り、外に面した二方を半透明の塩化ビニールの波板で囲った。明かりをとることと同時に、外からは決して見えない工夫をしたのだ。そして、そこに 小さな机を持ち込み “書斎“とした。そこは昼間のみ使い、夜、明かりをともすことはなかった。そんなことをすれば"敵"にかくれ家をむざむざと教えてしまうようなものだからである。 座敷に続く戸は外側から釘付けをした。中にいて人の声が戸口でする時、息を殺して訪問者の立ち去るのを待つのである。また、出入りは、床の間の裏にできている幅一尺のねずみの糞 だらけの通路をすり抜け、仏棚の下の戸を内から外に押してくぐり出るように工夫した。 その時の出入りも人の気配のないのを確認してからである。私は文字通り逃げ回っていた。」

二十代の頃、文字から一番遠くあろうと決意した著書は、島の暮らし血肉化しようとするなかで多くの摩擦、葛藤にぶつかります。それらを、克明に記録する場所が「書斎」であったようです。

島の都市化や変化、出入りした人々の行く末、島の人々との鮮烈な交流。「平島語辞典」にも触れており、著者の一貫したライフワークの眩く輝く1冊です。

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