

井口可奈『わるく思わないで』
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つやつやのケーキそこまでつやつやじゃなくていいのに愛は暴行
なんでこんなに暑いんだっけドトールの気をゆるしたらやられる感じ
いかにもという洗剤を使ってるひとがわたしに強くでてくる
手のひらに流星群を描いている きもちわるいよ、架空の星は
どの歌にも、記憶に残るキラーフレーズが入っている井口さんの短歌。
なにもないなら寝ているよそのことをしかられてクラッシュバンディクー
バッティングセンターのゲームコーナーであそんでばかり すこしこわいよ
モンブラン あなたが足首をひねって、わたしはひねっていない状態
実はけっこうしんどい事とか、底の見えない不安もあるのだけれど、大ぶりなユーモアと飛躍的でカバーされてしまうというか、壮大に受け身をとっているような軽やかさも感じました。
はじまっている ピノがふた粒なくなってかわりに雪見だいふくがどん
花が散るサフランライス正直に話そうよって言われる予感
剥くようにバームクーヘン食べるひとばかり集まっていてはいけない
パンチのある違和感や取り合わせがダイナミックに構成されているのだけれど、その間にも味わいや詩情、感傷もあり。めくるめく視点や仕掛けの展開に、いくら読んでも飽きない1冊です!(よ)
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第11回現代短歌社賞受賞
「安定した不安定さ」とでも呼びたくなる文体にゆるぎない作家性を感じ、「みつけた」という確信を抱いた。(平岡直子)
不適応の記号をなぞりながら、世界に対する〈わたし〉の負けを、むりやり勝ちへとひっくり返そうとする。(乾 遥香)
言葉自体がもつ自発的な跳躍力を十全に発揮させている。読者はそのエネルギーにただただ身を任せればよいのだ。(大辻隆弘)
《収録作品より》
洗濯機まわるエリーゼのためにかもしれない曲はほそながい川
さわらないようにしている仁丹をあなたはぐちゃぐちゃさわれてすごい
月おぼろあなたなに言ってるのって言われあきたよ水は透明
手をつたう水のわたしっぽくなさとわたしっぽさのあいだに桃が
これからの杏仁豆腐どうでしょうすべてわたしに任せてみるのは
(現代短歌社)
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