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再び還らず

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福島県大熊町で震災前の25年以上も前から原発の危険性を詠った短歌を収める『青白き光』が、震災後に反響を呼んだ佐藤祐禎氏(2013年没)。その氏が、原発事故により強いられた避難生活の中、2012年に倒れるまでに詠んだ作品を歌集『再び還らず』が、遂に刊行になりました。故郷と、長年積み上げた暮らしを奪われ、再び還ることが叶わなかった無念と慟哭の歌の数々。本書に収められた作品からは、原発事故によって故郷と日常生活を喪失することが、いかに人を苦しめ、心に深い傷を残すかということが、悲しく伝わってきます。

著者について
佐藤祐禎(さとう・ゆうてい) 昭和4年(1929)~平成25年(2013)。福島県双葉郡大熊町生まれ。歌誌「未来」「新アララギ」等に所属。福島県歌人会会長、福島民友歌壇選者を務めた。文庫版歌集『青白き光』(4刷・いりの舎)