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稲葉京子『ガラスの檻』
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初期の稲葉作品は、一見、伝統的な近代のリアリズムを継承しているように見えるが、その実、どの歌もさりげなく仮構がほどこされている。それは、修辞という意味合いではなく「大切なものは目に見えない」という悲哀と、「自分にだけ見えてしまう」畏怖の念であろう。(菊池裕「解説」より)
いつの日か倖せを山と積みてくる幻の馬車は馭者のない馬車
いとしめば人形作りが魂を入れざりし春のひなを買ひ来ぬ
君もまた知りてゐるべき静けさの中にして吾に満ちて来し毒
(現代短歌社・第一歌集文庫)
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